昨日は夕方に韓国政府の日本との軍事協定を破棄する旨の表明があったが、とくに大きくマーケットを揺さぶることはなかった。協定破棄そのものサプライズであったが、まずはアメリカの反応を見たいということもあったのだろう。ドル円は下げに向かったが、これはリスク回避によるものではない。
ドイツの景況指数が出たのだが、予想を上回ったとはいえ素直に喜べず、8ヶ月連続で分け目の50を下回って板からである。それによってユーロ売りがかさみ、ユーロ円が下がった。そのクロス円の下げがドル円の下げを引っ張ったといえよう。
ニューヨーク序盤では地区連銀の総裁から追加利下げの無効性を強調する意見が相次いだ。前回のFOMCでも利下げ反対を主張していたメンバーであったので驚きはないの。
しかしいかんせん、パウエル議長の講演を控えていたので市場は反応せざるをえなかった。ドル金利は上昇に向かい、為替相場でも小幅ながらもドル高が進んだ。ドル円も20ポイントほど値を戻した。
その後はひたすら小動きに徹した。ドル円もユーロドルもまったく動かなくなり、ついにパウエル待ちモードに入った感じである。今日の夜の23時にパウエル議長の発言が始まるので、それまでは様子見姿勢が続くことになるのだろう。
問題は次回のFOMCでの利下げをどのように正当化するかであるが、今後の利下げ継続に含みを持たせることができるかどうかも重要である。ライブでスピーチを眺めていても仕方がないだろう。
自分で解釈するのは危ない。ここはやはりマーケットに聞くというのが基本的な姿勢であろう。特に注意して見ていないといけないのは、ドル金利の動きである。発言内容によってはこれまで積み重ねてきた利下げ期待分をすべて吹き飛ばすことになる。
短期金利も長期金利も価格が極端に値下がりすることに見舞われれば、それは純粋にドルの見直し買いの好機だと捉えてよいだろう。また行き過ぎの調整も含めて、こちらのしなりの可能性は高いものとみる。
すでにドル金利の低下は激しく進んでしまったので、いまさら金融緩和の必要性を強調しても、そう簡単にはドル金利のいっそうの低下は難しいものがあり、しかるにドルが下がるケースは考えづらい。
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