■ECBの金利正常化の遅れがマーケットの懸念材料に
加えて、もうひとつ値を下げている通貨があります。
それは、ユーロ/米ドル。
今年(2020年)のユーロ/米ドルは、1.1213ドルでスタート。
今月(1月)の金融マーケットでは、イラン危機やコロナショックなど、マーケットを不安定にさせる要因が多いのですが、ユーロ/米ドルは大きな反発もなく、軟調に推移。
一時、1.1000ドルを割り込む展開となっています。
(出所:Trading View)
これは、ECB(欧州中央銀行)のスタンスが大きな影響を与えているようです。
1月のECB理事会において、ラガルド総裁は、「極めて緩和的な政策姿勢が長期に渡って必要」とコメント。マーケットが予想していたECBの金利正常化の時期が遅れるとの見方から、欧州金利が急低下し、ユーロ/米ドルの上値を重くしているようです。
1月のECB理事会でラガルド総裁は、「極めて緩和的な政策姿勢が長期に渡って必要」とコメント。この発言を受けて、マーケットではECBの金利正常化の時期が遅れるとの見方に傾いた (C)Visual China Group/Getty Images
■ユーロ/円の上値は極めて重い… 115円レベルに下落へ
コロナショックから、米ドル/円は軟調に推移。
ECBの金利正常化の時期が遅れるとの見方から、ユーロ/米ドルはじり安に。
結果、ユーロ/円は、極めて上値が重い展開となっています。
本稿執筆時点では、節目の120円レベルでもみ合っていますが、ユーロ/円は、じりじりと115円レベルへと下落するのではないでしょうか?
(出所:Trading View)
ECBの金利正常化の時期が後ろ倒しになったことと「コロナショック」により、115円に向けて下落を開始したユーロ/円の動向に注目です。
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