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マイナス500万円!? ビットコイン、なぜ暴落?
チャイナショック&JPモルガンショックって!?

2017年09月15日(金)20:15公開 (2017年09月15日(金)20:15更新)
ザイFX!編集部

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■ビットコイン/円が2週間弱で約45%の暴落!

 ビットコインとその他の仮想通貨相場が暴落している。

 9月2日(土)に56万円台の最高値をつけたビットコイン/円は9月15日(金)には一時、31万円をつけるまで大きく下落した(※)。わずか2週間弱で約45%もの暴落だ。

(※安値は9月15日(金)20時現在のもの。ビットコインのレートは取引所によって結構、差があるが、ここではkrakenのレートを採用している。これ以下も同様。なお、ザイFX!のビットコインチャートはkraken提供のレートから生成している)

ビットコイン/円 日足
ビットコイン/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足

 そして、イーサリアム、ライトコイン、リップルなど他の仮想通貨も9月に入ってから軒並み大きく下落している。

イーサリアム/米ドル 日足
イーサリアム/米ドル 日足

(出所:Kraken)

ライトコイン/米ドル 日足
ライトコイン/米ドル 日足

(出所:Kraken)

ビットコイン&その他の仮想通貨はなぜ、大きく下落しているのだろうか?

 今回の下落には第一に中国当局の動きが関係している。また、米国からも耳目を集めるニュースがあった。本記事では、それらをまとめて紹介しよう。

■陳満咲杜氏が暗号通貨バブル崩壊を予言!?

ザイFX!連載陣の1人、陳満咲杜さんザイFX!の連載記事中で、「近々ビットコインをはじめとして、暗号通貨のバブルが弾けてくると思う」とズバリ書いていたのは9月1日(金)のことだった。

【参考記事】
ビットコインバブルが弾けて米ドルは底打ち!? 複数サイン点灯、確証は今晩雇用統計後!

 中国・上海出身の陳さんは何か中国国内での仮想通貨関連の動きをつかんでいたのだろうか?

■中国人民銀行がICOの全面禁止を発表!

 陳さんの記事公開後、週が明けた9月4日(月)になって、今回の下落の出発点となった発表が中国人民銀行(中国の中央銀行)からあった。

ICOの全面禁止が発表されたのだ。

 ICOとはInitial Coin Offering(新規仮想通貨公開)の略。株式市場におけるIPO(新規株式公開)の仮想通貨版のようなものだ。

 ICOについては、当コーナーでも後日、詳しく紹介する予定だが、きっちりとした公的ルールが整備されたIPOに比べ、ICOにはそのような公的ルールはなく、すべてとまでは言えないにしても、詐欺的なものが多いと言われている。

 にも関わらず、最近は瞬く間に多額の資金が集まるICOが少なくない状況だったのだが、中国人民銀行はこれを違法とし、全面禁止すると発表したのだ。

中国人民銀行 上海分行
中国人民銀行 上海分行

中国人民銀行は9月4日にICOの全面禁止を発表した。写真は上海にある中国人民銀行上海分行(筆者撮影)

 ICOは仮想通貨を使って実施されるため、投資家はICOに応募する場合、その分の仮想通貨を持っている必要がある。それが仮想通貨需要を増大させ、最近の仮想通貨相場の上昇をもたらしていた一面もあったようなのだが、中国人民銀行はそれに冷や水を浴びせたのだった。

 なお、その後、9月12日(火)には英国の金融規制当局であるFCA(金融行為監督機構)もICOは詐欺に悪用されるリスクが高いと警告を発している。FCAの警告は、ICOに投資する投資家は全損を覚悟せよ!と強い調子だ。

