■ビットコイン/円が2週間弱で約45%の暴落!
ビットコインとその他の仮想通貨相場が暴落している。
9月2日(土)に56万円台の最高値をつけたビットコイン/円は9月15日(金)には一時、31万円をつけるまで大きく下落した(※)。わずか2週間弱で約45%もの暴落だ。
(※安値は9月15日(金)20時現在のもの。ビットコインのレートは取引所によって結構、差があるが、ここではkrakenのレートを採用している。これ以下も同様。なお、ザイFX!のビットコインチャートはkraken提供のレートから生成している)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
そして、イーサリアム、ライトコイン、リップルなど他の仮想通貨も9月に入ってから軒並み大きく下落している。

(出所:Kraken)

(出所:Kraken)
ビットコイン&その他の仮想通貨はなぜ、大きく下落しているのだろうか?
今回の下落には第一に中国当局の動きが関係している。また、米国からも耳目を集めるニュースがあった。本記事では、それらをまとめて紹介しよう。
■陳満咲杜氏が暗号通貨バブル崩壊を予言!?
ザイFX!連載陣の1人、陳満咲杜さんがザイFX!の連載記事中で、「近々ビットコインをはじめとして、暗号通貨のバブルが弾けてくると思う」とズバリ書いていたのは9月1日(金)のことだった。
【参考記事】
●ビットコインバブルが弾けて米ドルは底打ち!? 複数サイン点灯、確証は今晩雇用統計後!
中国・上海出身の陳さんは何か中国国内での仮想通貨関連の動きをつかんでいたのだろうか?
■中国人民銀行がICOの全面禁止を発表!
陳さんの記事公開後、週が明けた9月4日(月)になって、今回の下落の出発点となった発表が中国人民銀行(中国の中央銀行)からあった。
ICOの全面禁止が発表されたのだ。
ICOとはInitial Coin Offering(新規仮想通貨公開)の略。株式市場におけるIPO(新規株式公開)の仮想通貨版のようなものだ。
ICOについては、当コーナーでも後日、詳しく紹介する予定だが、きっちりとした公的ルールが整備されたIPOに比べ、ICOにはそのような公的ルールはなく、すべてとまでは言えないにしても、詐欺的なものが多いと言われている。
にも関わらず、最近は瞬く間に多額の資金が集まるICOが少なくない状況だったのだが、中国人民銀行はこれを違法とし、全面禁止すると発表したのだ。

中国人民銀行は9月4日にICOの全面禁止を発表した。写真は上海にある中国人民銀行上海分行(筆者撮影)
ICOは仮想通貨を使って実施されるため、投資家はICOに応募する場合、その分の仮想通貨を持っている必要がある。それが仮想通貨需要を増大させ、最近の仮想通貨相場の上昇をもたらしていた一面もあったようなのだが、中国人民銀行はそれに冷や水を浴びせたのだった。
なお、その後、9月12日(火)には英国の金融規制当局であるFCA(金融行為監督機構)もICOは詐欺に悪用されるリスクが高いと警告を発している。FCAの警告は、ICOに投資する投資家は全損を覚悟せよ!と強い調子だ。
■中国メディアが仮想通貨取引所の閉鎖決定と報道
そして、9月8日(金)になると中国のメディア「財新網」が、中国の金融当局が仮想通貨取引所の閉鎖を決定したと報じたのだった。
このニュースは有力メディアによるものではあるものの、金融当局自体が発表したものではなかった。また、BTCC(BTCチャイナ)、OKCoin(OKコイン)、Huobi(火幣)という中国の三大仮想通貨取引所がこの報道を否定したこともあり、このニュースの真偽を巡って、さまざまな思惑が入り乱れることとなった。
このニュースが出た9月8日(金)、ビットコイン/円の安値は45万円台だった。この時点で56万円台の最高値からの下落率は約20%に達していた。
ただ、これまでの上昇があまりにもスゴかったため、ビットコイン/円はトレンドラインを少し割り込んでいたものの、上昇トレンドが崩れたチャートにはまだ見えなかった。

(出所:Kraken)
しかし、さらに決定的な一撃が…
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