昨日は海外時間にはいって、景気の先行きに対して悲観的な見方が広がった。まずはラガルド専務理事が米中摩擦に関して懸念を表明したこと。そしてECBの金利会合の後にドラギ総裁がダウンサイドリスクが高まったと発言したこと。そしてロス商務長官も米中協議の中で知財権に関する議論にはまったく進展が見られないと失望感を示したことなどであった。
なかでも為替相場に影響を与えたのは、ドラギ総裁のコメントである。ユーロ金利の先高感がなくなったということでユーロ売りがかさんだが、1.13台を割り込んでくることはなかった。むしろすぐにショートカバーの態勢に突入して、米国株のオープンまでに70ポイント級の戻しを演じた。
私も突っ込んでユーロドルをショートに振ってみたのだが、やはり1.1300は当面のサポートとしてワークしているらしく、注意はしていたものの、同値で買い戻しするのがやっとだった。
ユーロドルが結果的に下がったのは、ユーロ要因というよりもドル要因からであった。アメリカのPMIが発表されて、製造部門もサービス部門も予想を上回ってきたので、それがドル買いの後押しをしたのだ。
今度のユーロドルの下げでは1.12台についに突っ込んてきた。同じステージでドル円も買い上げられたのだが、ここ最近のレンジをブレークしてきてはいない。
数日前にはポンドに関して金利先高感を匂わせる中銀の副総裁の発言があった。どことなくユーロとポンドの金利見通しがマタ裂きになっている。それを反映してか、ユーロポンドは昨日だけで100ポイントの下げを示した。
ユーロポンドの大きな戻しがない限りは、しばらくの環境は同じような状態が続くものと考えるのがよいだろう。つまりユーロドルは軟調な地合いが続くだろうということ。あとは昨年来の安値といったテクニカルなサポートラインだけを注意しておく必要がある。
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