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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は104円台に向けての下落過程。
香港のデモ拡大が新たな不安要素に!

2019年06月13日(木)15:57公開 (2019年06月13日(木)15:57更新)
西原宏一

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■メキシコ問題の落ち着きによる株反発は調整の動き

 今週(6月10日~)前半は、メキシコの問題が一段落したことで株が反発していますが、マーケット参加者の多くは、これを調整と見ているようです。

 たとえば、シティバンク。

貿易摩擦は今後悪化し、株や債券、商品に至る金融市場を動揺させるだろうとシティバンクは警告。

シティバンクのシナリオによれば、トランプ大統領はまだ追加関税を課していない中国製品に25%の関税を適用。

米金融当局が利下げしない場合、S&Pは「本格的な弱気相場入し、4月高値から20%安に。

10年債利回りは1.50%に低下。ゴールドは1600ドルに上昇すると予測している模様。

出所:Bloomberg

 株が続落するのであれば、米ドル/円は円高に推移するのですが、米大手モルガン・スタンレーも、米ドル/円は下落するというレポートを出しているようです。

市場の楽観は誤りであり、円を買え=Morgan Stanley

「先週の世界的な株式市場の回復により、市場は楽観的なムードであるが依然としてリスクオフの状態にある」

 推奨トレードとしては、

米ドル/円 売り

目標=105.00円

ストップ=109.20円

■米ドル/円は104円に向けての下落過程

 今週(6月10日~)のマーケットが注目している、もうひとつの報道はトランプ大統領のコメント。

 ブルームバーグの報道によれば、6月11日(火)のNY市場では、トランプ大統領が2日連続で米金融当局を非難。

 トランプ大統領は米国の政策金利が高すぎるとし、「ばかげた量的引き締めに追い打ちをかけている!彼らは全くわかっていない!緩やかなインフレは美しいものだ」とツイート。

 加えて、今回は為替にも言及。

 「ユーロとその他の通貨は米ドルに対して下落誘導されている」との不満も示した模様。

 このトランプ大統領のコメントにより、ユーロ/米ドルは一時1.13ドル台ミドルまで反発するも、株の下落によりクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が軟調な展開となる中、本稿執筆時点では1.1300ドルを割り込んで推移しています。

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 昨年(2018年)後半は、米国の3回の利上げを織り込んでいた金利先物市場ですが、本稿執筆時点では逆に3回の利下げを織り込みつつあります

【参考記事】
米利下げ、年内2回は織り込み済みか! 米ドル/円は107.75円を抜けると104円台へ(6月6日、西原宏一)

 これは、米ドル/円の売り要因

 株価は依然として不安定であることも加え、米ドル/円の上値は依然として限定的。

104円台に向けて、下落途中の米ドル/円の行方に注目です。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足


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