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田向宏行
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「ICO」とは? 「IPO」と何がどう違うの?
テックビューロ発、「COMSA」のしくみは?

2017年09月25日(月)12:40公開 (2017年09月25日(月)12:40更新)
ザイFX!編集部

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■過去最高56万円台から一転、急降下したビットコイン

 破竹の勢いで上昇を続け、9月2日(土)には、過去最高値となる56万円台をつけたビットコインですが、その後は、いろいろあって失速。9月21日(木)現在は、40万円台前半で推移しています。

ビットコイン/円 日足
ビットコイン/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足

ビットコインが失速するきっかけとなったのは、9月4日(月)の中国人民銀行からの発表。それは、「ICOを全面禁止にする」というものでした(ICOとは何ぞや? という点は、この後、説明します)。

中国人民銀行のウェブサイト(ICOのことを報じたページ)
中国人民銀行のウェブサイト(ICOのことを報じたお知らせ)

 この件だけなら、ビットコイン相場が大きく崩れることはなかったのかもしれませんが、事態はそれだけに留まらず…。9月14日(木)には、中国最大手の仮想通貨取引所・BTCC(BTCチャイナ)が新規ユーザー登録をただちに停止し、9月30日(土)にすべての取引を停止すると発表。これを受けて、ビットコイン/円は、一時30万円台前半にまで急落しました。

 このほか、9月12日(火)には、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOがビットコインをディスったとされる報道が出たことも、ビットコイン急落に一役買ったみたい。

 このあたりのことまでは、9月15日(金)に公開した以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

【参考記事】
マイナス500万円!? ビットコイン、なぜ暴落?チャイナショック&JPモルガンショックって!?

■中国当局の規制は、ますます厳格化へ。取引所閉鎖相次ぐ

 上の【参考記事】を公開した9月15日(金)には、その後、BTCC(BTCチャイナ)のほか、大手取引所のHuobi(火幣)やOKCoin(OKコイン)が中国人民元での取引停止を発表したり、ビットコインキャッシュ(BCH)の誕生を主導したViaBTCが9月30日(土)をもって取引を停止すると発表するなど、中国の仮想通貨取引所が相次いで事業規模の縮小や事実上の閉鎖っぽいアナウンスを行いました。

【参考記事】
ビットコインは、8/1のハードフォーク後に最高値更新! ビットコインキャッシュとは?

HOUBI(火幣)のウェブサイト
HOUBI(火幣)のウェブサイト
OKcoin(OKコイン)のウェブサイト
OKcoin(OKコイン)のウェブサイト
ViaVTCのウェブサイト
ViaVTCのウェブサイト

 とりあえず、マイニング(採掘)については、禁止されるワケではないようですが、中国の仮想通貨をめぐる規制が急に厳しくなってきている気が…。

 この動きについては引き続き、注意が必要ではありますが、ビットコイン相場の方は、とりあえず落ち着いているみたいです。30万円台前半まで急落後、反発し、冒頭でお伝えしたとおり、現在は対円で40万円台前半付近で推移しています。

 このまま上昇を再開するのか…? 下落に転じるのか…? はたまた、しばらくもみ合いとなるのか…? 中国の規制動向とともに、今後の動向に注目です。

ビットコイン/円 4時間足
ビットコイン/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 4時間足

■「ICO」とは? 「IPO」や「クラウドファンディング」と似ている?

 ところで、ビットコイン急落のきっかけとなったのは、中国人民銀行からの発表で、それは、「ICOを全面禁止にする」というものだったと冒頭でお伝えしましたが、そもそも「ICO」って、いったい何なんでしょう?

 最近、一般メディアでも「ICO」というキーワードを見かけますし、何かと騒がれているようではありますが、実は、よくわからないという方もいるのでは? なにぶん、新しい分野で、記者もよくわからん部分が多々ありますが…せっかくなので、いっしょにICOの概要を確認しておきましょう。

ICO(Inicial Coin Offering)とは、ざっくりいうと、株式市場におけるIPO(Inicial Public Offering)の仮想通貨版のようなもの。企業などが新しいトークン(※)を発行し、それを不特定多数の投資家に取得させることで対価を得て資金調達することを言います。

(※「トークン」とは、ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンを使って発行される独自の仮想通貨のこと)

 トークンの対価は、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨で支払われ、企業は、支払われた仮想通貨を仮想通貨取引所などで米ドル、日本円などの法定通貨に換金し、現金を調達するという流れになるみたい。

 インターネットを通じて、不特定多数の人からの出資を募るというしくみにだけ注目すれば、クラウドファンディングと似ているとも言えそうです。

■そもそも、「IPO」とは? 「クラウドファンディング」とは?

