■英総選挙、YouGovの調査結果は保守党優勢だが…
みなさん、こんにちは。
11月27日(水)の調査会社YouGovのMRP方式(YouGovのMRPについては、11月28日のコラムを参照)による分析結果が、保守党359議席と大幅に優勢だったため、マーケットはそれを織り込む形に。英ポンド/米ドルは、節目の1.3000ドルをブレイクして続伸しました。
【参考記事】
●米ドル/円は8円程度の狭いレンジで越年へ。保守党、過半数獲得の見通しでポンド上昇(11月28日、西原宏一)
そしてマーケットでは、12月11日(水)の日本時間7時に、YouGovのMRP方式の最新分析結果が発表されるとの報道で、英ポンド/米ドルはさらに買い進められ、一時1.3215ドルまで急騰しました。
しかし、12月11日(水)早朝のYouGovの発表では、保守党の議席が339と前回よりも20議席少ない結果に。
確かに、これは実質的な過半数である320議席を19議席上回っていることになります。
しかし、マジョリティー(※)は大幅に減って28議席に。
(※マジョリティーとは、与野党の議席の差(保守党-残りの議席)のことで、今回の結果では(保守党の議席=339)-(残りの議席=311)=28議席となります。ただ英議会のマジョリティーには、もうひとつワーキングマジョリティーという考え方があります。これは、当選しても当院しないシン・フェイン党の議員、慣例により投票しない議長、副議長などを除いた議席のことで、実質的な投票数は640を下回るので、通常、320議席あれば、ワーキングマジョリティーを確保できるといいます。)
前回の、YouGovのMRP方式による分析結果でのマジョリティーは68議席でしたので、大幅に減ったことになります。
YouGovのMRP方式による最新の分析結果が正しければ、選挙情勢が最終盤で厳しさを増したことを意味し、労働党の追い上げが続けば、保守党が過半数に届かない可能性も否定できない情勢に。
これは、12月11日(水)日本時間早朝のYouGovの調査結果が発表されるまではマーケットのメインシナリオではなかったので、マーケットの不透明感が高まったことは確かです。
ただ、英国の世論調査の結果は、あまり当てにならないことが多いため、英総選挙に向けても、あまりシナリオを固定せずに望みたいところ。
本稿執筆時点(12月11日)では…
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