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田向宏行
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

ハイテク・ショックでリスクオフ、
ドル円最安値チャレンジしきれず

2018年03月20日(火)15:34公開 (2018年03月20日(火)15:34更新)
持田有紀子

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 昨日も最近のパターン通りで、欧州序盤にドル円が上がってきた。106円台に乗せてきたところは売ってみたい。そう考えて何とか我慢して106.08で売ることができた。しかしその後も上がり続けて106.30あたりまで上がってしまった。気持ち悪いので、私は途中で買い戻してしまったが、また売るつもり。

 クロス円が中心に上がっていたのだ。BREXIT交渉で進展があったようで、経過措置の期間が決まったとのこと。それでポンドが急伸し、クロス円もつられて上がっているというわけだ。ユーロ円も例外ではなく、129円台の中盤まで突っ込んでいたのに、1円級のめくれ上がりを演じている。それで間接的にドル円もプッシュアップ気味で推移。

 個人的にはBREXIT関連の話は、それほどマーケットに驚きをもたらす内容でないように感じられる。これでリステークになって円売りに励んでいってよいものかどうか、疑わしい。ニューヨークオープンとなっても、ドル円は107円台をキープ。そこで私は106.35で、つまり先ほどの戻り高値のちょっと外側にストップロスを置いて、106.17で売り込んでいった。そもそもドル円ベアなのだ。

 ところでアメリカの株価の時価総額を表す株価指数で代表的なものは、S&P指数とナスダック・コンポジットである。この指数のうち70%分の時価総額を、ハイテク上位の4社で占めている。アップルやグーグルといった企業だ。だからそれがアメリカの強みであると同時に、アキレス腱でもある。昨日はそれが同時に表面化した日となった。

 週末からフェイスブックのデータ漏洩については言われていた。それがFB社そのもの本体の責任も問われそうだということになった。それでマーケットの、ムードは一気に暗転。S&P先物やナスダック先物はアジア時間から軟調な地合いを続けていたが、それがさらに速度を加えて急降下。

 それに加えてUberも自動運転の実験中に事故死が発生した。今が大事な時なのに、目先は一歩後退を余儀なくされる事態が起こったのだ。またアップルも製品の製造・組み立てを従来の外部発注から自社製造に切り替えると発表。

 これはそれまでの成功事例であったものを放棄して、在庫積み上げのリスクを負うというもの。それはダウ平均にも波及し、一時期、500ドル安を超える下げ幅となった。

 私は寝てしまっていたが、利食いの買い注文である105.85はダンになっていた。しかしロング転すべき105.35はできていなかった。材料はかなり深刻であってもよいはずのものであるのに、市場のリスク回避は限られたということだ。ドル円で今年の最安値チャレンジはなかったのである。

日本時間 15時30分


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