 ちなみに、IPOは、新規公開株などと訳されたりしますが、未上場企業が新規に東証などの取引所に上場し、その企業の株式を不特定多数の投資家が取引できるようにすることを言います。新規上場=IPOと理解しても良いでしょう。

クラウドファンディングは、ソーシャルファンディングといった呼び方をされることもあるみたいですが、何かしらのアイデアや企画を持つ人が専用サイトを通して不特定多数の人に呼びかけ、アイデアや企画実現のための資金集めをする手法のことを言います。

 こちらは、明確な定義がないようなので、だいたいそんなものらしいというイメージを持っていただければ十分かと。

■ざっくりと、「ICO」のしくみを確認してみよう

 それでは、そんなIPOやクラウドファンディングにちょっと似ている感じがするICOについて、基本的なしくみを確認してみましょう。

 なお、ICOについても、クラウドファンディング同様、明確な定義や用語の統一は行われていないようです。さらに、記者が調べた限りではありますが、いまいちICOの法律的な位置付けもよくわからない面があります。当記事において取り上げる内容は、一部正確でない情報や適切でない表現が含まれる可能性がありますので、その点を踏まえた上で読み進めてください。

 ということで、本題です。文章だけで表現するのは、困難を極めますので、ICOのしくみを図解してみました。細かい点は無視して、ものすご~く簡略化して説明すると、こんな感じになろうかと思います。

ICOのしくみを図解

 まず、ICOを実施する企業は、投資家からビットコインやイーサリアムなど、ある程度、流通性のある仮想通貨で出資(「出資」という表現が適切かどうか不明)を募ります。企業はその対価として、新たに発行するトークンを投資家に付与するワケです(これは、トークンセールなどと言われている)。

 そして、企業は、投資家から出資されたビットコインやイーサリアムを仮想通貨取引所で日本円などの法定通貨に交換し、事業資金(新サービスの開発資金など)に充てるというしくみ。

 資金調達手法と言われることが多いICOですが、この後、紹介するICOソリューション「COMSA(コムサ)」を開発したテックビューロによると、厳密に言うとICOは、「仮想通貨の発行販売手法」であり、それを購入する側も「投資家」ではなく「トークン購入者」という位置づけになるそうです。

 新しい仮想通貨を発行し、販売するための手法であるというのが、ICOの本来の役割みたいですね。実際は、もっぱら、お伝えした資金調達手段として活用されているようですが…。

■トークンの価値は? 値上がりしたら巨万の富を築けるかも?

 あまり深堀りはできないのでしませんが、上述のとおり仮想通貨が何かと絡んでくるICOは、ブロックチェーン技術とは切っても切れない関係にあるのは確かです。

 いろいろとある既存ブロックチェーンの中でも、ICOは、特にイーサリアムのブロックチェーンを使って実施されることが多いというのを関連サイトなどではよく見かけます。ブロックチェーンにも、いろいろとあるみたいですね。

 とにかく、こうしてICOで発行されたトークンに何の価値もなければ意味はありませんが、そのトークンが仮想通貨取引所などに上場するなどして一定の流通性を備え、さらにもし、値上がりしたなら、そこで売って利益を得ることができます。

 有名なところだと、今や代表的な仮想通貨の1つであるイーサリアムは、開発費の調達をICOっぽい手法を使って実施した代表事例といえます。その時は、ビットコインで出資を募り、その対価として投資家にイーサリアムが付与されたのだとか。

 ご存じのとおり、イーサリアムは、その後、爆上げしたワケです。開発段階で出資し、イーサリアムを手にした投資家たちは、もしかしたら今頃、巨万の富を得ているのかも…。

イーサリアム/米ドル(ETH/USD) 週足
イーサリアム/米ドル(ETH/USD) 週足

(出所:Kraken)

 また、イーサリアムの例のように、ICOは、基本的に何かしらのサービスの開発資金を調達する手段として利用されるワケですから、案件によっては、発行されたトークンが、ただ、値上がりを待って売るためだけのモノではなく、たとえば、リリース後、そのサービスだけで使えるお金的なモノ(特定のゲーム内だけで使える架空の通貨とか)になる可能性もあります。

■株主の権利とトークン保有者の権利を比較

 ICOで発行されたトークンは、国内で考えると、金融商品取引法で定義される有価証券ではありませんので(ないはず)、たとえば、株式でいうところの株主の権利などはないものと考えられますが、法律に抵触しない範囲において、さまざまな付加価値を与えることが想定されているようです。

