■マーケットで話題の「欧州グリーンボンド革命」とは?
このところ米大統領選挙の話題が多くなっているので、今回は視点を変えて「欧州グリーンボンド革命」について、取り上げてみます。
米大統領選を目前に控え、今月(10月)はユーロ/米ドルも狭いレンジでの乱高下に終始していますが、マーケットではポストコロナでのユーロの動向を探るカギとして、「欧州グリーンボンド革命」が話題になっています。
欧州グリーンボンド革命、ユーロ高要因にも-環境意識する資金が流入
欧州はグリーンボンド発行で世界的リーダーになろうとしている。これはユーロ高の一因となる可能性があると、スタンダード銀行が指摘した。
欧州連合(EU)は新型コロナウイルス禍からの復興基金の一部として2250億ユーロ(約28兆円)のグリーンボンド発行を計画している。グリーンボンドは環境問題を解決するための資金を調達する債券。環境に優しい資産への投資家需要が急増している中で、これがユーロへの資金流入を促す可能性があると同行は分析した。
出所:Bloomberg
為替市場の規模から考えれば、欧州グリーンボンド発行は、ユーロ高要因とはならないという意見もありますが、政治的要請もあることから欧州の銀行はこうしたグリーンボンドの購入を考えているでしょうし、欧州発でグリーンボンド革命が始まる可能性もあるでしょう。
■金融市場は米大統領選挙と連邦議会選挙の結果待ち
本稿執筆時点での為替市場は、今年(2020年)最大のイベントである米大統領選挙を控えて、明確な方向性を出せずにいます。
前回のコラムでご紹介させていただいたように、トランプ大統領の再選はもとより、トリプルブルーの場合でも米国株買いという考え方が浸透してきており、11月3日(火)の米大統領選挙と連邦議会選挙の結果を待たないと、金融市場では明確な方向性を出すのが難しい展開です。
【参考記事】
●米大統領選、トリプルブルーなら増税を掲げるバイデン氏勝利でも株高・円安に!(10月8日、西原宏一)
11月3日(火)の米大統領選挙と連邦議会選挙の結果を待たないと、金融市場では明確な方向性を出すのが難しい展開となっている。写真は9月末に行われたトランプ大統領とバイデン氏による討論会のもの (C)Bloomberg/Getty Images News
ただ、米大統領選挙以外にも、マーケットでは前述のような欧州グリーンボンド革命のようなものが話題になっており、ポストコロナでのユーロ/米ドルの方向性を探る要因のひとつとなっています。
(出所:TradingView)
11月3日(火)の米大統領選挙と連邦議会選挙の行方のみならず、欧州グリーンボンド革命によるユーロ/米ドルの行方にも注目です。
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