■米中貿易戦争とブレグジット、材料重なりリスクオン!
先週(10月7日~)末、米ドル/円は108.60円台まで上昇しました。NYダウも一時2万7000ドルを回復しましたし、リスクオンですね。

(出所:Bloomberg)

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日経平均のチャートも底打ちを示唆する「アイランドリバーサル・ボトム」となっていますね。

(出所:Bloomberg)
リスクオンを加速させたのは米中貿易戦争とブレグジット、2つのニュースが重なったこと。とくにブレグジットです。
EU(欧州連合)との協議がもつれている主因はアイルランドの国境問題ですが、先週(10月7日~)、ジョンソン英首相とアイルランド首相が会談し「合意に向けた道筋を見出せるとの見解で一致」との共同声明を出しました。
「合意ある英国のEU離脱」実現の思惑が高まり、英ポンドが急騰しました。

(出所:Bloomberg)
10月11日(金)深夜には、トランプ米大統領と中国の劉鶴副首相が貿易問題で部分合意に達したとの報道が出ました。
10月15日(火)に予定されていた制裁関税第4弾の発動は見送られ、11月中旬に開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)での正式署名に向けて動いていくようです。部分合意とはいえ、今後のさらなる合意に向けた期待感も残しています。
■英ポンド、下落は限定も上値余地は大きい
アイルランド首相との共同声明はサプライズですが、米中の部分合意は予想の範疇。発表されたのが10月11日(金)の深夜3時ころでしたから、市場はまだ完全に消化しきれていませんが、今日(10月14日)はセル・ザ・ファクト的な動きになる可能性もあるでしょう。
ただ本日(10月14日)は日本が体育の日、アメリカもコロンブスデーで一部の市場が休場となります。
いずれにせよ、今週(10月14日~)の注目はブレグジットですね。
10月14日(月)には英議会が再開され、女王の施政方針演説が、そして、17日(木)、18日(金)には、EUサミットが予定されています。
ジョンソン首相の提案する代替案をEU側が認めるのかどうか。今週(10月14日~)もヘッドラインで大きく動くことになるのでしょう。
IMM(国際通貨先物市場)を見ると、アイルランド首相と会談する前の先週(10月7日~)火曜日時点ではありますが、英ポンドのショートは溜まったままですね。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
メインシナリオは、いまだ合意なきEU離脱ですし、合意あるEU離脱の可能性は10%といったところでしょう。
英ポンドのポジションもショートに傾いたままです。つまり、合意あるEU離脱の可能性が高まれば、英ポンドが買い戻される余地は大きい。
逆にいえば、合意なきEU離脱となっても英ポンド/米ドルの下落幅はラフに言って500pips程度でしょうが、合意あるEU離脱となったときの上昇幅ははるかに大きい。ボラティリティという面では、英ポンドのロングに妙味があります。

(出所:Bloomberg)
(次ページでは、FRBが静かにQEを再開しているという話題が…)
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