 ちなみに、株主の権利と言えば、代表的なものとしては以下の3つが挙げられます。

<株主の代表的な3つの権利>

1. 株主総会の議決権(経営に参加する権利)
2. 配当金など利益分配を受取る権利
3. 会社が解散した際に、残った資産を受取る権利

 配当や会社が解散した際の資産の分配などは見送られるケースがありますが、それでも、こうした確固たる権利が法律で認められているのが株主。だからこそ、株式には、それに見合った価格がついているとも言えます。

 一方、お伝えしたとおり、ICOで発行されたトークンを持っていても、こうした権利は認められないはずです。たぶん、そんな権利をつけたら違法になる…。でも、何の権利もないとすれば、トークンに大した価格はつかないかもしれません。

法律に抵触しない範囲で、トークンにいったいどんな魅力的な付加価値をつけることができるか? という点が、ICOを行う企業の腕の見せどころと言えそうです。これは、ICOのおもしろそうな部分でもあり、とても興味深い点でもありますね。

■「ICO」って、「VALU」とも似ている気がする

 そう言えば、ちょっと話はそれますが、ここまでICOについてお伝えしてきて、IPOやクラウドファンディングと似ているみたいな書き方をしてきましたが、こうして見ると、少し前に炎上騒ぎとなった「VALU」とも似ている気がします。

 とはいえ、当記事で「VALU」にまで触れると大変なので、「VALU」のサービス内容については、以下の【参考記事】をご覧いただければと思いますが…。

 これもまた、いろいろと問題、いや課題? はありそうではありますが、仮想通貨を使った興味深いサービスの1つです。

【参考記事】
ヒカルのVALU大炎上騒動で一時、大損失!?羊飼い氏が語るヒミツのVALUトレード手法

■株式上場は誰でもできるワケじゃない。ICOはハイリスク?

 VALUはさて置き、もう1つ、ICOと株式市場でいうIPOの対比で触れておきたいのが、トークンの発行体となる企業をどれだけ信用できるのか? という点。

 というのも、株式市場におけるIPOでは、実際に上場するまでに、監査法人が財務諸表の監査をしたり、主幹事の証券会社(野村証券とか大和証券とかがよくなってる)から上場に向けた、さまざまなアドバイスを受けたりします。

 さらに最終的には、東京証券取引所(東証)など上場しようとする取引所による審査もあります。IPOはかなり、大変な手続きや審査を経て行われるワケです。

東証などが所属する「JPX(日本取引所グループ)」のウェブサイト
東証などが所属する「JPX(日本取引所グループ)」のウェブサイト

 上場企業だって、たまにヘンテコな企業があったりもしますが、それでも、上述のとおり、かなり厳重なチェックがかかっていますし、先ほどお伝えしたような株主の権利もきちんと認められていますので、IPOでは、ある程度、株式を購入する投資家の保護が図られているのです。

 ところが、ICOについては、実施に向けた審査制度が定められているワケではなく、言ってしまえば誰でもやろうと思えばやれる状態。言いっぱなしで出資だけ募ってポシャりました、となっても投資家が守られるしくみは、ぱっと見た感じ見当たらない…。

 法律の専門家ではないので断言は控えたいのですが、もちろんそれが詐欺などの犯罪に該当する場合は、法的な手段に訴えることができるのかもしれません。

 でも、そうでなければ、ICOがポシャってしまった場合、ただ無価値なトークンがデジタル資産として残るだけで、トークンを取得する対価として支払った仮想通貨分、丸損するということになりそう…。投資家サイドの視点で見ると、ハイリスクな印象ですよね。

 少なくとも、ICOで発行されたトークンを購入する場合は、株式市場でいうIPOのように、ある程度、投資家を守るしくみができあがっているものではないということを念頭に置いて、より慎重にトークンの発行体となる企業が信用できるかどうかを判断する必要があると言えるでしょう。

■ICOは、ベンチャー企業などが資金調達するには有望かも

 一方、資金調達を行う企業側から見れば、IPOに比べると手軽に利用できる手法として有望と言うことができそうです。

 取引所へ上場すれば、株式の発行などを通じて資金調達は可能にはなりますが、お伝えしたとおり、審査などもありますし、ある程度以上、継続して事業を営んでいなければいけませんので、どんな企業でも上場できるというワケではありません。上場したくても、審査に落ちることだってあります。

