■市場の様子は特に変わらず
直近の市場の状況ですが、先週(6月25日~)から特に、変わったところはありません。
そこで、過去のコラムと繰り返しになる部分もありますが、もう一度、現在の状況について整理をしてみたいと思います。
■米国の金利は魅力的な水準に
まずは金利環境です。
米国の政策金利にあたるFF(フェデラル・ファンド)レートは2%と、先進国の中では、もっとも高い水準になりました。
この先も年内(2018年)2回、合わせて0.5%程度の利上げが予想されています。
※FRBのデータを基にザイFX!が作成
また、米国の長期金利、10年物国債の利回りは、2.8%台近辺で安定してきています。
(出所:Bloomberg)
これも、投資家には魅力的な金利水準です。
【参考記事】
●金利環境を見れば当面、米国が一人勝ち!? 本邦M&A活況で米ドル高・円安相場に!(6月15日、今井雅人)
■米ドルはジリジリと上昇する可能性も
こうした環境では、金融市場において2つのことが起きると予想されます。
1つは米ドル高です。
米国の国債市場は、世界でもっとも大きなマーケットです。
その市場が安定していて、さらに金利水準も高いということになれば、一般的には世界中から資金が流入してくるということが起きやすいです。
また、短期市場においても、金利水準が他の先進国に比べて優位なわけですから、ここにも資金が世界中から流入する可能性が十分に出てきました。
こうした環境を踏まえると、米ドルがジリジリ上昇する可能性がある、ということが言えると思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■新興国には大きなダメージが…
もう1つは、新興国にマイナスの影響が出ることです。
新興国は、財政状況が押しなべて脆弱で、多くの資金を海外からの投資資金に依存しています。
海外の投資家にとって、新興国の最大の魅力は高金利です。
しかし、それは相対的なものであって、他にもっと魅力的な市場があれば、そちらに資金は流れてしまいます。
そこで、一番安定していて最大の米ドルで金利が上昇してくると、どうしても、そちらの方に資金が流れやすくなります。
そして、その結果、新興国通貨が大きく売られてしまうということが起きてきます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 週足)
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