ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

志摩スーパーバナー
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

原油価格上昇やインフレは円安材料になる。
需要の高まりから原油価格は100ドルへ!?

2021年02月17日(水)13:56公開 (2021年02月17日(水)13:56更新)
志摩力男

【LINE FX】1000通貨単位、業界最狭水準のスプレッドで取引できスマホからの取引に徹底的にこだわったサービス内容で初心者におすすめ!

 今後の世の中はどうなるのか? それを考える上で、下記の2点が重要かと前回のコラムで書きました。

【参考記事】
この先、世の中はどうなる? コロナ感染は抑制されて好景気に。円安傾向強まるか(2月10日、志摩力男)

(1) ワクチン接種が進んでコロナ感染は抑えられ、人々の移動が復活。米国を中心に世界は好景気を迎える

(2) 長期的な流れでは、バイデン政権となり、従来の化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトが進む

 今回は(2)に関して、書きたいと思います。

■「グリーン水素」の実現で、温暖化ガス排出量はゼロに

長期的には、再生可能エネルギーのみで世界のエネルギー需要を賄うことになるはずですし、それは可能です。

 しかし、エネルギーは安定して供給されなければならないものの、太陽光にしろ、風力にしろ、再生可能エネルギーによる発電は、かなりの変動を伴います。

 出力を安定させるためには、一時的にエネルギーを何かに蓄えなければならないのですが、現在、広く使われているリチウムバッテリーでは、容量・コスト両面で限界があります。

そこで、「水素」が有力視されています。

 水素の製造には、さまざまな方法があります。現在は、天然ガス等の化石燃料から作り出す「ブルー水素」が主流ですが、それでは二酸化炭素を排出します。

再生可能エネルギーにより発電し、その電力で水を電気分解して作り出す「グリーン水素」でなければなりません。

 それが実現する時、温暖化ガス排出量をゼロにすることができますし、その時人類はエネルギー問題から解放されることになります。

■今後は貴金属の産出国が重要に

 再生可能エネルギーを作り出すには太陽光が有力ですが、その時、「銀」が使われます。

 また、水を電気分解して水素を作り出す時、電極に「プラチナ」や「イリジウム」が必要となります。

 EV車(電気自動車)が動くにはモーターが必要ですが、「銅」「コバルト」が使われますし、現在、主流のリチウムイオンバッテリーには、名前のとおり「リチウム」が必要となります。その他、さまざまな希少金属、「レアアース」も使われます。

現代は、石油産出国がエネルギー安全保障上重要ですが、今後は、こうした貴金属を産出する国が重要となってくるでしょう。

■貴金属産出国である南アフリカと豪州の通貨が上昇基調

 ウィキペディア等を参考に、貴金属の主要産出国と、その産出率をわかる範囲で列挙してみると、以下のとおりです。

「銀」…ペルー(17%)、メキシコ(15%)、チリ(7%)
「銅」…チリ(37%)、アメリカ、ベル-
「プラチナ」…南アフリカ(78%)、ロシア
「イリジウム」…南アフリカ、ロシア
「ロジウム」…南アフリカ、ロシア
「パラジウム」…南アフリカ、ロシア
「コバルト」…コンゴ(60.8%)
「ニッケル」…豪州(36%)
「リチウム」…豪州(87.4%)

 こうしてみると、為替市場に関係するのは、プラチナ等の南アフリカ、そしてニッケル、リチウムの豪州が重要でしょうか。

【参考記事】
プラチナ高騰で南アフリカランドが上昇! ドル紙幣は新興国やオセアニア通貨へ流れる(2月15日、西原宏一&大橋ひろこ)
豪ドル、鉄鉱石急騰を受けて上昇継続! 長期では水素燃料関連の報道も買い材料に(2020年12月17日、西原宏一)