 その点、ICOなら、開発段階、あるいは開発前のプロジェクトなどを掲げ、基本的には定められた審査も(たぶん)なく出資を募ることができるワケですから、資金調達のハードルはぐんと下がります。これから成長しようとしているベンチャー企業などにとっては、便利な資金調達手法ではないでしょうか。

 ベンチャー企業などの資金調達手法としては、未上場企業にアグレッシブに投資し、経営コンサルィングなどを行うベンチャーキャピタルから投資を受ける方法も考えられますが、ベンチャーキャピタルは、最終的に、投資したベンチャー企業を上場させ、株式公開するなどしてから株式を売却して利益を回収することなどを目的にしています。

 そういう意味では、こちらも、投資を受けられる企業は、ある程度、限られていると言えそう。やっぱり、ベンチャー企業などが資金調達する手法としては、当記事で紹介した中だとICOが一番ハードルが低そうな印象を受けますね。

■詐欺には気をつけて! 法律の整備はこれから進みそう?

 ただ、VALUもそうですが、ICOも、まだまだ新しい手法で、お伝えしたとおり、明確な定義がされていなかったり、法律的な位置づけがよくわからなかったりします。

 先ほども少し触れましたが、あやふやな状態であるのをいいことに、仮想通貨の未公開プレセールなどと謳って出資を募る、詐欺っぽい話があるなんてウワサを聞いたことも…。「ICO詐欺」といった言葉もネット上などではよく見かけます。

 「この仮想通貨は未公開なんだけど、将来、絶対値上がりするから今のうちに買うべきだ!」みたいな話には、決してだまされないようにしてください。投資の世界に「絶対」なんて、絶対ありません

【参考記事】
仮想通貨の売り方は法的規制の対象外!? 年利30%のようなウマい儲け話はない!

 米国では2017年7月に、SEC(米証券取引委員会)が、ICOっぽいこと(分散型投資ファンドとか言われている)をして発行されたThe DAOトークンについて、米国の証券取引法の規制対象になるとの見解を示しており、世界的な流れを見ても、ちょっとずつ、この分野の法律的な整備が進みつつあるように見受けられます。

 冒頭でお伝えした中国のICO規制の話も、こうした流れの一環と見ることもできそうです。引き続き、動向に注目していきたいですね。

■テックビューロが発表した「COMSA」って何?

 そんななか、日本国内では、2017年8月3日(木)に仮想通貨取引所・Zaif(ザイフ)を運営するテックビューロが、資金調達用のICOソリューション「COMSA(コムサ)」を発表しました。

 一瞬、お洋服屋さんかと思いましたが、それとは、ぜんぜん違う話です。

「COMSA」のウェブサイト
「COMSA」のウェブサイト

 一般の大手メディアでも取り上げられていますので、聞いたことがあるという方もいるのではないかと思います。言葉は知っていても、それが何か? と言われると、固まってしまいそうですけれども…。「COMSA」とは、いったい何なのでしょうか?

 ひとことで説明するのは難しそうですが、大枠は、ICOを実施しようとする企業などが抱える技術面や実務面での諸問題を、テックビューロが持つ技術やノウハウの提供によって解決したり、解決へ向けてサポートすることで、「あなたのICOが成功するよう、始めから終わりまでバッチリ応援します」というサービスであるように見えます。

テックビューロは、もともと「mijin(ミジン)」というブロックチェーン商品を持っていますので、その機能をフル活用するICOということみたい。

 サービスという言葉が適切かどうかはわかりませんが、「COMSA」のウェブサイトを見ると、COMSAは、「実ビジネスのブロックチェーン導入を支援するICOソリューション」とあり、ソリューションを直訳すると「回答」や「解決」と言った意味になりますので、まあ、そういうことなのだろうと思うワケです。

■テックビューロ自ら実施する案件が、「COMSA」のICO第1号

 そんな「COMSA」を使ったICO案件で、2017年9月現在、これから予定されているものが3つありますので、ざっと見てみましょう。

 1つめは、「COMSA」の生みの親であるテックビューロ自らが、「COMSA」のシステム開発や取引所Zaif、ブロックチェーン商品「mijin」の機能拡充のための資金調達としてICOを実施するというもの。

 2017年8月3日(木)から事前登録が始まっており、9月20日(水)までのプレセールを経て、10月2日(月)~11月6日(月)の期間でトークンセールが実施される予定となっています。

 当記事公開時点ではすでに終了していますが、プレセールは事前販売みたいなもので、トークンセール時にトークンを購入するよりも20%多くトークンをもらうことができたそう。10万ドル相当以上購入することが、プレセール参加の条件となっていました。

