■中国新型肺炎が広がる中、金融市場は驚くほど冷静
中国新型肺炎の広がりは悪化する一方だ。もともと信用できない中国政府公表の死者数でさえ急上昇の傾向を示し、日本でも死者が出始めた深刻な状況にも関わらず、株式市場や為替市場は驚くほど冷静な値動きを見せている。
米国株の三大指数は、また揃って高値更新、米ドル/円は本稿執筆時点で110円の大台目前に迫り、日経平均は2万4000円の手前で推移している。
(出所:Bloomberg)
(出所:Trading View)
(出所:Bloomberg)
中国の工業生産が大打撃を受け、世界のサプライチェーンがすでに深刻な問題に直面しているにもかかわらず、である。
正直に申し上げると、筆者のような「強気一貫」な「楽天家」でさえ、今回の相場の反応に驚く。
さらに、新型肺炎自体に関して、筆者は悲観的に考えているから、サプライズなしと言えばウソになる。
それにしても、いろんな材料、いろんな見方、また、いろんな思惑を織り込んだか、今織り込んでいるのが相場であるから、相場のことを相場に愚直に聞くしかない。
繰り返し指摘してきたように、悪材料が満ちる環境でも株高が維持され、さらに高値トライし続ける場合に、「相場が間違った」といった考え方をするのは危険なことであり、自分勝手なふるまいというほかあるまい。
深刻な状況に直面しても、米国株をはじめとしてブル基調を維持できているのはほかならぬ、相場の内部構造がブルトレンドを指示、また、支えているからだ。
悪材料を無視する相場は、バブルだの危険だのと言いやすいが、それに沿って行動すると(逆バリ)、大きな損失を招き、また、その損失に比例して相場がさらに上昇していく、という現象もよく観察されてきた。
俗にいう「踏み上げ」の現象も、ブルトレンドが加速する重要な一因であることは見逃せない。
ただし、いくら強気相場とはいえ、事態がさらに深刻化する場合は、やはり、途中のスピード調整を引き起こすだろう。
(出所:Bloomberg)
■中国新型肺炎は「中国のチェルノブイリ事故」に?
今回の新型肺炎の場合、いろんなウワサが飛び交い、真相がなかなかつかめないが、とにかくヤバいことだけは間違いない。下手すると、今回の件は「中国のチェルノブイリ事故」となり、中国共産党の統制を終焉させるきっかけになる可能性さえあると思う。
あまり公に書けない部分もあるが、中国に最初に国境封鎖を申し入れたのが北朝鮮だったことは興味深い。表面上、北朝鮮は医療レベルが低いから恐れているといわれるが、本当は金正恩氏が他国よりいち早く情報を入手でき、また、その情報に基づいて決断せざるを得なかったのだとウワサされている。
中国共産党の…
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