■米ドル/円急騰、もう円はセーフ・ヘイブンではない?
今朝(2月24日)の米ドル/円は窓を開けて下落、日経平均先物も下落しています。日本市場は祝日、嫌な週明けですね。
米ドル/円は先週(2月17日~)、112.22円まで上昇し、昨年(2019年)4月高値の112.40円に迫るところまで来ました。
【参考記事】
●日本のGDPは衝撃の年率マイナス6.3%…。悪材料で円安に!? 米ドル/円は115円へ!(2月20日、西原宏一)
突然の上昇の原因について、見方が割れていますね。「GDPの悪化や新型コロナウイルスへの日本政府の対応などから『日本売り』が始まった」とする見方と、「本邦機関投資家勢が外債投資を活発化させたことによる円売りだ」とする見方。

(出所:Bloomberg)
日本売りが始まった可能性もあるでしょう。GDPの悪化に加えて、ダイヤモンド・プリンセス号への対応で日本政府は後手に回っています。
外国人からすると「福島原発の再来」をも想起させるようです。これまで円、それに米ドルがリスクオフで買われる「セーフ・ヘイブン」(避難通貨)でしたが、円はその座から転げ落ちてしまったのかもしれません。
■セブン&アイの超大型M&A、外債投資が活発化、
でも、もし日本売りだとすれば、日本株や日本国債も投げ売りされるはずです。今はまだ、そこまでの反応は出ていませんよね。

(出所:Bloomberg)
この数年の相場では、アセット間の相関性が薄れています。「為替は為替、株は株、コモディティはコモディティ」と分けて考えたほうがトレードしやすいようです。
時期的に年度末が近くリバランスによる外債投資の影響が指摘されていますし、年金などはマイナス金利のものは買えないでしょうから「償還された日本国債の資金が外債へシフトされているのでは」との指摘もあります。
また、先週(2月17日~)は、セブン&アイ・ホールディングスによる2.4兆円規模のM&A交渉が大詰めとの報道も出ました。
米ドル/円は月足レベルの三角保ち合いを上抜けてきましたが、外債投資の活発化やM&Aの影響による上昇が本筋だったとするなら、保ち合いブレイクがダマシとなる可能性もあります。

(出所:Bloomberg)
さまざまな見方はありますが、米ドルが買われているのはたしか。年初から対オセアニア通貨で米ドルが買われ、次に対ユーロで買われ、今度は対円で買われと、米ドル買いが巡回しています。対円での米ドル買いは先週(2月17日~)から始まったばかり。まだ続くのではないでしょうか。
【参考記事】
●新型コロナが猛威振るう中、なぜ株は好調? 豪ドルが影響を織り込む一方でユーロは…(2月13日、西原宏一)
(次ページでは、韓国株急落や米ドル/円の戦略の話題が…)
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