■2019年の最大リスクは米中貿易戦争!
加えて、今年(2019年)は、さまざまなリスク要因があります。
まず、最大のリスクは米中の貿易戦争です。
すでに、昨年(2018年)の後半から、中国から米国への輸出品に対して、一部に関税措置が発動され、それに対して中国側は対抗措置を取っています。
追加措置に関しては、とりあえず保留となり、3月1日(金)を期限に交渉が始まっていますが、先行きがどうなるか、予断を許さない状態になっています。
【参考記事】
●2019年の米利上げは1回程度で終了かも!? 12月FOMCに加えて米中首脳会談にも注目(2018年11月29日、今井雅人)
もし、交渉が決裂してしまった場合は、世界経済に対して大きなマイナス要因となって、株価が急落し、リスクオフの展開になっていくでしょう。
■英離脱問題で再び英ポンドは急落するかも
英国のEU(欧州連合)離脱問題も、大きな関心事です。
1月21日(月)までに、議会で離脱案の採決を終えなければならないのですが、採決のメドは、まったく立っていません。
どう決着していくのか。混迷すればするほど、英国にとっては痛手となってきます。英ポンド急落が、再びやってくるかもしれません。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
■中国と日本の経済にも注目!
また、中国経済ですが、昨年(2018年)は上海総合指数が20%以上の下落となっています。
(出所:Bloomberg)
過剰投資のツケ、債務の負担増などが、のしかかってきています。今年(2019年)は、中国の経済が減速するかどうかというよりは、どの程度の減速に留まるかということを、考えたほうがよさそうです。
日本も、10月に消費税の引き上げが控えています。政府は、実際の増税分より多く還元すると言っていますが、それで消費マインドの減退を防げるか、非常に不透明でもあります。
■米ドル/円は100円割れの可能性も!?
以上のように、今年(2019年)は多くの不確定要因があるため、なかなか予想しにくのですが、「少なくとも昨年(2018年)のように、米ドル高基調が鮮明となるような相場にはならない。そして、全体的な円安にもなりにくい1年ではないか」ということは、現時点でも言えるのではないかと考えています。
米ドル/円も、上値は112円から113円程度に留まり、下値は状況によっては、100円を割り込むこともありうると考えています。
(出所:Bloomberg)
あとは、それぞれの懸案事項がどう展開していくのかを見ながら、予想を調整していくことにします。
【参考記事】
●米ドル/円は12月~1月から3年連続で下落! 2019年の上限は115円、下限は100円か(2018年12月25日、バカラ村)
●2019年の米ドル/円は105円台へ下落か。リスクオフ相場到来なら100円近くまで想定(2018年12月27日、西原宏一)
1年間、よろしくお願いします。
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