■ビットコインは、何によって動いているのか?
ザイFX!で見られるようになったビットコインのチャート。
【参考記事】
●ザイFX!に「ビットコインチャート」登場!このタイミングでリリースした理由とは?
たとえば週足チャートを見ると、2015年9月に3万円弱だったのが、今は6万円台。1年で100%上昇って、米ドル/円で考えたら1ドル=120円から1年後に240円になるようなものだから、相当なボラティリティ。
このボラティリティの大きさこそビットコイントレードの醍醐味だが、その前に確認しておきたいのは「ビットコインは何によって動いているのか?」。
為替市場だったら金利や景気、需給、テクニカル要因などで動く。じゃあ、ビットコインの価格はどんな要因で動いているのか、チャートが手軽に見られるようになったこの機会に確認していこう。
■ビットコインだからって難しいことはない
ただ、ビットコインだからといって特別なことはない。米ドル/円の値動きを考えるとき、世界経済の流れや日本銀行の動き、アメリカの金融政策などを確認するように、ビットコインも世界経済の流れとビットコイン固有の材料の2つが値動きのドライバーだ。

ビットコインも対円や対米ドル、対ユーロなどの通貨ペアでの取引となるので、ビットコイン/円なら日本の材料も値動きに影響しそうだけど、「ビットコインVS主要通貨」を見ればわかるとおり、対円、対米ドル、対ユーロのいずれも同じようなチャートを描いている。
今のところ円や米ドル、ユーロなどフィアット(法定)通貨の影響は小さく、世界経済の流れや仮想通貨側の材料が大きいようだ。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコインVS主要通貨 日足)
■Brexitで買われた「円・金・ビットコイン」
2016年の金融市場で一番のニュースと言えば、やっぱり6月のBrexit(ブレグジット・英国のEU離脱)だろう。あのときの動きを思い出してほしい。
【参考記事】
●緊急特集:EU離脱・英国国民投票まとめ。まさかのEU離脱で世界に激震
「最後は残留で落ち着くだろう」との楽観ムードだったのが投票の2週間ほど前から急展開。Brexit支持派優勢の世論調査結果が相次いで発表され、「ホントに離脱するかも!?」と金融市場もあわて始めた。リスクオフムードの急速な高まりだ。そこで買われたのは何だったか覚えているだろうか?
ひとつは円。6月はじめに162円だった英ポンド/円は2週間後、145円まで下げた。英ポンド安・円高が急激に進んだのだ。
もうひとつが金。こちらは同期間に1212ドルから1315ドルへと100ドルの急騰だった。「リスクオフの円高」や「有事の金」は市場の定説。この2つが買われたのは納得しやすい。
【参考記事】
●英国がEU離脱なら英ポンドは20%暴落か。7500万円払えば、いち早く結果がわかる!?
■「デジタル・ゴールド」とも呼ばれるビットコイン
でも、実はもうひとつ買われていた資産がある。ビットコインだ。ビットコインは5月末に5万円ほどだったのが、Brexit懸念が高まった投票1周間前には8万円台まで急騰していたのだ。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
ビットコインは「デジタル・ゴールド」と呼ばれることもある。「デジタル版の金」といった意味だ。
「採掘」によって新たに発行されることや、どの中央銀行にも管理されていない「無国籍通貨」であること、それに基本的に金利のつかない資産であることなどの共通点があるためだが、「有事の金」のように「有事のビットコイン」といった特徴も、今後は注目されてくるかもしれない。
【参考記事】
●ビットコインの衝撃(1) マネパでビットコインが買えるように!? そもそもビットコインとは?
ザイFX!では「米ドルVS世界の通貨」で、米ドル絡みのさまざまな通貨ペアのチャートが一覧できる。ここには米ドル/ビットコインも追加されたから、これを見て、円やビットコインが買われているようなら、リスクオフの動きが強まっている可能性がありそうだ。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
では、昨年(2015年)最大のリスクオフイベント…
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