(※当記事は、一部古い内容や画像が使用されている可能性があります。最新の情報は必ずコインチェックのウェブサイトなどでご確認ください)
当記事では、ザイFX!編集部がCoincheck(コインチェック)のサービスやスペックについて徹底調査した結果を、わかりやすくまとめてお届けしています。仮想通貨に興味がある人は、ぜひ、チェックを。
Coincheck(コインチェック)の概要
業者名 | Coincheck(コインチェック) | |||
サービス名 | 販売所 | 取引所 (現物取引) |
取引所 (レバレッジ取引) 提供終了 |
信用取引 提供終了 |
取扱い 仮想通貨 |
BTC ETH XRP BCH LTC XEM ETC LSK FCT MONA XLM QTUM ※日本円のほかBTCでもアルトコインの購入が可能 |
BTC/JPY FCT/JPY |
BTC/JPY | 借入対象 BTC/ETH/ETC (借入期間:15日) |
取引手数料 | 無料 | 無料 ※キャンペーン |
無料 ※キャンペーン |
借入利率: 0.05%/日 |
レバレッジ 手数料 (スワップポイント) |
- | - | ・ ロングポジション : 取引約定金額(円)×0.04%/日 ・ ショートポジション : 取引約定数量(BTC)×0.05 %/日 |
- |
最小 取引数量 |
円建てで500円相当額以上、BTC建てで0.001BTC相当額以上 | 0.005BTC以上かつ500円(相当額)以上 | 0.005BTC以上かつ500円(相当額)以上 | 販売所と取引所(現物取引)の規定に順ずる |
レバレッジ | - | - | 4倍 | 5倍 |
クレジット カード購入 |
○ 休止中 | |||
貸仮想通貨 サービス |
○ | |||
スマホ | ○ | |||
日本円 入金手数料 |
・ 銀行振込 : 各銀行所定額 ・ コンビニ入金 : 振込金額により異なる ・ クイック入金(Pay-easy) : 振込金額により異なる |
|||
日本円 出金手数料 |
407円 | |||
ビットコイン 送金手数料 |
0.001 BTC | |||
セキュリティ | ・ 二段階認証対応 ・ 顧客資産の分別管理を実施 ・ 取り扱い中の全仮想通貨についてコールドウォレットを構築し、ホットウォレットと区分して運用。一定以上の仮想通貨については、コールドウォレットで管理 |
|||
財務局 登録番号 |
関東財務局長 第00014号 | |||
設立年月日 | 2012年8月 | |||
資本金 | 1億円 | |||
代表者 | 勝屋敏彦 |
※BTC=ビットコイン、ETH=イーサリアム、XRP=リップル、BCH=ビットコインキャッシュ、LTC=ライトコイン、XEM=ネム、ETC=イーサリアムクラシック、LSK=リスク、FCT=ファクトム、MONA=モナコイン(2019年6月より取扱い開始)、XLM=ステラルーメン(2019年11月12日より取扱い開始)、QTUM=クアンタム(2020年3月12日より取扱い開始)
※レバレッジ取引のレバレッジは、2019年10月末に5倍から4倍に変更
※コンビニ入金とクイック入金は2019年4月17日より再開
※このほか、コインチェックでは2019年4月より大口OTC取引サービスも開始している
※レバレッジ取引と信用取引は、2020年3月13日をもってサービス提供終了
※2020年4月1日より、取引所でもFCTの取扱いが開始された
※掲載している情報は、ザイFX!がコインチェックの公式サイトにて調査
※休止中のサービスについては、今後の見通しは不明
■マネックスグループ傘下で再スタート。休止中のサービスに注意
2018年に巨額のXEM(ネム)流出事件を起こし、一時はほとんどのサービスを休止していたコインチェック。行政の指導に従って事件の全容解明や運営体制の見直し、被害者への補償などに注力していましたが、その後、マネックス証券を擁するマネックスグループの子会社となり、新体制の下、再スタートを切りました。
【参考記事】
●コインチェックの正式登録を金融庁が発表。次は楽天系、LINE系の仮想通貨交換業者も!?
休止していたサービスも順次再開され、2019年1月には関東財務局への登録も完了しています。登録番号は関東財務局長 第00014号です。
ただし、一部のサービスについては、現在も休止中ですのでご注意を。利用できるおもなサービスと休止中のおもなサービスを一覧にしておきます。
<利用できるおもなサービス(2019年3月14日現在)>
・ 販売所
・ 取引所(現物取引)
・ 貸仮想通貨
・ 銀行振込みでの入金・出金
・ 仮想通貨の預入れ・送付
<休止中のおもなサービス(2019年3月14日現在)>
・ レバレッジ取引の新規取引(決済は可能)
・ 信用取引の新規取引(決済は可能)
・ クレジットカードでの仮想通貨購入
・ コンビニ入金(※)
・ クイック入金(Pay-easy)(※)
※コンビニ入金、クイック入金は2019年4月より再開
※レバレッジ取引と信用取引は、2020年3月13日をもってサービス提供終了
取引関連のサービスでは、本来、販売所、取引所(現物取引)、取引所(レバレッジ取引)、信用取引がありますが、現状、これからコインチェックに口座開設する人が利用できるのは、このうち販売所、取引所(現物取引)のみです。
取引所(レバレッジ取引)と信用取引(※)は、いずれも新規取引は休止中で、サービス休止前から取引している人の決済取引にしか対応していません。
(※レバレッジ取引と信用取引は、2020年3月13日をもってサービス提供終了)
また、コインチェックは、以前、仮想通貨のクレジットカード購入にも対応していましたが、こちらもサービス休止中。
日本円の出金や仮想通貨の預入れ・送付については、通常どおり利用できます。
休止中のサービスについて、コインチェックから再開時期などは公表されておらず、今後どうなるのか?という点は不明。新たな発表を待つしかない状況です。
当記事では、取引関連のサービスを中心に話を進めていきたいと思いますが、新規取引が休止中の取引所(レバレッジ取引)と信用取引については、サービス再開後に改めて紹介することにして、ここでは、これから口座開設する人も利用できる販売所と取引所(現物取引)に焦点を当て、サービスの詳細を紹介していきたいと思います。
【ポイント整理】
・ コインチェックは、マネックス証券を擁するマネックスグループ傘下の仮想通貨交換業者(関東財務局長 第00014号)
・ 一部サービスが休止中なので、利用する際は事前に利用可能なサービスを確認しておく必要あり
■ファクトムやリスクなど珍しいアルトコインがある
まずは、販売所について見ていきましょう。
販売所では、基本的に業者とユーザーの間でビットコインをはじめとする仮想通貨の売買が行われます。相対取引(店頭取引)と呼ばれる取引形態で提供されているサービスです。
以前から、販売所で珍しいアルトコインを取扱っていることで知られていたコインチェック。いくつかのアルトコインについては、マネーロンダリングなどを懸念する観点から安全性が考慮され、廃止されましたが、それでもなお、国内の他の仮想通貨交換業者では取扱いがない、珍しいアルトコインを取引することができます。
コインチェックが販売所で取扱っている仮想通貨は、以下のとおり全部で9つ。いずれも日本円のほか、(ビットコイン以外は)ビットコインで購入すること可能です。
<「販売所」の取扱い仮想通貨>
・ BTC(ビットコイン)
・ ETH(イーサリアム)
・ XRP(リップル)
・ BCH(ビットコインキャッシュ)
・ LTC(ライトコイン)
・ XEM(ネム)
・ ETC(イーサリアムクラシック)
・ LSK(リスク)
・ FCT(ファクトム)
(※コインチェックでは、2019年6月よりMONA(モナコイン)、2019年11月よりXLM(ステラルーメン)、2020年3月よりQTUM(クアンタム)の取扱いも開始されている)
この中で、他の国内の仮想通貨交換業者で取扱いがない珍しいアルトコインといえば、FCT(ファクトム)です。ファクトムを取引できる業者は、国内ではコインチェックしかありません。
初めて聞く人のために少し補足すると、ファクトムは、登記情報や医療データなどをブロックチェーン上で管理することができるプラットフォーム、Factomで用いられる仮想通貨。
Factomは、ビットコイン2.0と呼ばれるブロックチェーン技術などを応用するプロジェクトの1つです。実用化されると、これまでおもに紙で管理していた情報をブロックチェーン上で管理することによって、いろいろな手数料を引き下げることにつながったり、情報共有の速度や利便性を向上させることができるということで、その将来性に期待が高まっているみたい。将来有望なプラットフォームで用いられる仮想通貨ならば…と、ファクトムの今後の上昇を期待して購入する人もいるようです。
コインチェックのウェブサイトでは、取扱い仮想通貨の解説も掲載されていますので、興味がある人は、詳しい情報をチェックしてみるといいでしょう。

