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西原宏一_メルマガ取材記事
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

「米利下げ後に円高が進む説」への懐疑。
円高ピークを示唆する2つのフォーメーション

2019年07月12日(金)15:27公開 (2019年07月12日(金)15:27更新)
陳満咲杜

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■重要なのは、市場センチメントに惑わされないこと

 前回のコラムでは、米長期金利の底打ちや反騰の可能性を強調した。

【参考記事】
米長期金利の低下はすでに限界で下値は限定的。ドル/円は「きっかけ待ち」の段階か(2019年7月5日、陳満咲杜)

 先週末(2019年7月5日)に発表された、想定より良かった米雇用統計を受け、その兆しはすでに出ており、米長期金利(米10年物国債の利回り) は一時2.14%台に乗せた

米長期金利(米10年物国債の利回り) 日足
米長期金利(米10年物国債の利回り) 日足チャート

(出所:Bloomberg)

マーケットの心はそもそも秋の空。6月米雇用統計を受け、50bpsの利下げといった過激な予想はいったん後退したものの、一昨日(7月10日)のFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言が「ハト派」と見なされ、そのような観測がまた巻き戻された。

 いずれにせよ、マーケットのセンチメントは移り変わりやすく、材料に大きく左右されるのも常態なので、今さらサプライズ云々と言うものではなかろう

 重要なのは、市場センチメントに惑わされず、相場の内部構造に従うことだ。米国株の史上最高値更新が続いている現状では、リスクオフ云々の言説に左右されず、冷静かつ常識的に考えれば、おのずと答えが出てくるのではないかと思う。

■リスクオフを理由に円高を主張するのは現実的でない

 本コラムでも取り上げたように、米国が11年も続く景気拡大サイクルにある中で、米長期金利が2008年年末時点の水準よりも下回っていたことはやはり行きすぎであろう。

【参考記事】
リーマンショック時より低い米長期金利は行き過ぎ! 米ドル/円の反発はこれからだ(2019年6月28日、陳満咲杜)

 こういった認識や考え方は、いわゆる常識の範囲でおのずと得られるものだから、別にエコノミスト、あるいはアナリストの解釈を聞かなくてもできるはずだ。

 そして、米株三大指数がバラバラで、そろって高値更新ができていないうちは、米株高の可能性を疑い、リスクオフの可能性を警戒するのは仕方がないが、三大指数がそろって史上最高値を更新し続ける現在、なお、リスクオフ云々で米長期金利の一段の低下、また、円高の可能性を主張するのは、やはり現実的ではないと思う。

■利下げ幅は大半織り込み済みで市場は反応せず?

 さらに、市場センチメントに流されないように注意しなければならない。

 今月(7月)、米利下げがあること自体には懸念がない。相場が波乱含みになりやすいのは利下げ幅に関する憶測や思惑に関してだろう。だが、重要なのはそこではないと思う。利下げ幅がどうであれ、重要なのは相場がその大半を織り込んだかどうかにあるはずだ。

 結論から申し上げると、利下げ自体はもちろん、利下げ幅の可能性に関しても相場はその大半を織り込んでいる公算が大きい。

 相場は常に将来を見据えて値段を形成していくから、あらゆる推測や思惑を織り込み、また、先駆けて反応している。実際、利下げが実施されたあとは、利下げ幅がどうであれ、相場が事後的に反応してくることはないだろう。

 ゆえに、米利下げ後、一段と円高が進むといった論調に、筆者は懐疑的だ。仮に利下げ後、一段と円高が進む市況が見られる場合、それはきっと新しい材料の浮上など別の要素で動かされたのであって、現時点の材料を改めて反映したものではないはずだ。この意味では、円高のピークはすでに過ぎた可能性が大きいかとみる。

 もちろん、今月(7月)、利下げが実施されると、次回の利下げ時期や利下げ幅に関する論議や推測がまた市場センチメントを支配し、さらに円高をもたらす可能性はある。

 しかし、よく考えてみればわかるように、そもそも市場は年内2、3回の利下げありといった思惑を織り込んだ上で今のレートを形成しているから、やはり、次回の利下げに関する思惑で大幅に円高の余地が拡大するとは限らない。

■円高ピークを示唆する2つのフォーメーション

 たびたび指摘してきように、米株高が「ホンモノ」で、かつ継続されているうちは、リスクオフの円高があっても上値限定なので、円高のピークがすぎたか、近づいているという可能性を無視できない

米ドル/円は、6月安値から波乱含みながら切り返しを継続している。足元の日足では、2つのフォーメーションの形成可能性について注意を喚起したい。

 1つは、4月高値を起点とした全下落波が「下落ウェッジ」を形成していたが、7月からその上放れを果たしていること。

 もう1つは6月25日(火)安値を「ヘッド」と見なし、6月5日(水)前後の安値や7月3日(水)安値を「ショルダー」とみる場合、「ヘッド&ショルダーズ・ボトム(※)」(三尊底)を形成しているようにみえることだ。

(※編集部注:「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」とはチャートのパターンの1つで、大底を示す典型的な形とされている。「三尊底」とも呼ばれる。また、「三尊底」の逆で、天井を示す典型的な形が「ヘッド&ショルダーズ」(三尊型))

米ドル/円 日足
 米ドル/円 日足チャート

(出所:FXブロードネット

 さらに、細かく見ていくとわかるように…

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