■米ドル/円の111円台は新規買い方針で
これは、何を示唆していると考えればいいのでしょうか?
恐らく、こうした材料に影響を受けない潜在的な円売り需要、たとえば、M&A絡みの円売りのようなものが、あるということではないでしょうか。
実際、米ドル/円は、一目均衡表の雲の上限近辺である111円台半ばには、日本人からの円売り注文が集中しているようです。
(出所:Bloomberg)
こうした実需の米ドル買い・円売り需要が、急激な円高を抑制する働きをすると考えています。
【参考記事】
●金利環境を見れば当面、米国が一人勝ち!? 本邦M&A活況で米ドル高・円安相場に!(6月15日、今井雅人)
●中国はトランプ大統領に徹底抗戦の構え! 市場が注目する、その他2つのポイントとは?(7月5日、今井雅人)
米ドル/円の111円台は、新規の買いをする方針で考えています。
■米ドル/円よりもユーロ/米ドルに妙味あり!?
また、米国の長期金利の上昇は、株価にはマイナスの影響が出る一方で、米ドルに対しては米ドル買い要因になります。
そう考えると、基本は米ドル買い方針ですが、米ドル/円よりもユーロ/米ドルの方が、安心感があります。
ユーロ/米ドルの戻り売り(米ドル買い・ユーロ売り)も、有効な戦略ではないかと考えています。
1.15ドル台後半から1.16ドル辺りが、当面の天井になってくるのではないでしょうか。
(出所:Bloomberg)
■米為替報告書は中長期的な懸念材料に
最後に、米財務省は10月17日(水)に公表した、半年に一度の為替報告書で、中国や日本の為替操作国認定を見送りました。
これでとりあえず、市場への影響は当面、出ないということになりました。
ただし、中国、日本、韓国、インド、スイスの監視対象国指定は維持。中国に対しては、「特に懸念されるのは為替の透明性が欠けていることと、最近の人民元安である」と、警戒を強めています。
日本に関しては、大幅な対日貿易赤字が続いていることを、引き続き、懸念しているとしました。
中長期的には、懸念材料として残っていることは、頭に入れておきたいと思います。
【参考記事】
●世界的に株価脆弱で、ドル/円は戻り売り! 米国は中国を為替操作国に認定するのか!?(10月15日、西原宏一&大橋ひろこ)
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