(出所:Coincheck)
もう1つ、国内業者での取扱いが少ないという点では、LSK(リスク)も珍しい部類に入ってきます。リスクを取扱っているのは、今のところ、国内ではコインチェックのほか、bitFlyer(ビットフライヤー)くらいです。
このほか、コインチェックの販売所では、アルトコインとして有名どころのETH(イーサリアム)やXRP(リップル)、BCH(ビットコインキャッシュ)、LTC(ライトコイン)、XEM(ネム)、ETC(イーサリアムクラシック)の取引ができます(※)。
(※コインチェックでは、2019年6月よりMONA(モナコイン)、2019年11月よりXLM(ステラルーメン)の取扱いも開始されている)
ここまで豊富にアルトコインが揃っている国内の仮想通貨交換業者は珍しいので、アルトコインを中心に取引したい人にとって、コインチェックは、結構、魅力的な業者なのではないでしょうか?
【参考コンテンツ】
●ビットコイン・仮想通貨の取引所/販売所を比較。取引コストが安いのはどこ?
【ポイント整理】
・ 販売所で売買できるアルトコインは9種類と豊富
・ 国内で唯一、ファクトムを取扱っている。リスクの取引も可能
※モナコインやステラルーメンの取扱いも開始されている
■コインチェックの販売所は2Wayプライスではない
ただ、1つ注意していただきたいのは、コインチェックの販売所における売買価格(プライス)の提示方法です。
販売所を提供している他の業者では、たいてい以下のGMOコインのように、売値と買値を両方提示する2Wayプライス方式が用いられています。

