■オクトーバー・サプライズは、トランプ大統領のコロナ感染
みなさん、こんにちは。
米国の大統領選挙が実施される年において、投票の1カ月前の10月は選挙戦に大きな影響を与えるサプライズが起こることがあります。
たとえば、1980年の米大統領選挙。
【現職ジミー・カーター大統領(民主党) 対 ロナルド・レーガン候補(共和党)】
当時、イラン革命で米大使館が占拠され、52人の大使館員が人質として捕らわれる問題を抱えていましたが、カーター政権は人質救出作戦に失敗するなど批判を浴びていました。
これに対して、レーガン候補の関係者が1980年10月18日~19日にパリでイラン政府関係者と極秘で会談し、カーター大統領の任期が終わるまで人質解放時期を延長するように交渉したといわれています。
結果……このときの米大統領選挙では、レーガン候補が勝利。
1981年1月20日に、ロナルド・レーガン氏が第40代大統領に就任。同日(1981年1月20日)に、イランで人質として捕らわれていた米大使館員も無事に解放されました。
この事件以降、「オクトーバー・サプライズ」という言葉が米国で使われ始めました。
そして、今回の米大統領選挙においても、10月に入り、マーケットでは「オクトーバー・サプライズ」が話題になっていました。
そうした中、今回の「オクトーバー・サプライズ」は、トランプ大統領自身の新型コロナウイルス感染という展開となり、マーケットは大混乱。
【参考記事】
●トランプ米大統領コロナ感染で、大統領選はバイデン有利? 為替は大統領選で動き出す(10月5日、西原宏一&大橋ひろこ)
重症化しやすい74歳という高齢。かつ、不健康なファストフードの食生活によるあの肥満体形。加えて、ホワイトハウス内で集団感染が発生するという事態にまで発展しました。
ところが10月5日(月)、トランプ大統領はワシントン近郊のウォルター・リード米軍医療センターから退院し、3日ぶりにホワイトハウスへ戻るという驚きの展開に。
そして、トランプ大統領はすぐに選挙戦に戻ると発表し、新たな「トランプ劇場」が繰り広げられました。
新型コロナウイルスに感染して入院したトランプ大統領だったが、早々と退院するとすぐに選挙戦に戻ると発表。新たな「トランプ劇場」が繰り広げられた。写真は2016年の大統領就任式のもの (C)Alex Wong/Getty Images
■マイケル・ムーア氏がトランプ大統領を嘘つきと断言
トランプ大統領の新型コロナウイルス感染、そして退院という報道は、全米でさまざまな話題を呼んでいます。
強烈なのが、映画監督やジャーナリストとして活動するマイケル・ムーア氏。
マイケルムーア氏は、前回(2016年)の米大統領選挙にて、民主党から出馬したヒラリー・クリントン議員の支持を表明するも、中西部州のラストベルトを取材して白人中間層のヒラリー氏への支持が急速に失われていることを実感し、不本意としながらもトランプ氏の勝利を予測した人物です。
写真は前回の米大統領選挙に立候補したヒラリー・クリントン氏。マイケル・ムーア氏はヒラリー氏を支持したものの、ジャーナリストとして取材する中で、不本意ながらトランプ大統領の勝利を予測した (C) Ramin Talaie/Getty Images News
マイケル・ムーア監督は、「何があっても、絶対に、彼の言葉を文字通りに受け取ってはならない」とコメント。
続けて、
「トランプ大統領は、この4年間で何万回も嘘をついてきた。新型コロナウイルスの感染自体が嘘、または、感染を大統領選に利用する可能性もある」
「トランプ氏は大胆不適なプロの嘘つき、シリアル・ライアーだ」
「一体、どうやって信じろというのだ」
とし、自身の国の大統領を100%の嘘つきとしています。
実際に新型コロナウイルスに感染したとすると、2週間選挙活動ができなくなることになり、それはトランプさんにとって耐え難いことだと思いますので、個人的にはさすがに感染したことが嘘だとは、思えないのですが…。
話題をマーケットに戻すと…
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)