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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

合意ある英国のEU離脱は実現するのか?
英ポンド/米ドルの押し目買いに妙味アリ!

2019年10月14日(月)15:18公開 (2019年10月14日(月)15:18更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■米中貿易戦争とブレグジット、材料重なりリスクオン!

先週(10月7日~)末、米ドル/円は108.60円台まで上昇しました。NYダウも一時2万7000ドルを回復しましたし、リスクオンですね。

米ドル/円 2時間足
米ドル/円 2時間足

(出所:Bloomberg)

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

日経平均のチャートも底打ちを示唆する「アイランドリバーサル・ボトム」となっていますね。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:Bloomberg)

リスクオンを加速させたのは米中貿易戦争とブレグジット、2つのニュースが重なったこと。とくにブレグジットです。

 

EU(欧州連合)との協議がもつれている主因はアイルランドの国境問題ですが、先週(10月7日~)、ジョンソン英首相とアイルランド首相が会談し「合意に向けた道筋を見出せるとの見解で一致」との共同声明を出しました。

 

「合意ある英国のEU離脱」実現の思惑が高まり、英ポンドが急騰しました。

英ポンド/円 日足
英ポンド/円 日足

(出所:Bloomberg)

10月11日(金)深夜には、トランプ米大統領と中国の劉鶴副首相が貿易問題で部分合意に達したとの報道が出ました。

 

10月15日(火)に予定されていた制裁関税第4弾の発動は見送られ、11月中旬に開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)での正式署名に向けて動いていくようです。部分合意とはいえ、今後のさらなる合意に向けた期待感も残しています。

■英ポンド、下落は限定も上値余地は大きい

アイルランド首相との共同声明はサプライズですが、米中の部分合意は予想の範疇。発表されたのが10月11日(金)の深夜3時ころでしたから、市場はまだ完全に消化しきれていませんが、今日(10月14日)はセル・ザ・ファクト的な動きになる可能性もあるでしょう。

ただ本日(10月14日)は日本が体育の日、アメリカもコロンブスデーで一部の市場が休場となります。

いずれにせよ、今週(10月14日~)の注目はブレグジットですね。


10月14日(月)には英議会が再開され、女王の施政方針演説が、そして、17日(木)、18日(金)には、EUサミットが予定されています。


ジョンソン首相の提案する代替案をEU側が認めるのかどうか。今週(10月14日~)もヘッドラインで大きく動くことになるのでしょう。

IMM(国際通貨先物市場)を見ると、アイルランド首相と会談する前の先週(10月7日~)火曜日時点ではありますが、英ポンドのショートは溜まったままですね。

IMMポジションの推移(英ポンド/米ドル)
IMMポジションの推移(英ポンド/円)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

メインシナリオは、いまだ合意なきEU離脱ですし、合意あるEU離脱の可能性は10%といったところでしょう。


英ポンドのポジションもショートに傾いたままです。つまり、合意あるEU離脱の可能性が高まれば、英ポンドが買い戻される余地は大きい


逆にいえば、合意なきEU離脱となっても英ポンド/米ドルの下落幅はラフに言って500pips程度でしょうが、合意あるEU離脱となったときの上昇幅ははるかに大きいボラティリティという面では、英ポンドのロングに妙味があります。

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足

(出所:Bloomberg)

■米国は静かにQEを再開か?

アメリカではFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が、バランスシート拡大に踏み切るとの考えを示しました


10月15日(火)から、短期国債を月600億ドルペースで購入するそうです。「短期金融市場を安定させるため」であって、QE(量的緩和策)再開との見方は強く否定したそうですが……。

実質的にQEですよね。それに加えて、トランプ大統領が減税を行なうのではとの観測も出ています。


最近でこそ経済指標は弱含んできたものの、米景気はまだ強い。それなのに利下げ、QE、さらに減税を行なえば、株式市場にバブルが発生する可能性は小さくない


それもこれも大統領選挙をにらんでのことなのでしょう。ただ、今、減税を行なって株価を持ち上げれば来年(2020年)まで持たない。減税カードをいつ切るのか、要注意ですね。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

リスクオフを警戒する声も多いですが、「株価はもうトップアウトしたはずだ」と目線を決め打ちするのは危険ですね。

■シリア北部からの米軍撤退がトルコリラの不安要因に

シリア北部からの米軍撤退、トルコ軍侵攻というニュースもありましたね。シリア北部はクルド人勢力が支配する地域。


米軍はクルド人勢力と連携してIS(イスラム国)と戦ってきました。ISの掃討作戦が終わったからといって即撤退、というのは冷たいように感じます。

【参考記事】
シリア北部から米軍撤収で戦争リスク警戒! トルコリラ/円は18円台前半へ下落…(10月9日、エミン・ユルマズ)

米軍が撤退すれば、トルコ軍がクルド人の排除へ動くことはわかっていましたからね。トランプ大統領の思惑がどこにあるのか……。いずれにせよ、トルコリラにとっては悪材料です。


同じく中東ではイランのタンカーがミサイル攻撃を受ける事件もあり、原油が上昇しました。誰による攻撃だったのか、まだ不明です。今週(10月14日~)の戦略はどう考えますか?

トルコリラ/円 日足
トルコリラ/円 日足

(出所:Bloomberg)

WTI原油 日足
WTI原油 日足

(出所:Bloomberg)

英ポンド/米ドルの押し目買いでしょうか。EUとの協議次第ではありますが、合意あるEU離脱の可能性が高まるようなら、英ポンドショートのスクイーズ(買い戻し)に期待できるでしょう。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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