■米中貿易交渉で中国が秘密兵器を投入!?
また、米中の貿易交渉が来月(6月)、重要な局面を迎えることになります。
大阪で予定されているG20サミット(20カ国・地域首脳会合)の際に、米中首脳会談が行われ、なんらかの合意がなされるか、非常に注目されることは間違いありません。
今までは、米国優位に交渉がなされてきましたが、ここに来て、中国は秘密兵器を投入することを検討し始めました。それは、レアアース(希土類)の輸出規制です。
レアアースは、全世界の8割を中国が産出しています。米国の多くの産業も、中国からのレアアースに頼っています。もし、これを中国がストップさせるようなことをすれば、米国の産業が相当なダメージを受けることは必至です。いよいよ、米中双方がチキンレースに入ってきた感が出てきました。
■日米貿易交渉は参院選後に本格化。状況によっては円高に!?
さらに、日米貿易交渉ですが、今回のトランプ米大統領の来日では、本格的な議論は回避され、参議院選挙後に本格化することとなりました。
【参考記事】
●米中貿易戦争は米ドル高を招く結果に!? トレードはスワップも稼げる米ドル買いで!(5月23日、今井雅人)
トランプ米大統領は、8月に合意ができるとの見通しを示しました。また、共同記者会見のときに、日米貿易交渉にあたっては、TPP協定(環太平洋パートナーシップ協定)は関係ないと言い放ちました。
つまり、TPP以上のものを、日本は要求される可能性があるということです。
安倍総理は、さぞ困ったと思いますが、日本はこれから、厳しい交渉を迫られることになります。状況によっては、円高要因になる可能性があることを、頭に入れておく必要があるでしょう。
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■対ユーロ、対英ポンドでの米ドル買い方針を継続へ
以上のような状況ですが、足元は、欧州通貨を中心に、緩やかな米ドル高傾向が続くと考えています。
ユーロ/米ドルは1.10ドル、英ポンド/米ドルは1.24~1.25ドルあたりが、視野に入ってくるのではないでしょうか。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
米ドル/円に関しては、109円近辺に日本の機関投資家の買い注文が並んでいるようなので、とりあえずは下値を支えていますが、上昇していく可能性はかなり低いと考えています。
(出所:Bloomberg)
ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルでのショートポジション(米ドル買い)方針を、継続していきたいと思います。
【参考記事】
●米中貿易戦争は米ドル高を招く結果に!? トレードはスワップも稼げる米ドル買いで!(5月23日、今井雅人)
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