■ユーロ/米ドルの適正レートは1.3ドル前後か。現在は割安
ユーロは購買力平価で見ると、適正レートは対米ドルで1.3ドル前後ぐらいのところにあるのではないかと見られています。
2008年には1.6038ドルの最高値をつけたこともありますから、現在のユーロは割安です。

(出所:TradingView)
■米中対立、今後は金融面での締めつけ強化が予想される
整理すると、今回のユーロ高・米ドル安の要因は…
(1)欧州復興基金により、欧州に対する不安が後退したこと
(2)米国が超金融緩和政策をとり、この影響がタイムラグを伴って現れ始めたこと
という点だと思いますが、もう一点重要なのは、
(3)米中対立の激化
でしょう。
【参考記事】
●米ドル安となる環境が完璧に整いつつある! 大統領再選には、対中国強硬姿勢しかない(7月29日、志摩力男)
トランプ大統領は選挙対策もあり、米中対立の方向に大きく舵をシフトしましたが、政治情報サイト「Real Clear Politics」によると、支持率が少し回復しました。
つまり、正しい選択をしたということです。
支持率回復という効果が見られた以上、この路線は強化されるでしょう。
今後は、金融面での締めつけを厳しくしてくることが予想されます。
中国最大の弱点は、中国人民元がハードカレンシーでないということです。自由に交換できる通貨ではありません。
ここを攻められると、中国経済は一気に厳しい状況に追い込まれるでしょう。
■今年後半どこまでユーロが上昇するか、注目!
ただ、それは米ドルの基軸通貨という立場を著しく弱くすることでもあります。安心して誰でも使える通貨でなければ、基軸通貨ではありません。
【参考記事】
●ついに、本格的に米ドル安相場始まるか! 中国がドル離れ!? 基軸通貨の地位が危うい(7月15日、志摩力男)
中国は大量の資金を米ドルで保有していますが、制裁を受けて米国に接収される可能性もあります。
それは、中国富裕層も事情は同じです。
資産接収から逃れるために、資金を第2の基軸通貨であるユーロへシフトすることは極めて自然なことです。
こうした背景から、ユーロ高・米ドル安はまだ続くと思われます。
長期下落トレンドは終了し、今年(2020年)後半、どこまでユーロが上昇するか、注目です。

(出所:TradingView)
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【参考記事】
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