■米中合意が見えてきたことで米株や上海株が反発
トランプ米大統領は2月15日(金)、国家非常事態を宣言しましたね。
【参考記事】
●トランプ大統領が非常事態宣言を出すかも!? 110円台まで上昇したドル/円だが、今後は?(2月5日、バカラ村)
非常事態宣言は事前に想定されたもので、驚きではないですし、株や為替に直接的に影響するとも思えません。
むしろ驚いたのは、株式市場の戻りの強さですね。
米中貿易協議の合意が見えてきたことでリスクオンとなり、反発しているようですね。
トランプ米大統領は「合意に近く、正しい方向に向かっていれば、協議を延長する可能性はある」と発言しています。

(出所:Bloomberg)
協議が難航しているための後ろ向きな延長ではなく、合意が近いから延長するということ。
日本株はさほどでもないですが、米株や中国株、特に上海総合指数の反発は強烈です。
上海市場はこの1年落ち続けましたし、株価指数の定番であるMSCIのグローバル指数が人民元建てで取引される上海A株の組入比率を5%から20%へ引き上げる方針であるとの報道も材料となったようです。
実現すれば7兆円規模の新たな資金が入ってくることになります。

(出所:Bloomberg)
■豪ドルは中国絡み、NZドルは金融政策面で買われる
米中合意が見えてきたことでリスクオンとなり、MSCIの材料もあって上海株が上昇、その結果、為替市場では豪ドルが買われています。
豪ドルはRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が利下げを示唆して売られたばかりですが、それでも上昇している。
現在は、金融政策よりも上海市場への反応の方が強いということになります。
【参考記事】
●利上げ予測が霧散した豪ドルは反落開始! 呼応して、米ドル/円もじわじわと下落か(2月7日、西原宏一)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
NZドルも強いチャートですね。
NZドルは、金融政策の面からも買われているのでしょう。
中銀会合を通過したばかりですが、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の結果はRBAとは対照的に、事前に想定されたほどダビッシュ(ハト派的)ではありませんでした。
NZドルのロングも悪くないのですが、現在の市場は米中貿易協議がメインテーマだと考えているため、中国との関係が密接な豪ドルの買いを選びたいところです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 4時間足)
(次ページでは、「財政の崖」やユーロ/米ドル、豪ドルの話題が…)
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