■中国メディアが仮想通貨取引所の閉鎖決定と報道

 そして、9月8日(金)になると中国のメディア「財新網」が、中国の金融当局が仮想通貨取引所の閉鎖を決定したと報じたのだった。

 このニュースは有力メディアによるものではあるものの、金融当局自体が発表したものではなかった。また、BTCC(BTCチャイナ)、OKCoin(OKコイン)、Huobi(火幣)という中国の三大仮想通貨取引所がこの報道を否定したこともあり、このニュースの真偽を巡って、さまざまな思惑が入り乱れることとなった。

 このニュースが出た9月8日(金)、ビットコイン/円の安値は45万円台だった。この時点で56万円台の最高値からの下落率は約20%に達していた。

 ただ、これまでの上昇があまりにもスゴかったため、ビットコイン/円はトレンドラインを少し割り込んでいたものの、上昇トレンドが崩れたチャートにはまだ見えなかった。

ビットコイン/円 日足 (9月8日時点)
ビットコイン/円 日足

(出所:Kraken)

■報道を否定していた中国最大の取引所が取引停止へ

 しかし、さらに決定的な一撃が9月14日(木)になって襲ってきた。

中国最大の仮想通貨取引所・BTCC(BTCチャイナ)が新規ユーザー登録をただちに停止し、9月30日(土)にすべての取引を停止すると発表したのだ。これは同取引所が金融当局からの通知を慎重に検討した結果だという。

 数日前には「財新網」による仮想通貨取引所閉鎖報道を否定していたのに、オイオイオイオイと言いたくなる展開だ。

BTCC(BTCチャイナ)の公式サイト
BTCC(BTCチャイナ)の公式サイト

 この日のビットコイン/円は長大陰線となった。日足チャートを見ると、その数日前からトレンドラインを割り込みつつあったが、この日の下落でそれが決定的なものに。ビットコイン/円の上昇トレンドは少なくともいったんは崩れたように見える。

ビットコイン/円 日足
ビットコイン/円 日足

(出所:Kraken)

 そして、その翌日、本記事を公開した9月15日(金)はさらに下落して31万円の最安値をつけたものの(安値は20時現在の値)、その後は反発する局面もあり、乱高下の様相。以下の10分足チャートを見ると、一見、何でもないように見えるが、10分で4万円ぐらい動いていることもあり、結構な荒れ模様だ。

ビットコイン/円 10分足
ビットコイン/円 10分足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 10分足

■JPモルガンのCEOが「仮想通貨を取引したら即刻解雇!」

 この間、9月12日(火)には米国からも仮想通貨関連で大きな物議を醸したニュースが出てきた。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOがビットコインをこき下ろしたのだ。

 ダイモンCEOはニューヨークで行われた投資家会議で「ビットコインは詐欺だ」と批判。17世紀のオランダで、単なるチューリップの球根がものすごく高騰したチューリップバブルを引き合いに出し、ビットコインはそれよりひどいと指摘した。

 さらにJPモルガンのトレーダーが仮想通貨を取引したら即刻解雇すると話したと報じられている。即刻解雇の理由は以下の2点だ。

(1)就業規則違反だから

(2)バカだから

 このことで、JPモルガンを解雇されたトレーダーがいるとはまだ伝わっていないが、ずいぶん、えらい剣幕のダイモンCEOである。

 このダイモンCEO発言もビットコイン相場下落に一役買っていそうだ。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOはビットコインは詐欺だとものすごい勢いでこき下ろした (C)Bloomberg/Getty Images

 なお、ダイモンCEOはビットコインの基礎となるブロックチェーンの技術については否定的なわけではなく、JPモルガンはブロックチェーンについて、これまでいろいろと投資を行ってきた。

■米中のビットコインに対する圧力は北朝鮮対策?

 このように、ビットコイン関連のネガティブなニュースが米中から次々と出てくる背景には北朝鮮問題があるのでは…という見方もあるようだ。

ビットコインは北朝鮮の資金源になっているのでは…と囁かれている。北朝鮮がハッキングでビットコインを盗んでいるのではないか、ビットコインの採掘(マイニング)を開始したのではないか、などと言われているのだ。

 そこで、ミサイル発射や核実験をエスカレートさせている北朝鮮の資金源を断つために、ここに来て、米中がビットコインに対する規制や圧力を強めているという見方があるのだ。

■イケダハヤト氏が仮想通貨でマイナス500万円!

