■S&P500もNYダウも高値更新
執筆中の現時点で米国の株価指数、S&P500はまた史上最高値を更新し、NYダウも続伸、2018年年初来高値の再更新を果たしている。
(出所:Bloomberg)
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■年初来高値前後で米ドル/円のショート待ちが多い?
となると、米国株の強さに照らして考えると、日本株の逆張り派がずいぶん少なくなっていく可能性も大きいが、為替の世界はもう少し景色が違うかもしれない。
なにしろ、米ドル/円は112円台前半に留まり、まだ2018年年初来高値の打診に至っていない。なぜかわからないが、米ドル/円の上昇トレンドに懐疑的な見方は、日本株より根強いようだ。彼らの多くは2018年年初来高値前後で米ドル/円のショートを仕掛けたいようであり、また、そのタイミングをうかがっていると聞く。
(出所:IG証券)
米ドル/円に強気な筆者にとって、こういった見方や動きは大歓迎だ。なぜなら、トレンド自体に疑心暗鬼な者、また、逆張り派が多い時に限って、トレンド・フォローに徹すべきであり、トレンド・フォローのスタンスさえ間違っていなければ、自分のポジションと逆の見通しが多く語られる局面はむしろ安心できると思うからだ。
今一度確認してわかることは、米ドル/円のロングこそトレンド・フォローなので、他の理由はもはやいらないかと思う。リスクオンの環境の中、王道のトレンド・フォローに徹したほうが無難だ。
■ドルインデックスは反落継続、クロス円は反騰
そして、前回のコラムにてもう1つ重要な指摘、すなわちドルインデックスの反落の継続も目下確認されている。執筆中の現時点で、ドルインデックスは93.50を打診し、6月14日(木)安値93.18に接近しているから、米ドル全体の調整が佳境に入りつつある状況だ。
(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルをはじめ、主要外貨の反騰も当然の成り行きであるが、米ドル全体の調整は外貨高を通じて、クロス円における円安効果があることを見逃せない。
ユーロ/円の132円節目ブレイクや、英ポンド/円の149円節目トライ、豪ドル/円の82円節目接近は、すべて円安トレンドの進行を物語る。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
となると、確かに米ドル/円の値動きが鈍いように見えるが、2018年年初来高値に接近しているだけの理由で逆張りを正当化することはできないだろう。
筆者からみれば、米ドル/円が足元で足踏み状態に見えるのは他でもない、ショート筋の仕掛けを誘う段階にあるからである。
換言すれば、十分な逆張りが集まれば、日経平均のように、その後、ショート筋を踏み上げ、上昇の原動力となるだろう。円安トレンドはまだ途中である。
米国株の高値更新に追随し、日経平均も米ドル/円も2018年年初来高値更新を果たすだろう。
リーマンショック10年祭の足元、マスコミの多くが「次回の危機に備えよう」と煽り、また、「次回の大暴落は必至」と断言している間は、トレンド・フォロー派はまだ安泰だと思う。市況はいかに。
(※9月21日から海外出張のため、通常と異なり、本コラムは9月20日23時半までの情報に基づき作成しました。ご了承ください)
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