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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

リスクオフの円高はナンセンス! 中国中央
TVの映画は米中首脳会談実施のサイン!?

2019年06月21日(金)15:59公開 (2019年06月21日(金)15:59更新)
陳満咲杜

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■米株高と円高、どちらが「ホンモノ」?

 FOMC後、米ドル/円は大幅下落、目先、107円台前半にトライしている。一方、米国株は強気トレンドを維持、S&P500は史上最高値を更新した。株と為替市場のパフォーマンスは、「ダイバージェンス」しているようにみえる。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:Bloomberg)

S&P500 4時間足
S&P500 4時間足チャート

(出所:Bloomberg)

 もっとも、米国株と米ドル/円の相関性をもって「ダイバージェンス」を言うつもりはない。米ドル/円の下落は、7月FOMCでの米利下げや、米国の対イラン軍事行動の可能性を織り込む値動きとされるが、基本は米長期金利の急落につられた側面が大きいだろう。

 米長期金利(米10年物国債の利回り)が2%近辺まで下げているから、日米金利差の縮小に反応し、米ドル/円の下値打診も当然視されるかと思われる。

米長期金利(米10年物国債の利回り) 日足
米長期金利(10年物国債の利回り) 日足

(出所:Bloomberg)

 しかし、利下げ観測の高まりで米国株の高値更新が確認されているなら、少なくとも「リスクオフの円高」云々はナンセンスであろう。本来、米株高はリスク選好の結果と解釈されがちなので、リスクオンなら米ドル/円も下値打診し続けるような状況ではなかろう

 要するに、米株高か、それとも円高か、どちらが「ホンモノ」であるかという問題だ。「ダイバージェンス」という言葉の意味はそこにある。

 つまるところ、日米金利差の縮小に反応する米ドル/円の下値打診自体は、理屈上理解できるが、米株高が「ホンモノ」なら、このような「ダイバージェンス」はあっても長くは続かない

米株高自体が「ニセモノ」なら、米ドル/円の下値トライが「正当化」され、これから米国株の下落とともにさらなる安値を更新していくと推測される。

■ナスダックやNYダウもこれから高値更新していく公算大

 本コラムで繰り返し指摘してきたように、米国株の強気構造が周期の長いブル(上昇)トレンドを支え、今なおその途上である。だから、S&P500に追随し、ナスダックやNYダウもこれから高値更新していくと思う。

【参考記事】
FRBの「君子豹変」は一番のリスクに対する先手! ドル/円は年初来安値更新しない?(2019年6月7日、陳満咲杜)

ナスダック 日足
ナスダック 日足チャート

(出所:Bloomberg)

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:Bloomberg)

 米三大指数のうち、S&P500やナスダックは2019年4月末において、いったん史上最高値を更新し、NYダウのみ更新に至らなかったから、それをもって米国株「トップアウト」の兆しだとする向きもあったが、結果的にそれは間違いだったのではないかとみる。

 なぜなら、昨日(6月20日)のS&P500の高値再更新自体が、米国株の強気構造を再度証明し、これから、NYダウ、ナスダックの順番で高値再更新の可能性が高まりつつあるからだ。

 ちなみに、現在のNYダウはすでに4月高値を更新しており、前回(4月末)はそれ以前の高値を更新するに至らなかった分、今回はナスダックより先に高値更新を果たせるかと思われる。構造上、4月高値更新を果たしたNYダウの史上最高値再更新は必至で、ここから高値更新しないで失速する局面は考えにくい。

■米国株の高値更新につれ、「支援材料」が続出するだろう

 いずれにせよ、利下げによる株高効果があっても、あくまで材料面の支えにすぎないから、米株高の可能性は、やはり内部構造にあると思う。

 相場の真実とは、材料の出現や解釈が、往々にして後追いする形で内部構造を証明するものである。ゆえに、米国株の高値再更新につれ、これから「支援材料」の続出が想定される。

「支援材料」自体は、好材料とは限らない。もともと非常に悪い材料でも、何らかの改善の兆しがあれば好材料と解釈され、また、その解釈によって逆に株高の構造を再証明する、といった前例もよくあった。

最近の好例は、トランプ氏による米中首脳会談の示唆であろう。米株高を解釈する理由のうち、これが大きく挙げられるからだ。

前回の本コラムで指摘したように、トランプ氏の「脅し」は本来、逆効果で、習近平氏は大阪G20に来づらいはずだった。

【参考記事】
2011年から2015年の強気相場が再び!? 米ドル/円は長期で考えれば逆張りの好機!(2019年6月14日、陳満咲杜)

 しかし、習氏はG20に参加、また、米中首脳会談があるようで、米中閣僚会談も早ければ来週火曜日(6月25日)から再開すると伝えられており、事態は急転してきた。

 このような展開は、前回コラムの最後にて予測ずみなので、筆者にとってまったくサプライズではなかったが、株式市場にとっては明らかに支援材料に違いない。

■中国中央テレビの映画で米中首脳会談の有無がわかる!?

 米中首脳会談ありと予測した最も重要な理由は、米中ともに「内部事情」を抱え、協議を再開せざるを得ない、ということに尽きる。

 中国にとって景気後退があれば、習氏の責任が問われ、米国にとっては何よりもトランプ氏の再任が優先事項なので、双方ともこじれた関係を何らかの形で修復せざるを得ないからだ。

 だから、今回、米中首脳会談があると思っていた上に、トランプ氏のつぶやき(首脳会談あり)が嘘ではないことがすぐわかったわけだ。

 ちなみに、トランプ氏の「作法」に散々惑わされたせいか、いまだに会談の可能性を疑心暗鬼する向きも多いようだか、ある「些細な出来事」を見て、筆者はより確信を持った。その出来事を6月19日(水)の筆者のツイッターにてつぶやいたから、画像をご参照いただきたい。

2019年6月19日 筆者Twitter画面
2019年6月19日 筆者Twitter画面

 ちなみに、本稿執筆中に新たな報道があり、「イランによる無人機撃墜は『誤射』、意図的でない」とトランプ米大統領が言っているようだ。このように、米国株のブルトレンドがホンモノであるからこそ、諸材料が次から次へ好転、あるいは一時の緩和をもってトレンドを支えるから、米株高の可能性が逆に証明されるわけだ。

■足元の円高は、すでにピークに近いのではないか

 米株高がホンモノであることがわかれば、円に関する見通しも明らかではないかと思う。

 米株高が続く一方で、円高がガンガン進むわけがないから、足元の円高は、すでにピークに近いのではないかとみる。

 確かにFOMC後、米ドル/円は大きく下げ、また安値更新しているが、2019年年初来の全上昇幅に対する調整自体は深くなったものの、調整波という位置づけは不変であり、近々底打ちを果たす公算が高い

 この視点において、本コラムがたびたび強調してきた2つのポイントを改めて強調しておきたい。

1.主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を含め、2019年年初来安値の更新はないだろう
2.長期スパンにおいて、目下は逆張り(円売り)の好機である

 もちろん、日本株についても見方は同様で、買い時だと思う。ちなみに、「リスクご本家」の上海総合指数はただいま3000ポイントの大台を回復、「打たれ弱い」日本株の持ち直しも間近だと思う。

上海総合指数 日足
上海総合指数 日足チャート

(出所:Bloomberg)

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:Bloomberg)

 市況はいかに。

(11:30執筆)

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西原宏一