ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

志摩スーパーバナー
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

米国がテーパリングするなら、いつ頃?
バイデン増税が始まれば、利上げは先か…

2021年04月28日(水)18:08公開 (2021年04月28日(水)18:08更新)
志摩力男

ザイFX限定!口座開設&取引で最大10000円もらえる! トレイダーズ証券みんなのFX

■もし米国がテーパリングを始めるなら、スケジュールは?

 先週(4月19日~)、BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])が「テーパリング」(※)を開始したことから、市場では「次にテーパリングを開始する中央銀行はどこか」に注目が集まっています。

(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

【参考記事】
テーパリング開始決定で、カナダドル急騰! 米FRBも、早ければ夏ごろに示唆する可能性(4月22日、志摩力男)

 ワクチン接種が着実に進み、政府による経済対策も手厚く、経済絶好調なことから、米国も遅かれ早かれ「テーパリング」を始めざるを得ないはずと多くの市場関係者は見ています

 多くの金融機関の想定するテーパリングスケジュールは

1.夏ごろに「テーパリング」のほのめかし

2.半年後の2022年初めにテーパリング開始

3.現在、毎月米国債を800億ドル、モーゲージ債を400億ドル、合計1200億ドル債券購入しているが、毎回のFOMC(米連邦公開市場委員会)で150億ドル減額し、ほぼ1年でテーパリング終了

4.テーパリング終了から四半期もしくは半年ほどたってから利上げ開始(よって2023年夏ごろ利上げ開始)

 このようなところがコンセンサスのようです。

 一部の参加者は、これでは遅すぎるとイライラしているでしょう。インフレが目前まで迫っていて、これでは対応できないと。サマーズ元財務長官らは、こうした考えの筆頭です。

★志摩力男さんの有料メルマガ「志摩力男のグローバルFXトレード!」では、世界情勢の解説に定評がある志摩氏が、その分析に基づいたポジションや、実践的な売買アドバイスをメルマガで配信! 10日間の無料体験期間もあります!

志摩力男のグローバルFXトレード!

■バイデン大統領が増税始めれば、利上げは相当先か

 一方、パウエルFRB議長、イエレン財務長官は、雇用が完全に戻っていないこと、一部産業は新型コロナウイルスによる痛手から立ち直ってないことから、緩和路線を突き進むようです。

写真はパウエルFRB議長。パウエル議長やイエレン財務長官は、雇用が完全に戻っていないことなどから、緩和路線を突き進む方針のようだ (C)Bloomberg/Getty Images News

写真はパウエルFRB議長。パウエル議長やイエレン財務長官は、雇用が完全に戻っていないことなどから、緩和路線を突き進む方針のようだ (C)Bloomberg/Getty Images News

 実際、前回のFOMCで示されたドットチャートでは、2024年にならないと利上げしないことになっています。マーケットのコンセンサスよりももっと遅い。

【参考記事】
「コロナバブル」の終焉は近い…? 豪ドルの調整入りが引き金になるか(3月24日、志摩力男)

 また、バイデン政権は「増税」をします。おそらく来年(2022年)から始まります。財政支出もある程度抑えられるでしょう。そうなると、財政の「崖」(※)が来年(2022年)以降あるので、やはり利上げは相当先という考えも、説得力があります。

(※編集部注:「財政の崖」とは、増税と歳出の削減が重なり、崖から転げ落ちるように景気が悪化しかねないとの懸念を表した言葉)

【参考記事】
バイデン増税が長期では米ドルの重しに。トリプルブルーは米中間選挙で崩れるか(3月17日、志摩力男)

★志摩力男さんの有料メルマガ「志摩力男のグローバルFXトレード!」では、世界情勢の解説に定評がある志摩氏が、その分析に基づいた実践的な売買アドバイスをメルマガで配信! 10日間の無料体験期間もあります!

志摩力男のグローバルFXトレード!

■FRBの動きに対して、市場には「反乱」の気配アリ

 しかし、市場はそうしたFRBに対して「反乱」の気配があります。

 商品価格が上昇を始めていますが、今回はコーン、大豆、小麦といった穀物価格にも火がつき始めそうです。

シカゴコーン 日足
シカゴコーン 日足

(出所:IG証券

 2010~2012年ごろにも穀物価格が上昇しましたが、「アラブの春」が遠因ともなりました。穀物価格が上昇すると新興国が不安定になってきます

 米国の期待インフレ率も2.5%に迫ってきていますが、これが2.5%を越え、3%に迫るようなことがあれば、「ビハインド・ザ・カーブ」(※)ということになります。

(※編集部注:「ビハインド・ザ・カーブ」とは、景気や物価の上昇に対して、意図的に政策金利の引き上げのタイミングを遅らせる金融政策のこと)

 その場合、米ドルは売られることになるでしょう(主に対ユーロやコモディティ通貨に対して)。

ユーロ/米ドル日足
ユーロ/米ドル日足

(出所:IG証券

■日本はCPI上昇せず、デフレから抜け出せない状況

 一方、日本は日本で心配なことがあります。

 ワクチン接種が遅れていることもありますが、新型コロナウイルスに経済が疲弊し、CPI(消費者物価指数)がまったく上がってきません。デフレから抜け出せない状況です。

 他の欧米諸国との格差がはっきりしてきています。そうなると、円安の狙い撃ちも始まる可能性が見えます。

 今後は、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の下落(円高)にも注意が必要でしょう


【ザイFX!編集部からのお知らせ】

 2024年2月28日(水)20時~志摩力男のYouTube「グローバルFXトレード!チャンネル」「ライブ配信!志摩力男」を開催しました。

 見逃した!という人は、志摩力男のYoutubeチャンネル「志摩力男のグローバルFXトレード!チャンネル」でアーカイブを配信しているので、ぜひ追っかけ視聴してください。視聴者の質問に志摩さんが忖度なく丁寧にすべて回答しています。トレードの参考になること間違いなしです!

 志摩力男のYoutubeチャンネル「グローバルFXトレード!チャンネル」では、有料メルマガ「志摩力男のグローバルFXトレード!(月額:4,950円[税込み])」の会員限定動画やウェブセミナーなども開催していきますので、チャンネル登録よろしくお願いします。

※YouTube「志摩力男のグローバルFXトレード!チャンネル」のチャンネル登録よろしくお願いします!

外資系金融機関でトップトレーダーとして活躍した伝説の男が、ザイ投資戦略メルマガについに登場!「志摩力男のグローバルFXトレード!(月額:4,950円[税込み])」
人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
田向宏行 jfx記事 CFD口座おすすめ比較
田向宏行 jfx記事 CFD口座おすすめ比較
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る