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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

今の米ドル安は理由が不明なまま進行か。
ならばやはり、レンジトレードを続けたい!

2020年07月16日(木)12:12公開 (2020年07月16日(木)12:12更新)
今井雅人

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■ユーロなどを中心に米ドル安が進み、クロス円が上昇

 ここのところ、ユーロ/米ドルなどを中心に、米ドル安が進んでいます。

米ドルVS世界の通貨 日足
米ドルVS世界の通貨 日足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足

 米ドル/円は、あまり動いていないので、結果として、ユーロ/円などのクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も上昇しています。

世界の通貨VS円 日足
世界の通貨VS円 日足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足

 いったい、この背景はなんだろうか? 正直、よくわかりません。一応、専門家と言われる人たちの解説を、いくつか読んでみました。

【参考記事】
ついに、本格的に米ドル安相場始まるか! 中国がドル離れ!? 基軸通貨の地位が危うい(7月15日、志摩力男)
もみ合い継続だが、米ドル安の見通しに変化なし! 戻りを待って売りたい(7月14日、バカラ村)

■米ドル安が進んだ背景にあるものとは…?

 まず、1つ目は、米国のインフレ期待が高まっていることで、米ドル安になっているという説です。

 米国の経済が、やや回復したことで、インフレ期待が回復し、実質金利が徐々にマイナスになっているために、米ドル安となっているという説明になっています。

 2つ目の説は、米国で新型ウイルス治療薬に関しての楽観論が広がっていることが、米ドル安をもたらしているというものです。

 米国のバイオ製薬企業、ギリアド・サイエンシズが、新型コロナ感染症の治療薬として利用されている抗ウイルス薬「レムデシビル」について、重症患者の死亡リスク低下や、症状の改善が確認できたと発表したことで、市場に楽観論が広がり、株価が上昇する一方、米ドル安になったという説明です。

ドルインデックス(左軸)・ナスダック総合指数(右軸) 日足
ドルインデックス・ナスダック総合指数 日足チャート

(出所:TradingView

■復興基金への期待感も米ドル安を後押し!?

 そして3つ目の説が、新型コロナの問題や、人種差別抗議デモへの対応に批判が集まっているトランプ米政権への支持率低下が、米ドル安の原因というものです。

トランプ米大統領

市場にはトランプ政権に対する支持率の低下が、米ドル安の原因になっているという説もあるという (C)Mark Wilson/Getty Images

 特に、欧州は比較的、新型コロナへの対応を成功させていることに注目が集まり、対ユーロで米ドル安が顕著であるという説明です。

 その他にも、今週末(7月17日~18日)に、EU(欧州連合)復興基金に関する合意がなされるという期待感からユーロが買われ、結果として米ドル安になっているという説もありました。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

■今の米ドル安傾向の理由は、わからない…

 どの説明を見ても、なるほどと、うなずけるようなものは見当たりません。

 ということは、実は、はっきりとした理由がわからないまま、米ドル安が進んでいる可能性がある、ということではないでしょうか。

 つまり、今の米ドル安傾向は、あまり実体のないものではないのかなと、思わざるを得ません。

 確かに、チャート的には、少し、米ドル安方向に抜けたように見える通貨ペアもあります。

 ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルなどは、そのよい例ではないかと思います。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

■確かな材料がないなら、レンジトレード継続へ!

 しかし、確かな材料がない中で、チャートがどちらかに抜けてそのまま走っていくということは、あまり、確率的には高くないのではないかと考えています。

 まだ、相場がどちらかに抜けて、トレンドができるような環境にあるとは、私には思えません。

 ですから、やはり、レンジトレードを続けることにします。

 ただし、クロス円にしてもユーロ/米ドルにしても、基本は下値が底堅い状態が続いているので、本当であれば、買いから入ってロングポジションを取りたいところです。

 しかし、伸びすぎてしまったときは、逆から入って、ショート(=売り)ポジションを取るのもありだと思っています。

【参考記事】
クロス円で進んだ円安の修正が出てきそう。売りで追うか、下がってくるのを待って買うか(7月10日、今井雅人)
レンジトレード継続。なぜソフトバンクGのTモバイルUS株売却で円買いが起きないの?(6月25日、今井雅人)
株価はピーク到達でクロス円も上昇弱まる。レンジトレードに切り替え! 想定レンジは?(6月18日、今井雅人)

■米ドル/円のレンジ脱却には、かなりの時間がかかりそう

 なお、米ドル/円に関しては、106~108円のレンジから抜け出すには、かなりの時間がかかると考えています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/米ドルの押し目買い、クロス円の押し目買いを基本戦略としながらも、伸びたところでは、カウンターでショートに入る。こういう基本方針で、トレードを続けたいと思います。


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松崎美子