昨日も世界的にリスクテークの流れとなった。中東の地政学的リスクが減少したと思われることに加えて、フロリダでの日米首脳会談をひかえて朝鮮半島のリスクも軽減するかもしれないとの楽観的な見通しが強まってきたからだ。
また前日のニューヨーククローズ後に発表されたネットフリックスの好決算もあって、早朝からグローベックスでも米国株は上昇した。2月から不調をかもしていたハイテクセクターが、ちょっとすっきりした格好だ。
そうした中でも昨日のアジア時間ではドル相場がやや軟化。ドル円も107円台を割り込んできたり、ユーロドルが1.24台に乗せてきたりなど。日米会談では北朝鮮の問題だけではなく、やはり日米貿易のことも持ち出されるであろう。
だがその話しのなかでトランプ大統領がカードとして為替レートを持ち出さないとも限らない。本気でなくても「通貨」とかのワードが出てくるだけで、マーケットは大いに反応することになるだろう。
それを恐れての動きも含まれているようだ。私もそういうシナリオを支持する一人だが、それを実践に移すのは会談が始まって何がしらの声明や談話が伝わってきてからで良いと考えている、ともかくも夜まで様子見だ。
グローベックスでの株価上昇のまま、ニューヨーク市場で現物株の取引も始まった。それまでに出てきた住宅関連のデータが良かったのでマクロ的に下支えされたのに加えて、GSなど企業決算もアナリスト予想を上回ったことから、米国株はさらに一段高。ほとんど押し目らしい押し目を作らない展開となった。ダウ平均は今年の下げ分を取り戻して陽転。
リスクテークは間違いないのだが、ドル円やユーロ円の上げは鈍い。ドル円は107.20あたりまで上がるのがやっと。やはり誰も上値追いしたくはないのだろう。日米会談は第1日目は終わったようだが、想定の範囲内のことしか出てきていない。
拉致問題も議題に乗せるとは言っているが、これはマーケットには直接、関係のないことのように見えるが、アメリカもお願いがあれば何でも聞いてくれるわけではない。
日本の立場を擁護する見返りに、貿易などの面で妥協を強いられることもありうるのだ。だから中身がはっきりするまで、日米会談で何を達成できたのかの判断を急がないほうがいい。会談は翌日も続くのだから。
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