■トランプの関税発言で、メキシコペソは下落
みなさん、こんにちは。
先週(5月27日~)、以下のトランプ大統領のコメントにより、メキシコペソ、米ドル/円、そして、米国株とも下落。
「6月10日からメキシコからの全製品に5%関税」-トランプ大統領
【参考記事】
●米ドル/円を買う理由はない!? 107.75円を抜けると104円台も視野に…(6月3日、西原宏一&大橋ひろこ)

(出所:Bloomberg)
トランプ大統領は5月31日(金)早朝、メキシコからの輸入品に関税を課し、関税率は当初の5%から最高25%まで引き上げる可能性があると表明しています。
これは、メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで続けると表明。
米国の西海岸にいる友人によれば、民主党寄りの米3大メディアはあまり報道していませんが、メキシコから米国への不法移民の流入がすごい勢いで増えてきている模様。
壁の建設もうまく進んでいないたため、トランプ大統領はメキシコに協力を要請する形になったようです(協力を求めるというより、メキシコが不法移民を放置するなという意味ですが…)。
■メキシコへの関税報道で、市場はプチパニックに
さらに、トランプ大統領はメキシコと中国からの輸入品に対する関税引き上げの正当性を主張。
負担を避けるために「企業は米国に移ってくる」とし、「関税とは実に美しい言葉だ」とコメント。
マーケット参加者の注目が「米中貿易戦争」に集まっているところに、突然の「メキシコへの関税」という報道に、マーケットは、ちょっとしたパニックとなり、急速に株安が進みました。

(出所:Bloomberg)
この急速な株安は、「円高」要因。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■FRBの年内2回利下げの可能性高まる
一方、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ確率は急速に高まっています。
本稿執筆時点での米金利先物市場では、年2回の利下げを織り込んでいます。
要因は、以下のパウエルFRB議長のコメント。
パウエル議長は、必要なら利下げの可能性もあると示唆。
米国と主要貿易相手国との対立の影響を「注意深く観察する」とし、これまでと同様に、景気拡大を維持するため、われわれは適切な行動を取るとコメントしています。
これを受けて、米金利は急速に低下。
加えて、6月5日(火)のNY市場では、米金融当局者の利下げに関するコメントが相次いでいます。
シカゴ連銀のエバンス総裁のコメント
「低インフレの状況に、神経質になっている」
「低インフレだけでも、若干、緩和を拡大する根拠になり得る」
ブレイナードFRB理事のコメント
「貿易を巡る不透明感が下振れリスクであり、当局には景気拡大を維持するため、政策を調整する用意がある」
どちらも、パウエル議長のメッセージを強調するコメントとなり、利下げの可能性は拡大。
米金利先物市場においては、9月17日(火)~18日(水)に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の利下げ織り込み度は94.4%まで高まっています。
米10年債利回りは一時、2.0590%まで急低下。

(出所:Bloomberg)
米金利の低下によって、米国株は持ち直していますが、米金利低下は「米ドル安・円高」要因でもあるため、米ドル/円の軟調な展開は変わらず。
今週(6月3日~)の米ドル/円は続落しており、一時107.82円まで急落しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■米ドル/円は107.75円ブレイクすれば、104円台へ
ここまでのマーケットチェックでは、米ドル/円のトレンドは変わらず、「米ドル安・円高」を継続。
ここで、米ドル/円の節目をチェックします。以下は、米ドル/円の日足チャートです。
1月3日(木)のフラッシュ・クラッシュの安値と4月24日(水)高値でのフィボナッチ計算すると、50%=108.64円、61.8%=107.75円となります。

(出所:Bloomberg)
今週(6月3日~)は、この61.8%がサポートとして機能し、何度も108円台前半に押し戻されています。
ただ、先ほど紹介したように、FRBの利下げの可能性が高まっている状況では、米ドル/円の戻りは限定的。
サポートである、61.8%=107.75円を割り込めば、次の下値メドは104円台になります。

(出所:Bloomberg)
米国の、年内2回の利下げの公算が高まる中、米ドル/円の上値は限定的。
104円台に向けて、下落過程にある米ドル/円の行方に注目です。
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