昨日はアメリカが休み。グローベックスセッションはやっていたが、アジア時間に米国株は安値攻めをした後、海外時間では元に戻して堅調さを示している。リスク面からは押し目を拾いたい人が続出しそうな状況となっている。
一方で為替相場は米国勢がいないので小動きだった。その中でもBREXIT問題が紛糾し始めたので、ポンドが軟化。動きが少ない中でもポンドドルは100ポイントの下げを演じた。ポンドの動向は、今週は要ウオッチである。
ところでソフトバンクが米国株のハイテク関連でコールオプションを4000億円規模で購入したことが話題になっている。コロナ感染で扱っているファンドが大きな含み損を出す見込みだったのが、存外にも元のレベルに戻ってきたことによって余力が出てきたからだろう。
それにしても結果だけから見ると、ナスダック指数を構成している時価総額トップ5社を拾っておいたのは、良い選択だったと言える。問題はこの後の対処方法である。持っているオプションは規模から考えても値上がりしたからと言ってすぐに転売というわけにはいかない。
しっかりとストライクを越えてくるまで持ちきるのが前提となっている。仕込むときは相場も上昇する過程だったのでよかったかもしれないが、ポジションの処理は困難が伴う。半分だけヘッジしておこうものならば、その巨額さゆえに相場そのものを崩してしまうことになりかねない。
ソフトバンクもまともな投資会社であるならば、デルタヘッジはあてがっているはずである。つまり4000億円分のコールオプションを買ったといっても、そのデルタポジションの分だけ、当該の株式を空売りしている。いくらのストライクを買ったのかは不明だから、どのくらいの売りものが出てくるのかは判然としない。
しかし半分とまでは行かないまでも、額面の5分の1くらいはヘッジが出てくるのではなかろうか。今の負債を大量に抱えた企業体質では、オプションを宝くじ効果のように抱えていることは不可能であり、紙くずになるかもしれないリスクは許容できないはずだからである。今年の残り4ヶ月のマーケットの波乱要因になるかもしれない。いちおう要注意である。
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