■リスクオフに必要な「最後の1ピース」
先週(6月11日~)は、トルコリラやアルゼンチンペソなどの新興国通貨が、また売られていますし、週末にはコモディティも全面安です。

(出所:Bloomberg)

(出所:Bloomberg)
上海総合指数も、2016年来の安値水準まで下落しています。

(出所:Bloomberg)
米中貿易紛争ですから、中国株は弱いでしょうね。
FOMCが先週(6月11日~)、利上げしたことで、米ドルの政策金利は、豪ドルに続いてNZドルの金利も上回りました。
コモディティ安や貿易紛争も重なったことで、オセアニア通貨も売られています。全般、リスクオフの雰囲気なのですが、底堅いのが米国株ですね。

(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
6月15日(金)のNYダウも、一時280ドル安まで下落したのですが、引けてみれば84ドル安まで回復。「リスクオフ完成に必要なラストピースが揃わない」という印象です。
米国株がしっかりしていると、リスクオフにはならない。米国株の行方に注目ですね。

(出所:Bloomberg)
■22日OPEC総会、週末はトルコでダブル選挙
週末には、トルコでダブル選挙(大統領選挙、総選挙)が控えていますし、22日(金)にはOPEC(石油輸出国機構)総会も開かれます。市場の思惑は、「増産ありき」ですが、先週(6月11日~)末は、WTI原油が64ドルまで下落しています。
増産発表で原油価格が大きく下がると、これまでの減産の努力が水の泡…。「60ドル割れだと増産発表は難しい」との指摘もあり、今回のOPECでの増産の発表があるかどうかは、価格動向次第でしょう。
原油安はオイルマネーのレパトリ(国外に投資していた資産を本国へ戻すこと)につながりますから、今週(6月18日~)のOPEC総会を巡っての価格推移には、注意が必要です。
【参考記事】
●下落止まらぬトルコリラ相場を天才トルコ人ストラテジストが解説! 山場は6月大統領選

(出所:Bloomberg)
今週(6月18日~)は、ユーロ/円の戻り売りを考えていますが、ECBフォーラムなどのイベントに対する反応を見極めていきたいですね。
注目の節目は、ユーロ/米ドルの1.15ドル。それに米ドル/円の111.50円でしょうか。米ドル/円は2015年高値から引いた長期トレンドラインが近づいており、今週(6月18日~)は、111.50円あたりに位置しています。

(出所:Bloomberg)
昨年(2017年)11月に、このラインをブレイクしに行きましたが、跳ね返されました。上抜けるようだと市場の雰囲気も変わってきますが、今回も跳ね返されるのかどうか、慎重に見極めていきたいですね。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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