■米中が関税引き上げ合戦へ。心配が現実に…
心配していたことが、現実になってしまいました。
合意に近づいていると思われていた米中の通商交渉が、土壇場でうまくいかなくなってしまい、米国は中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する関税を、10%から25%に引き上げました。
これに対して、中国側も米国からの輸入品600億ドル相当に対する関税の引き上げを、6月1日(土)から実施するという、対抗措置に出ています。
さらに、トランプ米大統領は、残りの3250億ドル相当分の中国からの輸入品に関しても、関税をかけることを検討するように指示を出しました。
【参考記事】
●米中交渉決裂なら米ドル/円は100円割れ!? お得意のトランプツイートで雰囲気が一変!(5月9日、今井雅人)
●米中貿易摩擦再燃で米国株は調整入り…。NYダウ続落なら、米ドル/円は105円方向へ(5月9日、西原宏一)
●米の対中関税「第4弾」発動へ!? 報復合戦に為替報告書も警戒。米ドル/円は戻り売りで(5月13日、西原宏一&大橋ひろこ)
●目先の米ドル/円サポートは108円台半ば。中国人民元安に影響を受けやすい通貨は?(5月14日、バカラ村)
■ひとまずは、いったん見守りムードに
実際のスケジュールとしては、6月1日(土)に正式手続きに入り、同月17日(月)に公聴会を開催。その7日後である6月24日(月)から、関税措置が実施できるという感じになるようです。
今のところ、トランプ米大統領は、中国との協議を続けることを表明しており、市場ではその行方を見守ろうというムードが広がっています。そのため、株価の下落などがいったん、落ちついているという状態となっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■株式市場の下落は、ほぼ確実!?
そうした状況を踏まえた上での今後の展開ですが、まず、はっきりしていることは2点。
1つは、今回の関税措置のやり合いは、世界経済にとって確実にマイナスであるということです。
そして2つ目が、現在、市場がやや小康状態に入っているのは、あくまでも一時的だということです。
現下の状況を考慮すると、まず当面、株式市場が反転して上昇していく可能性は、極めて低いと思っています。逆に、株価が続落していく可能性は、十分、残されています。
このまま、低空飛行状態に入る可能性も高いとは思いますが、上げる方向と下げる方向、どちらの可能性が高いかといえば、それは下げる方であるのは、ほぼ確実と考えられます。
(出所:Bloomberg)
そうなると、為替相場は…
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