(出所:GMOコイン)
しかし、コインチェックの販売所では、売値なら売値、買値なら買値と、それぞれ片方ずつのプライスしか提示されません。

(出所:Coincheck)
ここで気になるのが、販売所における仮想通貨取引の実質的なコストとなる売値と買値の差、スプレッド。
2Wayプライスで提示されていれば、スプレッドは常に確認できますので、取引の際、実質的にいくらコストがかかるのかは一目瞭然です。しかし、片方しかプライスが提示されていなければ瞬時にスプレッドを確認することができませんので、どれだけコストがかかっているのかを取引の際、正確に知ることができません。
個人的には、2Wayプライスで売買価格が提示されている方がフェアでしょうと思うのですが、今のところ、仮想通貨取引において必ずしも2Wayプライスで売買価格を提示しなければならないとする決まりはなく、提示方法は業者の裁量に委ねられているようです。
販売所において片方のプライスしか提示しないコインチェックでは、仮想通貨を買う時と売る時に、それぞれ「コインを買う」と「コインを売る」という別の取引画面を表示します。
したがって、1つのパソコンでまったく同じタイミングで売値と買値を並べ、正確にスプレッドを確認することはできませんが、ためしに、ほぼ同じタイミングで1ビットコインの売値と買値の画像を取得し、並べてみると、スプレッドは1万7260円(コインを買う:432970円-コインを売る:415710円)という結果になりました。
これは、2019年3月1日(金)16時30分頃に取得した画像。「コインを買う」と「コインを売る」で提示されたビットコインの売買価格です。

(出所:Coincheck)

(出所:Coincheck)
スプレッドは、あえて固定で提供されていない限り、相場状況などによって伸縮するのものですし、今回のスプレッド算出方法は売値と買値を別々の画面から取得したことで若干タイムラグが発生し、厳密に正確なものではないという前提ではありますが、販売所を提供している他の業者と比較しても、この水準はコスト高な印象です。
たとえば、同日、同じような時間帯にGMOコインの販売所でビットコインのスプレッドを確認してみると、およそ1万円、販売所というサービス名ではありませんが、販売所同様、業者との相対取引で現物取引を提供しているDMM Bitcoinでは、2500円程度でした。
コインチェックでしか取扱いがないファクトム、あるいは、他の業者があまり取扱っていないリスクなどの珍しいアルトコインはここで取引するしかありませんが、その他の仮想通貨については取扱いがある他の業者の販売所、あるいは取引所(※)で仮想通貨を売買する方が、コスト的には安くつきそうです。
(※この後、詳細を述べるが、仮想通貨取引においては、販売所よりも取引所の方が圧倒的にコストが安いのが一般的)
【参考記事】
●GMOコインを徹底調査! スマホアプリは使用感良好! スプレッドなどのコストは?
●DMM Bitcoinを徹底調査! アルトコインが豊富なFX(レバレッジ取引)のスプレッドは?
パスワードなどの管理は煩雑になるかもしれませんが、初めからこの業者だけで…と一途に心を決めてしまうのではなく、複数口座を用意し、売買する仮想通貨の種類などに応じてサービスを使い分けるといったスタンスで臨む方が賢いかも。
国内の仮想通貨交換業者は、どこも口座開設自体は無料で行えます。管理料もかからないのが一般的ですから、口座を保有するだけなら特にコストはかかりません。
【参考コンテンツ】
●ビットコイン・仮想通貨の取引所/販売所を比較。取引コストが安いのはどこ?
【ポイント整理】
・ コインチェックの販売所の取引価格は、売値と買値が同時に提示されないため、コストとなるスプレッドを正確に把握することが困難
・ 概算でもコインチェックの販売所のスプレッドは他の業者と比べて広いと思われる
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)