■「野獣列車」への監視強化で対メキシコ関税見送り
トランプ米大統領はメキシコへの関税発動を無期限に見送ると発表しました。
その見返りなのか、「野獣列車(The Beast)」と呼ばれる貨物列車でやってくる不法移民をメキシコ当局が逮捕し始めたとの報道も出ています。

メキシコへの関税発動を無期限に見送ると発表したトランプ米大統領。その見返りなのか、メキシコ当局が「野獣列車(The Beast)」と呼ばれる貨物列車でやってくる不法移民を逮捕し始めたとの報道も… (C) Chip Somodevilla/Getty Images
もともとメキシコ関税は、米中貿易戦争とは文脈が違います。
米中は世界経済の覇権争いですが、対メキシコの発端は移民問題。不法移民対策を強化させるためのネゴシエーションの手段としての関税でした。
メキシコ当局が不法移民対策を強化するなら、トランプ米大統領もおとなしく矛を収めるでしょう。
■6月19日のFOMC、利下げならサプライズ
メキシコ関税は、勃発からわずか1週間での収束ですね。
一方、先週末に発表された米雇用統計は予想よりも大幅に悪い数字。ネガティブサプライズとなりました。
これを受けてNYダウは急騰。先週(6月3日~)の上げ幅は1000ドルを超えました。
米利下げへの期待が高まっているのでしょう。年内2、3回程度の利下げを織り込み始めています。
【参考記事】
●米ドル/円を買う理由はない!? 107.75円を抜けると104円台も視野に…(6月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米利下げ、年内2回は織り込み済みか! 米ドル/円は107.75円を抜けると104円台へ(6月3日、西原宏一)
●年内2回の米利下げ予想!? リスク回避から米ドル安に。ユーロ/米ドルは1.15ドルへ(6月4日、バカラ村)

(出所:Bloomberg)
来週6月18日(火)、6月19日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。
「今月は据え置き、7月に利下げ」との見方が一般的ですが、ウォール・ストリート・ジャーナルは今月の利下げを視野に入れたとも報じています。
来週(6月17日~)のFOMCでの利下げは20%も織り込まれていません。もし利下げすれば、大きなサプライズとなりますね。
利下げ期待で上昇している米株ですが、メキシコ関税も収束しましたし、高値更新へと向かうのでしょうか?
それは難しいでしょう。米中貿易戦争は何ら進展していませんし、あくまでも下落トレンド中の調整局面だろうと思います。
(次ページでは、英保守党党首選挙や今週の見通しの話題が…)
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