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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

株価は全戻しで一段落か。二番底はない?
ドル/円は106~110円程度のレンジ続きそう

2020年06月08日(月)16:37公開 (2020年06月08日(月)16:37更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■米史上最高の復活の日!

先週(6月1日~)発表された5月の米雇用統計はサプライズ


非農業部門雇用者数は800万人減の予想に対して、結果は250万人の増加


失業率も4月の14.7%から13.3%へと改善しました。

米非農業部門雇用者数の推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移

米失業率の推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移

過去に類を見ないコロナ禍ですから、予想が難しい。エコノミストは気の毒です。


一方でトランプ米大統領は、「米史上最高の復活の日だ!」と歓喜の声を上げています。

株式市場も強いですね。


金曜日(6月5日)、ナスダック総合指数はザラ場で史上最高値を更新しました。

ナスダック総合指数 日足
ナスダック総合指数 日足チャート

(出所:TradingView

実体経済は別にして、「躊躇なき金融緩和と、躊躇なき財政拡大」で株式市場は上がるだろうと思っていましたが、ここまでのスピード感となったのは驚き。


ただ、コロナ以前の水準まで全戻ししたわけですから、さすがにここで一段落ではないかと思います。

【参考記事】
全米でデモ拡大…だけど、米国株は続伸!? 豪ドル/円は買われ過ぎ示唆で押し目狙い(6月4日、西原宏一)
コロナバブルが当面、弾けない理由とは? ドル/円・クロス円は反動狙ってエントリー(6月4日、今井雅人)

■株価は二番底回避も米ドル/円はレンジ継続

株価は、二番底をつけにいくのでしょうか?

二番底はないでしょう。


レンジで時間調整してから再び上をめざすのではないでしょうか。

米ドル/円も110円手前まで戻しています。


GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など年金の買いが入っているとの見方もありますし、足もとでは米債利回りも上昇してきました。


米雇用統計が強く、金利も上昇してきて、年金の買いもある。


円安がトレンド化する可能性もありませんか?

GPIFが下を支えるのはたしかでしょうが、彼らが高値を買ってくることはないはず。


112円へと達するイメージは持てませんし、106円から110円程度でのレンジが続くのではないでしょうか。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

今回の上昇でレンジ上抜けと見るわけではないんですね。

新型コロナウイルスの拡大で101円まで急落し、米ドル不足となり112円へと急反発してからレンジが続いています。


米ドル/円自体にモメンタムを感じません


株式市場が調整すればクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も下がりやすい


急騰してきたユーロ/円や豪ドル/円も調整入りではないでしょうか。

■6月10日のFOMCで注目は「YCC」

先週(6月1日)は、ECB(欧州中央銀行)が金融緩和の拡大を発表したこともあり、ユーロが急伸しました。


6月末は、欧米企業の半期末。半期末のユーロは、それまでのトレンドと逆方向に動く傾向があるようです。


上半期はユーロ売りが多かったために買い戻しの動きが強まっているのかもしれませんね。

ユーロ/円については、イタリアなどでコロナ禍が深刻化した3月に115円を割り込み、「100円に向かうのでは」との見方が出ました。


一転して124円まで上昇しましたが、大きなトレンドを形成するには、まだ材料が足りていない


このまま130円へ向かう感じはありません

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:TradingView

今週6月10日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が公表されます。


一部では、日銀と同様、YCC(イールドカーブ・コントロール)の導入を予想する声も出ています。


YCC自体は米ドル安、株高要因。


パウエルFRB議長のコメントにも要注意ですね。

【参考記事】
新型コロナ対策の補正予算は巨額!リスクは円安方向。ユーロ/円は長期の大底形成中か(6月3日、志摩力男)

パウエルFRB議長写真

6月10日(水)にはFOMCが公表されるが、一部では、日銀と同様にYCCの導入を予想する声も出ていると大橋ひろこ氏は指摘。YCC自体は米ドル安、株高要因で、パウエルFRB議長のコメントにも要注意だという (C)Bloomberg/Getty Images News

今週(6月8日~)は、SQ(※)でもあります。


日経平均が急騰しているだけに、金曜日(6月12日)に向けた動きにも注意が必要ですね。


今年(2020年)は米大統領選挙の年でもあり、「株価がすべて」


米国人暴行死デモの暴徒化など、トランプ再選を防ごうとする力も強力です。


ここから11月3日(火)の投票日に向かって、何が起きても不思議はありません。

(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと)

【参考記事】
全米でデモ拡大…だけど、米国株は続伸!? 豪ドル/円は買われ過ぎ示唆で押し目狙い(6月4日、西原宏一)

■クロス円の調整を狙い豪ドル、ユーロ売り

コモディティ関連では、OPECプラス(※)が現行の減産合意を7月末まで1か月延長することで合意。


減産延長交渉が決裂するようだと株価調整安のリスクもありましたが、無事、通過しています。

(※編集部注:「OPECプラス」とは、OPEC(石油輸出国機構)にOPEC非加盟の主要産油国を加えた枠組みのこと)

ゴールドは、思ったほど伸びませんね。

株高に加えて、金利上昇はゴールドにネガティブです。


しかし、リーマンショック時のゴールドは700ドルまで下げてから1900ドルへと3倍近く上昇しました。


3月安値は1450ドル。ここから仮に2倍としても2900。


リーマンショック時以上の金融緩和が行われていることを考えると2倍以上の上昇となってもおかしくはありません


ゴールドETF(上場投資信託)市場には、過去最大レベルの資金が集まっています


今週の戦略は、どう考えますか?

NY金先物 週足
NY金先物 週足チャート

(出所:TradingView

ナスダックを中心に、株式市場が短期的な調整入りとなるなら、クロス円、特に豪ドル/円、ユーロ/円の売りでいいのでしょう。

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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