■予想どおり、FOMCの影響は一時的
前回のコラムで、「FOMC(米連邦公開市場委員会)において、これまで継続してきた利上げを、いったん停止する可能性を示唆した影響は一時的なものに終わり、その後は結局、金利差が効いてきて、米ドル高に戻っていくのではないか」という見通しを示しました。
【参考記事】
●利上げ方針変更のFOMCで米ドル全面安! でも、米ドル安は長く続かないかも…?(1月31日、今井雅人)
やはり、予想どおりの動きとなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
■市場が落ち着いているときは「金利差」
その上で、前回お話ししたセオリーを、もう一度、紹介します。
「市場が他の要因で動いているときは、金利差は無視されることもあるが、いったん材料難となってくると、金利差が効いてくる」ということです。
※日本の政策金利は短期政策金利の値を掲載
※FRB、各国の中央銀行のデータを基にザイFX!が作成
この原則は、よく考えてみれば当たり前です。
通常の取引をしている人たちは、相場が大きく動いているときは、その値幅をうまく使って、利益を上げようとする動きがメインとなってきます。
しかし、いったん市場の動きが鈍ってくると、今度は一転して、金利を稼ぐという手法に切り替える人が増えてくるからです。
また、中長期の投資家は、金利で稼ぐことを主軸に投資戦略を考えるのが基本ですが、相場の変動幅が大きいときは、どうしても様子見をしようというスタンスになりがちです。
ただ、いったん相場が落ち着いてくると、再び、金利差を狙った投資を開始することが多いです。
【参考記事】
●利上げ方針変更のFOMCで米ドル全面安! でも、米ドル安は長く続かないかも…?(1月31日、今井雅人)
●今の米ドル/円は下落しにくい状況にある!? 注目材料は3つ。米中合意なら円安ドル高へ(1月24日、今井雅人)
●米ドル/円は110円あたりが当面の上限か!? 落ち着いた相場で取るべき投資戦略は…?(1月18日、今井雅人)
■米ドルの堅調さが続くための条件とは?
このような傾向があるため、相場が膠着してくると、金利差が効いてきてしまうのです。
逆に言えば、また他の要因が出てくると、金利差は無視される展開になってくるということですが、それまでは、金利差を背景にした米ドルの堅調は続くことになるでしょう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■米中貿易交渉やBrexitには注意
それでは、今後、他の要素になりうる材料は何でしょうか。
それは、前回までも紹介しているように、今のところ、3月1日(金)が期限の「米中貿易交渉」の行方や、3月29日(金)を期限としている「Brexit(英国のEU離脱)」の行方ということになってきます。
これらの動向を、よく見ておかなければいけませんが、それまでは、米ドル買い中心の戦略を基本としておけば問題ないと考えています。
【参考記事】
●利上げ方針変更のFOMCで米ドル全面安! でも、米ドル安は長く続かないかも…?(1月31日、今井雅人)
●今の米ドル/円は下落しにくい状況にある!? 注目材料は3つ。米中合意なら円安ドル高へ(1月24日、今井雅人)
●米ドル/円は110円あたりが当面の上限か!? 落ち着いた相場で取るべき投資戦略は…?(1月18日、今井雅人)
●2019年は米ドル高にも円安にもなりにくい。米ドル/円は100円割れまで下落の可能性!(1月11日、今井雅人)
ただし、一方的に米ドル高が進むかと言えば…
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