■材料乏しく、鈍い展開が継続か…
前回のコラムから1週間が経ちましたが、市場を取り巻く環境は、まったく変っていません。
【参考記事】
●一時111円台に乗せたドル/円は、なぜ失速? 新材料が出るまで米ドルの押し目買い継続(2月15日、今井雅人)
基本的に、方向感のないレンジ相場になってきており、市場関係者は、新しい材料が出てくるのをじっと待っているという状態です。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
しかし、現在、想定されている材料の中には、今月(2月)中に新しい動きが出てくるようなものは正直、見当たりません。そのため、今、想定されていないようなことが突発的に出てこない限り、今週(2月18日~)から来週(2月25日~)にかけても、今のような動きの鈍い展開が続く可能性が極めて高いと考えています。
■ユーロ/米ドルは1.14ドル台への上昇待ち
そういう状況であるので、私自身も、前回のコラムでご紹介したような、米ドルの押し目買い方針で取引を続けています。
【参考記事】
●一時111円台に乗せたドル/円は、なぜ失速? 新材料が出るまで米ドルの押し目買い継続(2月15日、今井雅人)
ただ、押し目の水準をどこにとるかは、よく考えなければなりません。
たとえば、ユーロ/米ドルでいえば、ここのところ、1.12ドル台から1.15ドル台のレンジだったわけで、1.13ドル台とか、そういう中途半端な水準でユーロ売り・米ドル買い(ユーロ/米ドルの売り)をすると、その後、反対方向に行って、しばらく苦しむ可能性も出てきます。
そのため、現在の水準では、ユーロ/米ドルには手を出していません。もし、1.14ドル台に上昇してきた場合は、売りのチャンスを狙いたいと思っています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
■米ドル/円は110円台前半を拾いたい
一方、米ドル/円ですが、これはいったん、下から110.00円を上に抜けたあとは、下値がしっかりしてきています。
かといって、111円台を超えて、112円に向かうというほどのエネルギーは感じません。狭いレンジの中で、110円台前半を上手く拾って、111円台になったら利益確定するという程度の取引をするしかないと考えています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
そのとき、相場は膠着してしまっても、金利差でスワップポイントが稼げるので、焦らず、じっと持つことができます。
【参考記事】
●ドル堅調でも米ドル/円はエネルギー不足。金利狙いのトルコリラ買いチャンスが到来!?(2月7日、今井雅人)
●米ドル/円は110円あたりが当面の上限か!? 落ち着いた相場で取るべき投資戦略は…?(1月18日、今井雅人)
■英ポンドが注目されるのは3月!? クロス円は…?
そのほかの通貨ですが、これと言って特徴的な動きをしている通貨もありません。
英国のEU(欧州連合)離脱の方向性がはっきりしてきたときは、一時的かもしれませんが、英ポンドに注目が集まることが予想されます。しかし、それも3月に入ってからだと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)にしても、あまり魅力的な通貨ペアはありません。ですから、これらについての取引は、様子見ということにしておきたいと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
■トランプ米大統領が5月に来日する目的は…?
以上、短期的な取引の話をした上で、少し、中長期の話をしたいと思います。
トランプ米大統領が、5月26日(日)に、国賓として来日することになりました。
元々、今年(2019年)は6月28日(金)~29日(土)に、大阪でG20(20カ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)があり、トランプ米大統領も、来日する予定となっています。
その1カ月前に訪日するというのは、極めて異例でしょう。
G20はそれとして、全体での成果を探る一方、トランプ米大統領を単独で招へいして、その場でも、安倍総理は何らかの成果を出して、アピールしたいということだと思います。

5月に国賓として来日することが決まったトランプ大統領。今井さんは、G20の1カ月前という異例の来日には、何らかの成果をアピールしたいと考えている安倍総理の思惑が見えると指摘 (C)Chip Somodevilla/Getty Images
そこで、一番注目となるのが、日米の通商交渉です。
現在は、米中の通商交渉が行われていることもあって、日米では進んでいませんが、安倍総理としては、5月には何らかの合意を引き出したいと、考えていると思います。
ですから、4月から5月にかけては、これが市場の関心事になってくる可能性が高いということを、頭に入れておきたいです。
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