■日本10-12月期GDPは年率マイナス6.3%
みなさん、こんにちは。
今週(2月17日~)、マーケットを驚かせたのが日本のGDPの悪化。
GDP10~12月期 年率マイナス6.3% 5期ぶりのマイナスに
出所:NHK NEWS WEB

(出所:Bloomberg)
前回(2014年)の消費増税時と同様、今回(昨年10月)の10%への増税が個人消費を落ち込ませ、日本経済を減速させているわけですが、昨年(2019年)消費増税が行われた時は、悪影響についてあまり報道されませんでした。
それは、消費増税の開始とともに日本株が急騰したからです。

(出所:Bloomberg)
今回も同様。GDPの年率マイナス6.3%の衝撃を受けて、当初、日本株は下落、米ドル/円は円高へ振れました。
しかし、マーケットでは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や本邦の生保が、積極的に米ドル/円での米ドル買いをマーケットに持ち込んでいるとのウワサで、日本株は反発。そして、米ドル/円は、じわじわと110円台を回復します。

(出所:Trading View)
■リスクオフでの円高の流れが変わりつつある
最近、日本関連の悪材料が出ると、本邦機関投資家から、まとまった日本株や米ドル/円での米ドル買いがマーケットに持ち込まれることに違和感を感じますが、実際、米ドル/円が持ち上げられていることも事実。
悪材料は出るものの、リスクオフでの円高にならない展開です。
このコラムでも何度かご紹介させていただきましたが、リスクオフでの円高の流れは変わりつつあります。
【参考記事】
●「株高・米ドル高」の流れは一時的か…? 英ポンド/米ドルは1.2500ドルへ下落再開(2月6日、西原宏一)
ただ、今年(2020年)に入って、イラン危機、新型肺炎の感染拡大というリスクオフの報道がなされるたびに、何度も円高には振れていますので、円高は継続しないものの、リスクオフでの円売りにもならないという状況でした。
■日本の悪材料で円安になったワケとは?
ところが、今回は日本の悪材料で円安に振れています。
それは、米系投資家の行動に変化が起きたからのようです。
日本の悪材料となる報道が目立つ局面で、米ドル/円での米ドル買いを持ち込んでいるのが、本邦機関投資家と米系投資家で、まとまった米ドル買いを持ち込んでいる模様。
本邦機関投資家だけのときは、米ドル/円の上昇も限定的だったのですが、今回は、米系投資家のまとまった米ドル買いの影響も大きいようです。
そのスタンスの変化は、GDPの年率マイナス6.3%という報道にあるようです。
この報道で米系投資家が取った行動は、リスクオフの円買いではなく、円売りでした。

(出所:Trading View)
■米ドル/円は重要な節目を突破し、115円へ上値余地拡大
そして、彼らが期待したのは日銀の追加緩和。
それによる円売りという流れのようです(この段階では、初期のアベノミクスの時のような大規模な金融緩和の手段は思いつきませんが…)。

写真は日銀の黒田総裁。日本のGDPマイナス6.3%という報道を受けて、米系投資家が期待したのは日銀の金融緩和。ただ、西原さんは、この段階では大規模な金融緩和の手段が思いつかないという (C)Bloomberg/Getty Images
つまり、まず、リスクオフでの円高にはならず、日本勢の米ドル買いにより、米ドル/円は底堅い展開に。そして、GDP年率マイナス6.3%ショックによる日銀の追加緩和期待により、米系投資家の円売りという側面が加わったことから、米ドル/円は重要なレジスタンスである110.15円レベルをブレイクして急騰しています。
シンプルですが、2015年に125.86円の高値に到達して以来のレジスタンスライン(=110.14円)を2月19日(水)にブレイクした形になります。

(出所:Bloomberg)
重要なレジスタンスをブレイクした米ドル/円は、115円へと上値余地が拡大した形になります。
リスクオフでも円高にならず、そして、日銀の追加緩和期待を背景とした米系投資家の米ドル買いにより、上値余地が拡大した米ドル/円の行方に注目です。
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