■外国人の日本国債買い越し額が過去最高に
先週(12月17日~)、もうひとつの注目だったアメリカのつなぎ予算法案は成立せず、週末には国立公園など一部の米政府機関が閉鎖されました。
3度目のことではありますが、これだけ地合いが悪い中だと嫌な感じですね。
実際の生活への影響は少ないでしょうが、たしかに市場環境が悪化していますから軽視はできないですね。
米議会はクリスマス休暇入りしてしまったため、審議再開は12月27日(木)午後の予定です。
気になったのが、外国人投資家の日本国債買いです。12月第1週、外国人投資家は日本国債を1兆7200億円も買い越していました。
統計開始以来、過去最高の買い越し額だそうで、これが円高圧力につながったのではと推測できます。「リスクオフの円高」を証明するひとつの材料となりますね。

(出所:Bloomberg)
先週(12月17日~)の米ドル/円は、一時110.81円まで下がりました。ただ日経平均は10月の2万4448円から4000円以上下げています。
反発があってもおかしくない水準ですから、安値を売らないよう、気をつけたいですね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)

(出所:Bloomberg)
■原油価格50ドル割れ! 価格支配力は米国へ?
先週(12月17日~)は原油市場も急落。心理的な節目だった50ドルを割り込んで、一時45ドル台まで下げています。

(出所:Bloomberg)
技術革新によってアメリカのシェールオイル事業者の採算ラインは30ドル台まで下がっているところもあり、40ドル台でも利益が出ます。OPEC(石油輸出国機構)と非OPECの減産はアメリカの増産でほぼ埋められてしまうでしょう。
アメリカでは来年(2019年)、新たに3本のパイプラインが開通する見込みで、アメリカが石油輸出国となり価格支配力を強めていくものと思われます。
原油価格が下がればインフレ圧力が低下するわけですから、なおさらパウエルさんは利上げを焦らなくてもよかったのではと思ってしまいますね。
それから中国政府は先週(12月17日~)、大規模減税の実施を発表しました。今年(2018年)の中国株は売られっぱなしでしたし、そろそろ上海株が買われる場面があるかもしれません。

(出所:Bloomberg)
反発があったとしても戻り高値は売られるのでしょう。いずれにせよ、来年(2019年)のテーマは「米国経済の失速」となりそうですし、米ドル安の1年になるのではないでしょうか。
株安の勢いが急だっただけに反発には注意が必要ですが、今週(12月24日~)も引き続き米ドル/円の戻りを売っていきたいと思います。
2018年の作戦会議は今日で最後。次回は1月7日(月)に配信予定です。1年間、お読みいただき、ありがとうございました!
2019年もよろしくお願いします。
(構成/ミドルマン・高城泰)
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