■新型コロナウイルスにより、トルコリラ/円は下落
今週(1月27日~)のトルコリラは、対米ドルでほとんど動きませんでしたが、対円では18.20円台まで下がる場面がありました。

(出所:Trading View)
新型コロナウイルス感染拡大のニュースで、円高が進んだからです。新型コロナウイルス感染はどこまで拡大するのか、エピデミック(※)になるのか、それともパンデミックになるのか、現時点では予想不可能です。
(※編集部注:「エピデミック」とは、流行の規模を示す用語で、規模の小さい順に「エンデミック」、「エピデミック」、「パンデミック」となっている)
しかし、個人的には、過度な円高にはならないと考えています。今回のケースで参考になるのは、2002年~2003年に発生したSARSエピデミックです。
■SARSと同じなら、米ドル/円は約5%下落を想定
SARSは、2002年の11月に中国の広東省で初めて報告されましたが、世界の注目を集めたのは、翌年(2003年)2月。
まさに、今回の新型コロナウイルスと同じパターンです。エピデミックが始まった時、米ドル/円は122円近辺でしたが、WHO(世界保健機関)が勝利宣言した2003年7月までに、116円程度まで下がる場面がありました。

(出所:Bloomberg)
つまり、最大で約5%の下落でした。
今回も、米ドル/円は105円程度までの円高の可能性はあると考えますが、それ以上の円高は想定していません。その場合、トルコリラ/円の下値も17.50円程度となるでしょう。

(出所:Trading View)

(出所:Trading View)
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