■見通し変わらず。予想どおりの米ドル高へ
前回のコラムまでにご紹介した見通しに関しては、今週(2月11日~)も、特に変っていません。
FOMC(米連邦公開市場委員会)の影響を短期的に吸収したあとは、結局は、やや米ドル高の展開が続いています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
その背景について、もう一度考えてみたいと思います。
【参考記事】
●ドル堅調でも米ドル/円はエネルギー不足。金利狙いのトルコリラ買いチャンスが到来!?(2月7日、今井雅人)
●利上げ方針変更のFOMCで米ドル全面安! でも、米ドル安は長く続かないかも…?(1月31日、今井雅人)
●今の米ドル/円は下落しにくい状況にある!? 注目材料は3つ。米中合意なら円安ドル高へ(1月24日、今井雅人)
■市場の注目は金利差の絶対水準
FOMCの声明文を読むと、これまでと比べれば、確かにハト派に向いた内容ではあったものの、今後、金融緩和に転換するということではなく、あくまでも、今後の政策については、経済状況を見ながら柔軟に行うというものでした。
【参考記事】
●利上げ方針変更のFOMCで米ドル全面安! でも、米ドル安は長く続かないかも…?(1月31日、今井雅人)
為替相場は、「金利差の変化」が発生している状態では、その変化に敏感に反応して値動きが大きくなり、投資家もそれに合わせた行動を取ります。
しかし、それも永遠に続くわけではなく、いったん、それが収まって相場が膠着してくると、今度は一転して「金利差の絶対水準」に注目が集まるようになることが多いです。
※日本の政策金利は短期政策金利の値を掲載
※FRB、各国の中央銀行のデータを基にザイFX!が作成
今回も、そういうケースです。
■なぜ米ドルの下落は一時的だった?
確かに、米国の中央銀行(FRB)は、自国の経済の状況を懸念して、金融政策の変更に柔軟な姿勢を見せました。
しかし、それは米国に限ったことではありません。
EU(欧州連合)諸国、中国をはじめ、全世界的に景気拡大が減速しています。
OECD(経済協力開発機構)、IMF(国際通貨基金)、世界銀行だけではなく、金融機関やエコノミストのほとんどが、今後の世界経済の見通しに対して下方修正をしています。
※OECDは2018年11月時点のデータを参照
※IMFは2019年1月改訂見通しのデータを参照
※世界銀行は2019年1月予測を参照
※各機関の公表データをもとにザイFX!が作成
為替相場は、2つの国の通貨の交換レートであるので、相対的にどうかという点が反映されます。そのことで、米ドルだけに下落圧力がかかるわけではありません。
こうした、いくつもの背景があるということです。ですから、一時的に売られた米ドルも、結局、買い戻されるということになりました。
しかし、金利相場というのは…
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