■クロス円は「居心地のよい」段階。米ドル/円の支えに
米ドル/円の堅調、また、上値余地の予測について、基本的には主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の堅調なしでは心細い。現在の状況は、まさしくクロス円でも「居心地のよい」段階なので、米ドル/円の支えになっているとみる。
主要クロス円の中でも、英ポンド/円の状況は一番参考になるだろう。テクニカル上のポイントについて、昨日(4月4日)のレポートをもって説明したから、ここでも開示しておきたい。本文は以下のとおり。
(出所:FXブロードネット)
ポンド/円は強気基調を維持、また新たな上値を示唆するサインを点灯している。近々高値更新を試し、またその後も上値余地を拓く公算が高まりつつある。
まず、200日線のサポートを再三に渡って確認されたところは大きい。3月11日の大陽線(1)、強気「リバーサル」、また「アウトサイド」のサインを点灯してから切り返し、200日線のみではなく、2月22日安値に対する一時の下放れが「ダマシ」であったことを証明、「フォールス・ブレイクアウト」のサインでもあったとみる。
直近のサインとして、3月29日(2)のサインが鮮明であったでしょう。3月21日~同28日罫線で形成された「インサイド」(厳密ではないが、見方として
概ねできる)を一旦下放れ、また3月11日安値に接近していたものの、その後切り返しを果たしたわけなので、200日線のサポートを維持できた上、強気サインの再燃が期待された。
同サインの認定、3月21日、同26日や27日の高値のブレイクをもって行われ、昨日の続伸、新たな強気サインとして認識できる。GMMAにおける「鰯喰い」サインの確認と共に、近々高値再トライ、また更新を果たす見通し。
ユーロ/円では、3月高値・安値までの変動パターンは、典型的なジグザグ変動として調整波の構造を示し、3月末安値をもって調整をいったん完了した可能性がみられる。
(出所:FXブロードネット)
豪ドル/円に至っては、3月25日(月)安値(矢印)が3月8日(金)安値をいったん下回ってから切り返し、「フォールス・ブレイクアウト」のサインを点灯してから大型保ち合い変動に復帰、目先の上値打診もあって、同保ち合いを上放れする公算が高い。この場合はまず、200日線の80.25円にトライする見通しである。
(出所:FXブロードネット)
まとめてみると、米国株の堅調とともに、円売りがじわじわ効いてくる環境にあるのが現段階の状況であるとみる。
米ドル/円について、仮に前述のように昨年(2018年)12月高値の回復があれば、長期スパンにおいてもう1つ重要なサインを点灯することになるから、次回にて詳説したい。市況はいかに。
(14:00執筆)
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