■米ドル/円は「居心地がよい」値動きを維持
対照的に、米ドル/円は米ドル安の傾向を示しているものの、ドルインデックスと比例しない値動きを続け、結果的にトレンドレスの状況に留まり、下方硬直性を発揮してきた。
(出所:TradingView)
106~107円台を下限に、米ドル/円はどうやら「居心地がよい」値動きを維持しているから、結果的にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の支えになっている。
■ユーロ/円はこれから123~124円台の高値を再トライ
代表的なクロス円であるユーロ/円を取り上げてみると、以前、本コラムで指摘したように、5月安値を起点とした全上昇幅に対する半値押しのところで6月22日(緑矢印)に「強気リバーサル」のサインが点灯し、反落の一服を示した。
【参考記事】
●クロス円上昇は豪ドル/円が牽引?6月高値更新を念頭に中期的には80円台も!(2020年7月3日、陳満咲杜)
(出所:TradingView)
ゆえに、その後の切り返しをブル(上昇)基調への復帰と見なし、7月10日(赤矢印)の「スパイクロー」のサインをもって再度120円の節目直前のサポートを確認、その後、上放れを果たし、6月16日(黄矢印)高値のブレイクに成功。これから123~124円台の高値を再トライする公算が大きい。
■豪ドル/円も高値更新の可能性が高い
リンクしたように、豪ドル/円も強気トレンドを維持してきたから、上値トライまたは高値再更新の可能性は高い。
(出所:TradingView)
6月16日(火)高値(黄矢印)をいったんブレイクしたから、これから上に定着すれば、高値更新を果たすだろう。
英ポンド/米ドルと英ポンド/円はユーロや豪ドルほど素直ではないから、短期トレードならユーロや豪ドルに専念するのも一手であろう。この意味では、米ドル/円も仕掛けにくいから、わかりやすいトレードが一番ともいえる。
以上はあくまで短期スパンの話だが、中長期スパンでは逆に米ドル安の最終段階にある可能性があるから、気をつけたい。
そのあたりの話はまた次回、市況はいかに。
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