 このように2017年9月に入ってから、ビットコイン関連のネガティブなニュースが次々と出てきて、ビットコイン相場は大きく下落することとなった。

 そんななか、ザイFX!としては、あの人はどうしているだろう?と気になる人が1人いる。イケダハヤト(イケハヤ)氏だ。

 イケダハヤト氏がブログで以下のようなタイトルの記事を書いたのは2017年8月上旬のこと。

イケハヤを「靴磨きの少年」呼ばわりした「ザイFX!」の井口稔編集長、息してる~?

 高名なイケダハヤト氏に「息してる~?」と呼びかけられた筆者(井口稔)はザイFX!で以下のような記事を公開して、イケダハヤト氏の呼びかけに応えたのである。

【参考記事】
熱狂のビットコイン相場。イケダハヤト氏は再び「靴磨きの少年」となるのか?

 そのイケダハヤト氏は9月15日(金)になって、

【悲報】イケハヤの保有仮想通貨、わずか半月でマイナス500万円!

 との記事を発表した。

イケダハヤト氏のブログ「まだ労働で消耗してるの?」より
イケダハヤト氏のブログ「まだ労働で消耗してるの?」

 この記事によると、イケダハヤト氏は半月で仮想通貨関連の含み益を500万円減らしたようだ。

 ただ、イケダハヤト氏は「メンタル強い上にカネが余ってるので、売るどころか買い増しをしています」、「そもそも年内は『買い増ししかしない』という方針」などと書いている。

 資産に余裕のありそうなイケダハヤト氏はまったく動じておらず、この暴落をチャンスととらえているようだ。

■これからのビットコイン相場が楽しみだ

 今回、ダイモンCEOで話題になったJPモルガンに以前在籍しており、仮想通貨にも詳しく、イケハヤ好きでもある広瀬隆雄さんは筆者が「ビットコイン/円が40万円を割れた」とツイートしたのに対して、以下のようにコメントしていた。

 これに対して、筆者は以下のようにツイートした。

 実際、筆者が以下の記事を書いて公開した8月8日(火)のビットコイン/円相場は40万円の手前ぐらい。本記事を公開した9月15日(金)の高値はやはり40万円の手前ぐらいだから(高値は20時現在の値)、まだまだ上がって下がって元に戻った程度なのだ。

【参考記事】
熱狂のビットコイン相場。イケダハヤト氏は再び「靴磨きの少年」となるのか?

 イケダハヤト氏も先ほど紹介したブログ記事の中で以下のように書いているが、これはイケダハヤト氏の言うとおりである。

7月の最高値は31万円で、現在値が33万円です。なんだ、ビットコイン価格下がってないじゃん!

 8月に公開された「イケハヤを『靴磨きの少年』呼ばわりした『ザイFX!』の井口稔編集長、息してる~?」という記事の中でイケダハヤト氏は以下のように書いている。

ぼくは1,000万くらい仮想通貨持ってますが、銘柄選びを間違えなければ、これは5年くらいで1億円くらいになると思ってます。マジで。

それどころか、1,000万円が10億になっても驚きません。1ビットコインが100万円になっても不思議じゃない、みたいなレベルの話。

 このような予想をしているイケダハヤト氏から見れば、今回の暴落は絶好の仕込みどころというところだろうか。

 これからのビットコイン相場がどうなるのか、楽しみだ。


(追記)

 本記事公開後、中国三大仮想通貨取引所の残り2つ、OKCoin(OKコイン)とHuobi(火幣)も10月31日までに取引を停止すると発表した。

(ザイFX!編集長・井口稔)

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