■米政府機関の再閉鎖は回避されたけど…
米政府機関の再閉鎖が懸念されていましたが、トランプ大統領が予算案に署名したことで、回避されました。
しかし、メキシコとの国境の壁に関する予算が少なく、障壁となることから、トランプ大統領は納得せず、壁の建設予算を確保するために非常事態宣言を発すると報道され、2月14日(木)は株価が調整する動きとなりました。
(出所:Bloomberg)
金融市場への影響は軽微ではありますが、楽観できる内容ではなく、債務上限問題にも影響してきます。
【参考記事】
●トランプ大統領が非常事態宣言を出すかも!? 110円台まで上昇したドル/円だが、今後は?(2月5日、バカラ村)
●消去法的なドル高!? ドル/円の上値を抑える材料は? 景気後退入りでユーロに売り圧力?(2月12日、バカラ村)
■貿易不均衡是正で今後、日本にも圧力が!?
壁の建設はトランプ大統領の選挙公約ということもあって、実行しようとしていますが、この実行力の強さを考えると、貿易不均衡是正も公約のため、多少の障害があったとしても、結果を出してくることが予想されます。
本来は、中国がターゲットですが、日本に対しても、ある程度の圧力はかかることになりそうです。
そのときは株安・円高になることが予想されます。
■リスクオンで株価堅調。米ドル/円は一時111円台
米国株などは、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のハト派化で、昨年(2018年)12月の下落からの反発が続いています。
2月14日(木)の下げで、調整が始まるかと思っていましたが、米中の次官級協議や閣僚級協議が北京で開催され、今週(2月18日~)もワシントンで協議が継続されることとなりました。さらに、トランプ大統領が対中関税の期限を60日間延長することを検討すると発言したことも加わって、リスクオンとなり、株式市場は堅調な推移を続けています。
(出所:Bloomberg)
大きな調整がなく、上昇が続いていて、下がっても底堅い展開が続いています。
米ドル/円も、一時111.13円まで上昇して、110円台を維持した推移を続けています。
(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドルは、2月15日(金)に1.1233ドルまで下落しました。
米国の強い経済指標や、クーレECB(欧州中央銀行)専務理事が「TLTRO(条件付き長期リファイナンスオペ)の導入について前向き」と発言したこともあって、ユーロ売り・米ドル買いとなり、昨年(2018年)安値1.1215ドル目前まで下がりました。
(出所:Bloomberg)
しかし、下げは続かず、レンジ下限から反発してきています。
【参考記事】
●米中合意が近づき上海株が強烈に反発! 対米ドルでの豪ドル買いがいいワケは?(2月18日、西原宏一&大橋ひろこ)
■FOMCとECBの議事要旨に注目!
今週(2月18日~)は20日(水)に、1月に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨の公表があります。
このFOMCでは、利上げの休止が示唆されたこともあり、どのような議論がされていたのか、内容が注目されると思います。
利上げに関しては、声明文で「辛抱強くなる」とされ、バランスシートの正常化に関しては、別途、公表されていました。
議事要旨からも、ハト派な内容が出てくると思いますが、注目されるイベントとなります。
21日(木)には、ECB議事要旨も公表されます。
ユーロ圏の景況感の悪さもあって、こちらもハト派な内容が出てきやすい状況です。
それ以外のイベントとしては、米中の通商協議も注目される材料となります。
■消去法的な米ドル高に調整の兆し!?
FOMCがハト派だったこともあって、米ドル安に推移しても良い状況でしたが、消去法的に米ドルが買われ、ドルインデックスも高値圏に近いところまで上昇してきました。
【参考記事】
●消去法的なドル高!? ドル/円の上値を抑える材料は? 景気後退入りでユーロに売り圧力?(2月12日、バカラ村)
●米ドル高は新たなステージに入りそうだが、ドルインデックスの強気で米ドル/円頭打ち!?(2月15日、陳満咲杜)
(出所:Bloomberg)
米ドル/スイスフランも、1.0100スイスフランを前に、日足では先週(2月11日~)前半は上昇しそうな足が続きました。しかし、14日(木)と15日(金)は陰線と上ヒゲの足となり、調整しそうな形になってきています。
(出所:Bloomberg)
約2年ほどのレンジ上限付近でもあるため、調整下げの動きが出てくる可能性があります。
(出所:Bloomberg)
■オセアニア通貨に上昇の可能性!
ユーロ/米ドルは、先週(2月11日~)はまだ、戻り売りで考えていましたが、レンジ下限まで下がったことや米ドル/スイスフランが調整しそうなことから、今週(2月18日~)はユーロドルも、いったんは反発するのではないかと思います。
(出所:Bloomberg)
ユーロ圏の景況感の悪さもあって、積極的に買える状況ではありませんが、チャートからは、レンジ下限からの反発が出てくると考えています。
株式市場が堅調なことに加え、ユーロ/米ドルが反発すれば米ドル安にもなるため、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルなども、上昇する可能性があるのではないかと思います。
【参考記事】
●米中合意が近づき上海株が強烈に反発! 対米ドルでの豪ドル買いがいいワケは?(2月18日、西原宏一&大橋ひろこ)
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
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