■米ドル/円は巨大なオプションに上値阻まれる
日経平均の急伸に周回遅れで米ドル/円も上昇し、今週(11月6日~)の米ドル/円は、一時115.00円に急接近するも、高値は114.73円止まりで反落。
このステージでも米ドル/円は、2015年6月からのレジスタンスが位置している114円台後半のブレイクに失敗。
(出所:Bloomberg)
前回のコラムでご紹介させていただいたように、米ドル/円が反落する局面では、本邦機関投資家のオープン外債(為替をヘッジせず、オープンで投資する外債)に絡む米ドル買い注文が待っていることも予想され、米ドル/円の下落余地は限定的。
【参考記事】
●米ドル/円は重要レジスタンス突破に注目! 株急騰にいち早く反応した通貨ペアとは…!?(11月2日、西原宏一)
しかし、米ドル/円は前述のレジスタンスがどうしても超えられません。
マーケット関係者によれば、米ドル/円の上値を阻んでいるのが巨大なオプション。
来週(11月13日~)、16日(木)のNY時間が権利行使期限となる米ドル/円のオプションは、下記のようなものが控えている模様。
114.50円が44億ドル
115.00円で50億ドル
合計で94億ドルとなり、実際に、この規模のオプションがマーケットに存在するとすれば、少なくとも11月16日(木)のNY時間の権利行使期限まで、米ドル/円は115.00円を大きく超えていくのは難しいということになります。
(出所:Bloomberg)
■日経平均の調整による、米ドル/円の下落幅拡大に注意
現在、日経平均が急騰している環境下、マーケットでは米ドル/円のロングも増えてきており、仮に地政学的リスクなどマーケットに負荷のかかる報道が流れると、日経平均の調整とともに、米ドル/円の下落幅が大きくなる可能性が高まっているため要注意です。
(出所:Bloomberg)
連騰する日経平均にも関わらず、11月16日(木)までは巨大なオプションに阻まれ上値を抑えられている米ドル/円相場。
短期的に調整幅が深くなる可能性が高まっているため、調整での米ドル/円の反落に警戒です。
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