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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

雲を上抜けた米ドル/円は113円を目指す!
対中関税第3弾発動でも市場はリスクオン?

2018年09月21日(金)12:40公開 (2018年09月21日(金)12:40更新)
今井雅人

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■NYダウが史上最高値を更新!

 今週(9月17日~)に入って、NYダウなどが米国の株式市場で、史上最高値を更新しています。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

 世界の金融市場を取り巻く環境には、不安定要因がいくつかあるものの、そんな中でも、金融市場は強気相場が続いています

■株高の背景には先進国の景気安定

 そのベースにあるのは、やはり米国を中心に、先進国の景気が好調であるということでしょう。

 米国は雇用環境が急速に改善し、なかなか低迷から抜け出せなかった賃金にも、ようやく上昇傾向が見られるようになってきました。

米平均時給の推移

※米労働省労働統計局のデータを基にザイFX!が作成

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は、継続的に政策金利を引き上げてきましたが、それをこなして米国経済は、依然として好調です。

 さらに、日本をはじめ、欧州各国なども、基本的に景気は安定しています。

■いつ貿易戦争に突入してもおかしくないのに…

 さて、一方の不安定要因に目を向けてみます。

 まず、トランプ米大統領は中国に対して、2000億ドル相当の輸入品に追加関税を課すことを明らかにしました。これで3度目です。

 関税はまず、9月24日(月)から10%、来年(2019年)からは25%の課税となります。

 また、中国の出方次第では、さらなる関税措置を講じ、中国からの輸入品全額に対して、課税をすることも検討していると、トランプ大統領は発言しています。

 普通に考えれば、貿易戦争に突入していってもおかしくない事態ではありますが、市場の反応は鈍いです。

米中首脳の写真

米中の関税の掛け合いは貿易戦争に突入していってもおかしくない事態なのに、市場の反応は限定的。市場は、すでに3度目の措置で慣れてしまったこと、これまでも結局、金融市場が崩れなかったことが原因か。写真は2017年11月の米中首脳会談時のもの (C)Bloomberg/Getty Images

 それは、今回の措置が3度目で慣れてきてしまっていること。これまで、2度の課税措置においても、金融市場が結局、崩れなかったことが背景にあります。

■当面、米中貿易戦争は市場に大きな影響を与えずか

 また、ムニューシン米財務長官を中心に、水面下で中国と交渉が続けられていますが、米国も中国も、自国経済だけでなく、世界経済全体を壊すようなことはしないと楽観している面もあるでしょう。

ムニューシン米財務長官の写真

米国がムニューシン米財務長官を中心に水面下で中国と交渉を続けていることが、米国と中国が自国経済だけでなく、世界経済全体を壊すようなことはしないという楽観的な見方を生んでいるというのが今井氏の考え (C)Bloomberg/Getty Images

 1度目と2度目のときは、短期的にリスクオフになる局面もありましたが、今はもう、そういう反応をする参加者がいなくなってしまいました。

 たしかに、中期的にはまだ不安材料ではありますが、当面は、大きな影響はなさそうな状況になってきたということです。

■新興国不安の拡大は回避できそうな状況に

 2点目の不安定要因は、新興国経済への不安です。

 先日、トルコ中銀は政治圧力に屈せず、大幅な利上げを実施しました。

【参考記事】
トルコ中銀は、6.25%利上げで満額回答! トルコリラ/円が20円超えを目指すには…!?(9月14日、エミン・ユルマズ)

トルコ政策金利の推移

※トルコ中央銀行のデータを基にザイFX!が作成

 また、南アフリカは直近での利上げこそ見送ったものの、今後に関しては、金融引き締めへの強い姿勢を鮮明にしています。

 こうしたことは、市場に安心感を与えています。

 アルゼンチンに関しては、IMF(国際通貨基金)が金融支援することを明らかにしています。

 過去に、新興国で金融危機があったケースを見てみると、ほとんどのケースで、IMFが金融支援を実施しています。

 その場合、財政再建のために、対象国に緊縮財政を強いることが鉄則となっています。こうしたやり方に対して、批判をする人が必ず現れますが、結果的には、金融支援を実施したあとは、混乱が収束しています。

新興国への不安感も、これから大きく拡大していくことは、回避できそうな状況となってきました。

■リスクオンによる円安が続きそう

 このような状況を背景に、金融市場全体がリスクオンの様相を呈してきました。こうした傾向は、来週(9月24日~)も継続すると考えています。

 チャート的に言えば、米ドル/円は、一目均衡表の雲を上抜けして、ゆっくりではありますが、上昇傾向にあります。

【参考記事】
トルコ政策金利発表などの不安乗り切れば米ドル/円は「雲」を上抜け、113円が視野に(9月13日、今井雅人)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 前回の高値である、7月19日(木)の113.17円あたりが、当面のターゲットになってくるでしょう。

ユーロ/円は、7月17日(火)の高値、131.99円を上抜け、4月の高値133.49円近辺を伺うでしょう。一目均衡表でも、雲を完全に上に抜いてきました。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足

(出所:Bloomberg)

 その他、英ポンド/円も、同様の動きをしています。

英ポンド/円 日足
英ポンド/円 日足

(出所:Bloomberg)

当面、リスクオンによる円安が、ジリジリ進行する展開が続くと、考えておきたいと思います。


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