実際、両国の通貨はこのところ上昇基調にあります。特に南アフリカランドは長期ダウントレンドを上抜け、大きく上昇するように見えなくもありません。

豪ドル/円 月足
豪ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

南アフリカランド/円 月足
南アフリカランド/円 月足チャート

(出所:TradingView

■将来的に豪州は産油国のような立場になりえる

 また、再生可能エネルギーをどこで発電するかということも重要です。

 できれば自国で発電したいのですが、例えば日本で再生可能エネルギーを作り出すのはコストがかかります。四季があり、雨が降り、風が弱いからです。

 砂漠地帯がある豪州、北アフリカ、中東等々や、風に恵まれているチリ等では、再生可能エネルギーによる発電コストは相当安くなります。

日本の場合、豪州の電力で作り出した水素を、液化水素にして輸入するというのが、安く済ませる方法の1つとなるでしょう。

 そうなると、将来的に豪州は水素輸出国となり、現在の産油国のような立場になりえます

 ただ、こうした話は将来的なことです。

 水素社会に移行し、電極にプラチナが必要だとしても、実際にどの程度、需要が短期的に高まるかというと、極めて限定的で、マーケットへのインパクトはゼロに近い。

 よって、マーケットを語る上でのストーリーでしかないとも言えます。

■原油価格は100ドルまで上昇するか、という話も…

 しかし、バイデン政権による再生可能エネルギーシフトは、思わぬ方向に市場を動かす可能性が短期的にはあります

 現在、コロナの影響で石油需要は極端に落ち込んでいますが、ワクチン接種で世の中が正常化すれば、石油需要は簡単に戻ってきます。

 その時、米国はフラッキング(※)を一部禁止したように、シェールオイル産出に対する見方が厳しくなっていますので、簡単に増産できない可能性があります。

(※編集部注:フラッキングとは、シェールオイル産出のための水圧破砕法のこと)

 そうなると、現在はOPEC(石油輸出国機構)が原油生産をコントロールしているので、原油需要が高まると、意外に原油価格が急上昇する可能性があります。

 70~80ドルぐらいまでの上昇が可能でしょうが、もしかすると100ドルという話もちらほら出てきています。

WTI原油先物 週足
WTI原油先物 週足チャート

(出所:TradingView

■原油価格上昇やインフレは円安材料。今後続く可能性も

原油価格が上昇すると、日本は貿易赤字になるので、円安材料です。

 また、インフレになりやすくなるので、米金利が上昇しやすくなります。これも合わせて円安材料です。

年初の予想とは違い、現在、やや円安方向に米ドル/円相場は動いていますが、これが今後、続く可能性も見えている感じがします。

【参考記事】
2021年の米ドル/円は、少し円高方向か。95~105円程度がコアのレンジと想定(2020年12月23日、志摩力男)

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView


【ザイFX!編集部からのお知らせ】

 志摩力男のYoutubeチャンネル「志摩力男のグローバルFXトレード!チャンネル」で最新動画「月刊!志摩力男」の9月号を公開(2022年8月30日)しました!

 ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容について、志摩産は「インフレへの宣戦布告」と指摘しています。これを受けて、9月FOMCの利上げ幅はどうなるのか?そして、米ドル/円の動きは…!? 続きは動画をご視聴ください。

(出所:志摩力男Youtubeチャンネル「パウエルFRB議長の講演はインフレへの宣戦布告! 9月FOMCの注目ポイントは? 米ドル円の動きをどう見るか?【月刊!志摩力男9月号】」より)

 有料メルマガ「志摩力男のグローバルFXトレード!(月額:4,950円[税込み])」の会員限定動画やウェブセミナーなども企画していく予定なので、「志摩力男のグローバルFXトレード!」の登録をよろしくお願いします。

※YouTube「志摩力男のグローバルFXトレード!チャンネル」のチャンネル登録よろしくお願いします!

外資系金融機関でトップトレーダーとして活躍した伝説の男が、ザイ投資戦略メルマガについに登場!「志摩力男のグローバルFXトレード!(月額:4,950円[税込み])」
人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
トレーディングビュー記事 jfx記事
トレーディングビュー記事 jfx記事
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る