■年内最後のFOMC、コンセンサスよりもハト派色が強まる!?
今週12月18日(火)、19日(水)はFOMC(米連邦公開市場委員会)。年内最後のヤマ場ですね。
9月FOMCで公開されたドットチャートでは、来年(2019年)3回の利上げ見通しでしたが、これがどう変化するか、ですね。
【参考記事】
●逆イールドは、本当に米景気後退の前兆か? 12月FOMCの「ドットチャート」に注目!(12月6日、今井雅人)

(出所:FRB)
コンセンサスを確認すると「利上げを行うものの、来年(2019年)の利上げ見通しが3回から2回に引き下げられ、記者会見でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言もハト派色が強まるだろう」といったところ。
個人的には、パウエルFRB議長が「just below the broad range of estimates of the level that would be neutral for the economy」=「中立金利よりわずかに低い」と明言している点から、来年(2019年)3回の利上げは到底難しいし、2回ですらクエスチョン。コンセンサスよりもハト派色が強まるリスクのほうが高いと考えています。
【参考記事】
●FRB議長などのハト派発言で米ドル下落! 英ポンドは、合意なき離脱なら25%急落か(11月29日、西原宏一)
●パウエル発言に小躍りする市場に落とし穴。米利上げ早期停止観測が間違っていたら…(11月30日、陳満咲杜)
FOMCの結果が出るのは、12月19日(水)深夜です。この前後では、中国で中央経済工作会議や改革開放40年大会が開催される予定。米中貿易摩擦に関して何か動きが出てくるかもしれないので要注意。
ただFOMCを過ぎると、クリスマス休暇に入る人が多そうですね。
■年末には米政府機関のシャットダウンリスクも
FOMCを受けての反応が、12月20日(木)に出るでしょうが、12月21日は金曜日。本来なら、このあたりからお休みモードですが、今年(2018年)は米政府機関のシャットダウン(閉鎖)リスクが出てくる暫定予算の失効が12月21日(金)。
毎年の恒例行事で慣れてしまいましたが、年金生活者の生活不安などネガティブな報道が目立つようだと、米ドル売りが進む場面があるかもしれません。
メキシコ国境の壁の建設財源を巡ってトランプ米大統領と議会の対立が深まっているため、閉鎖リスクが高まっています。ヘッドラインに注意ですね。
日本株市場に目を向けると、19日(水)は、ソフトバンクのIPO(新規株式公開)もありますね。売り出し額2.6兆円の大規模IPOだけに、市場の反応が楽しみですね。

メキシコ国境の壁の建設財源を巡って議会と対立を深めているトランプ米大統領。米政府機関のシャットダウンリスクが高まっている (C)Chip Somodevilla/Getty images
■はっきりしない英ポンド。デイトレードのチャンスは多いが…
はっきりしないのが英ポンド。先週(12月10日~)予定されていた英議会のEU(欧州連合)離脱案採決は延期されました。
【参考記事】
●保守党の不信任投票を乗り切ったメイ首相。再び問題山積みのBrexit交渉最前線へ…(12月13日、西原宏一)
●メイ首相ピンチ! 次は野党から不信任動議!? 混迷のEU離脱交渉。英ポンドさらに下落か(12月13日、今井雅人)
英議会は12月20日(木)からクリスマス休暇だそうですね。12月20日(木)までに採決を行うのは日程的にキツイでしょうし、休暇明けとなる1月7日(月)以降に持ち越しでしょうか。
保守党はノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)を望んでいないのでしょうが、じゃあどうするのかというと不透明。
英ポンドはボラティリティが高まっているだけにデイトレードのチャンスは多いのですが、オーバーナイトして持ち越すのはリスクが高いですね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
(次ページでは、フランスの「黄色いベスト運動」やコモディティ、さらに米ドルの話題が…)
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