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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

もう円は「セーフ・ヘイブン」ではなくなった!?
新型コロナ対応後手に回り、日本売り開始か?

2020年02月24日(月)15:58公開 (2020年02月24日(月)15:58更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■米ドル/円急騰、もう円はセーフ・ヘイブンではない?

今朝(2月24日)の米ドル/円は窓を開けて下落、日経平均先物も下落しています。日本市場は祝日、嫌な週明けですね。

米ドル/円は先週(2月17日~)、112.22円まで上昇し、昨年(2019年)4月高値の112.40円に迫るところまで来ました。

【参考記事】
日本のGDPは衝撃の年率マイナス6.3%…。悪材料で円安に!? 米ドル/円は115円へ!(2月20日、西原宏一)

突然の上昇の原因について、見方が割れていますね。「GDPの悪化や新型コロナウイルスへの日本政府の対応などから『日本売り』が始まった」とする見方と、「本邦機関投資家勢が外債投資を活発化させたことによる円売りだ」とする見方。

日本GDP 年率換算
日本GDP 年率換算

(出所:Bloomberg)

日本売りが始まった可能性もあるでしょう。GDPの悪化に加えて、ダイヤモンド・プリンセス号への対応で日本政府は後手に回っています。

 

外国人からすると「福島原発の再来」をも想起させるようです。これまで円、それに米ドルがリスクオフで買われる「セーフ・ヘイブン」(避難通貨)でしたが、円はその座から転げ落ちてしまったのかもしれません。

■セブン&アイの超大型M&A、外債投資が活発化、

でも、もし日本売りだとすれば、日本株や日本国債も投げ売りされるはずです。今はまだ、そこまでの反応は出ていませんよね。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:Bloomberg)

この数年の相場では、アセット間の相関性が薄れています。「為替は為替、株は株、コモディティはコモディティ」と分けて考えたほうがトレードしやすいようです。

時期的に年度末が近くリバランスによる外債投資の影響が指摘されていますし、年金などはマイナス金利のものは買えないでしょうから「償還された日本国債の資金が外債へシフトされているのでは」との指摘もあります。

 

また、先週(2月17日~)は、セブン&アイ・ホールディングスによる2.4兆円規模のM&A交渉が大詰めとの報道も出ました。

 

米ドル/円は月足レベルの三角保ち合いを上抜けてきましたが、外債投資の活発化やM&Aの影響による上昇が本筋だったとするなら、保ち合いブレイクがダマシとなる可能性もあります。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足

(出所:Bloomberg)

さまざまな見方はありますが、米ドルが買われているのはたしか。年初から対オセアニア通貨で米ドルが買われ、次に対ユーロで買われ、今度は対円で買われと、米ドル買いが巡回しています。対円での米ドル買いは先週(2月17日~)から始まったばかり。まだ続くのではないでしょうか。

【参考記事】
新型コロナが猛威振るう中、なぜ株は好調? 豪ドルが影響を織り込む一方でユーロは…(2月13日、西原宏一)

■東京五輪中止なら、日本株は急落するか…

新型コロナウイルスは世界に広がり、韓国やイタリアで感染者が急増。韓国の代表的な株価指数KOSPIは今朝(2月24日)も急落しています。

新型コロナウイルス感染者数

(出所:Worldometerのデータを基にザイFX!編集部にて作成)

韓国KOSPI 日足
韓国KOSPI 日足

(出所:Bloomberg)

KOSPIが下がるなら、プロキシーとして日本株での売りが出るのかもしれないですね。

イタリアではサッカーの試合が中止されましたし、中国では全人代の延期が今日(2月24日)にも正式発表されます。日本でも金融イベントやセミナーの中止が目立ち始めていて、私の仕事にも影響が……。

もし「東京オリンピック中止」のようなことになれば、日本株は急落するでしょうね。

新型コロナウイルス騒動でリモートワークを導入する会社も増えてきました。いち早くリモートワークを宣言したGMOインターネットの熊谷社長は「在宅勤務開始から3週間。何がすごいかというと、業績に影響がほぼ無い。この結果を見て、そもそもオフィスが必要なのか真剣に考えている」とツイートしています。

 

リモートワークの一般化で、オフィス不要論が台頭すれば、オフィスビル市場に影響が出てくるシナリオも……?

インターネット関連はオフィスにいなくともできる業務が多いですからね。

■円がセーフヘイブンでないなら、米ドル/円は押し目買い

WTI原油市場では、50ドルの大台が重要な節目。協調減産に否定的な態度を示しているロシアに対し、とうとうサウジアラビアやクウェート、UAE(アラブ首長国連邦)は、ロシア抜きでの減産の検討に入っています

 

2016年から協調減産を続けてきた「OPEC(石油輸出国機構)プラス」の枠組みが崩れるかもしれません。50ドル割れが定着すると、シェール企業のジャンク債市場にも影響が及びますし、ひいては株式市場などへの影響も出てくるでしょう。

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足

(出所:Bloomberg)

これまでならリスクオフで円買いとなる可能性を考える話ですが、円がもはやセーフ・ヘイブンではないのなら、米ドル/円の押し目買いでいいのではないでしょうか。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Trading View

ユーロ/米ドルは過去3週間、徹底的に売られてきて、米ドル買いが積み上がっているでしょうし、どこかで反発の場面もあるでしょう。対円での米ドル買いがいいと思います。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:Trading View

(構成/ミドルマン・高城泰)

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