プレセールで利用できる仮想通貨は、ビットコイン、イーサリアム、ネム(XEM)の3つ。10万ドル相当って、日本円にすると1000万円以上ですので結構な金額ですよね…。

 プレセールに参加するのが厳しい場合は、通常のトークンセールに参加してトークンを購入するという形になります。トークンセールは、上述のとおり、10月2日(月)~11月6日(月)。参加するには、事前にウェブサイトからの登録が必要なようです。

テックビューロの発表によると、9月13日(水)時点で登録者数は15万人超、ホワイトペーパー(目論見書)のダウンロード数は6万件以上となったそう。9月25日(月)現在、申込み画面を確認してみると、登録者数は18万人を超えているようでした…。なんだかよくわからないけど、注目されているってことみたい!

COMSAの申込み画面
COMSAの申込み画面

ホワイトペーパーとは、そのICO案件の概要や集めた資金をどうやって使うかなどが記されたもので、「COMSA」の場合、ウェブサイトで誰でも閲覧することができます。

 先ほど、ICOでは、「より慎重にトークンの発行体となる企業が信用できるかどうかを判断する必要がある」とお伝えしましたが、ホワイトペーパーは、その判断材料の1つとなるもの。この機会に、興味がある人は、一度、「COMSA」のホワイトペーパーを見てみると良いのではないでしょうか?

 ただし、記者も実際に「COMSA」のホワイトペーパーを見てみましたが、結構、難しいことが書いてあるなぁって印象…。正直、記者の現在のICOへの理解度では、投資判断ができないと感じました。

 最終判断は読者のみなさん、それぞれで行っていただきたいのですが、記者個人としては、無鉄砲モードで安易に出資するのは、避けた方が良いかも…という気がしています(あくまで記者個人が出資するかどうかということの判断です)

■東証2部上場の会社もICOするらしいけど


【記事公開後の追記】

 本記事公開後、「COMSA」公式サイトの記述が変更されました。以下に記したプレミアムウォーターホールディングス、CAMPFIREのICOを今後予定している旨の記述は消えました。

 また、CAMPFIREはCOMSA上でのICOの実施について詳細な条件の合意をした事実はなく、今後も実施する予定はなく、別の手段によるICOを検討しているとのリリースを9月29日に出しました。


テックビューロに続いて、11月中旬に予定されている「COMSA」を使ったICO案件が、プレミアムウォーターホールディングス、そして、年内に予定されているのがCAMPFIREという企業のものです。

プレミアムウォーターホールディングスのウェブサイト
プレミアムウォーターホールディングスのウェブサイト

プレミアムウォーターホールディングス(証券コード:2588)は、ミネラルウォーターの宅配事業を営んでいる東証2部上場企業ということもあり、話題になった感じ。

 上場企業なら、新株を発行すれば資金調達できるんじゃないの? という疑問は、若干ありますが、何かしらの理由でICOという新しい手法を用いて資金調達することを考えているみたいです。

 ちなみに、プレミアムウォーターホールディングスの株価は、テックビューロが「COMSA」を発表し、そこでプレミアムウォーターホールディングスがICOの実施を予定しているということが明らかになってから、アホみたいに上昇していました。

プレミアムウォーターホールディングス 日足
プレミアムウォーターホールディングス 日足

(出所:Bloomberg)

 当記事でもお伝えしてきたとおり、まだまだICOにはわからないことがたくさんあるものの、世間の注目度が高まっているというのは、この株価の動きからも伝わってくる気がします。

 そして、もう1つの案件であるCAMPFIREは、クラウドファンディングサービスを提供する会社。こちらは、上場企業ではありません。

CAMPFIREウェブサイト
CAMPFIREウェブサイト

CAMPFIREは、paperboy&co.(現GMOペパボ)の創業者である家入一真(いえいりかずま)氏が代表を務めています。起業家として、波瀾万丈な(?)経歴を持つ家入氏の会社ということで、こちらも何かと注目が集まっているみたい。

 現状、テックビューロに続き、プレミアムウォーター、CAMPFIREと第3弾まで予定されている「COMSA」を使ったICO。今後、どんな盛り上がりを見せるのか? また、どんな企業が、この後に続くのか? 注目です。

 ということで、今回はビットコイン価格の下落のきっかけとなった、「ICO」というキーワードについて、お伝えしてみました。

 引き続き、ザイFX!では、ICOを含め、仮想通貨に関連する話題に注目し、さまざまな角度からお伝えしていけるよう、情報収集を行っていきたいと思います。

(ザイFX!編集部・向井友代)

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