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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は104円台に向けての下落過程。
香港のデモ拡大が新たな不安要素に!

2019年06月13日(木)15:57公開 (2019年06月13日(木)15:57更新)
西原宏一

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■トランプ大統領がメキシコへの関税を取りやめると発言

 みなさん、こんにちは。

 先週(6月3日~)マーケットの焦点となっていた「米国によるメキシコへの関税」というトピックですが、先週末、突然、トランプ大統領が関税取りやめを決定しました。

【参考記事】
6月に米利下げなら大きなサプライズ! 米ドル/円は109円台乗せで売っていいかも(6月10日、西原宏一&大橋ひろこ)

突然、トランプ大統領がメキシコへの関税を取りやめると発言。メキシコが国境管理に力を入れるとの合意を得た模様 (C)Mark Wilson/Getty Images

突然、トランプ大統領がメキシコへの関税を取りやめると発言。メキシコが国境管理に力を入れるとの合意を得た模様 (C)Mark Wilson/Getty Images

 トランプ大統領の強烈なスタンスが功を奏して、メキシコが国境管理に力を入れるとの合意を得た模様(民主党はトランプ大統領の強引なやり方を痛烈に批判していますが…)。

 これにより、マーケットのセンチメントが改善して、いったん「株高・円安」となりました。

■香港のデモ拡大が新たな不安要素に

 しかし、マーケットでは新たな不安定要素が飛び出し、再び、株が軟調に。

 それは、「香港のデモ拡大」

 香港では、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例改正案に反対するデモが拡大しています。

 キャリー・ラム行政長官は秩序を取り戻すように訴えていますが、改正案の撤回は拒否

 当局によれば、これまでに72人の負傷者が確認されています。

 トランプ大統領は、中国政府と香港当局が「なんとか解決できるだろう」とコメント。ネットでは、iPhoneXsで撮影するとデモの様子が映るが、HuaweiP30Proで撮影するとデモが映らないという揶揄された画像が流れています。

【参考記事】
加熱する米中貿易戦争でリスクオフ継続! 「株安・円高」相場で米ドル/円は105円へ(5月23日、西原宏一)

 中国本土への容疑者引き渡しが可能という「逃亡犯条例」改正案に関しては、多くの香港の人にとって受け入れがたいものと思われ、大規模抗議運動が簡単に沈静化するとは思えません。情勢は極めて不透明です。

 投資資金というのは、こうした不透明な状況を嫌うので、香港のデモの拡大は新たな「株安、円高」要因となり、米ドル/円の上値を抑える要因に。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

■メキシコ問題の落ち着きによる株反発は調整の動き

 今週(6月10日~)前半は、メキシコの問題が一段落したことで株が反発していますが、マーケット参加者の多くは、これを調整と見ているようです。

 たとえば、シティバンク。

貿易摩擦は今後悪化し、株や債券、商品に至る金融市場を動揺させるだろうとシティバンクは警告。

シティバンクのシナリオによれば、トランプ大統領はまだ追加関税を課していない中国製品に25%の関税を適用。

米金融当局が利下げしない場合、S&Pは「本格的な弱気相場入し、4月高値から20%安に。

10年債利回りは1.50%に低下。ゴールドは1600ドルに上昇すると予測している模様。

出所:Bloomberg

 株が続落するのであれば、米ドル/円は円高に推移するのですが、米大手モルガン・スタンレーも、米ドル/円は下落するというレポートを出しているようです。

市場の楽観は誤りであり、円を買え=Morgan Stanley

「先週の世界的な株式市場の回復により、市場は楽観的なムードであるが依然としてリスクオフの状態にある」

 推奨トレードとしては、

米ドル/円 売り

目標=105.00円

ストップ=109.20円

■米ドル/円は104円に向けての下落過程

 今週(6月10日~)のマーケットが注目している、もうひとつの報道はトランプ大統領のコメント。

 ブルームバーグの報道によれば、6月11日(火)のNY市場では、トランプ大統領が2日連続で米金融当局を非難。

 トランプ大統領は米国の政策金利が高すぎるとし、「ばかげた量的引き締めに追い打ちをかけている!彼らは全くわかっていない!緩やかなインフレは美しいものだ」とツイート。

 加えて、今回は為替にも言及。

 「ユーロとその他の通貨は米ドルに対して下落誘導されている」との不満も示した模様。

 このトランプ大統領のコメントにより、ユーロ/米ドルは一時1.13ドル台ミドルまで反発するも、株の下落によりクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が軟調な展開となる中、本稿執筆時点では1.1300ドルを割り込んで推移しています。

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 昨年(2018年)後半は、米国の3回の利上げを織り込んでいた金利先物市場ですが、本稿執筆時点では逆に3回の利下げを織り込みつつあります

【参考記事】
米利下げ、年内2回は織り込み済みか! 米ドル/円は107.75円を抜けると104円台へ(6月6日、西原宏一)

 これは、米ドル/円の売り要因

 株価は依然として不安定であることも加え、米ドル/円の上値は依然として限定的。

104円台に向けて、下落途中の米ドル/円の行方に注目です。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足


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