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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ニュージーランドドル/円を押し目買い!
為替市場はまだ8月利上げを織り込んでいない

2021年07月19日(月)15:50公開 (2021年07月19日(月)15:50更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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ニュージーランドでサプライズ。量的緩和を今週停止へ

先週(7月12日~)驚いたのが、RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の政策発表です。


量的緩和の一環として行っていた資産買い入れプログラムを今週23日(金)までに終了する、と発表しました。

ニュージーランドは福岡県程度の経済規模ですし、インフレへの警戒感が強い。


通貨安によるインフレ加速を嫌気して、早期に利上げしたいのだと思います。


金利先物市場では11月の利上げだけでなく、8月の利上げも織り込みつつあります。

そのわりにニュージーランドドルは買われませんね。

金利先物市場と違って、為替市場ではまだ、2回の利上げを織り込んでいないようです。


利上げに向けて動き出したニュージーランドドルは買い方向でいいのでしょう。

ニュージーランドドル/円 日足
ニュージーランドドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

株式市場はまた再び「バブルへGO!」か

今朝(7月19日朝)、日経平均の前場は一時500円を超える値下がりとなり、200日移動平均線を下抜け。


米10年債利回りも1.28%台まで低下しました。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

米10年債利回り 日足
米10年債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

3月の1.7%台からここまで下げるのは驚きでしたが、年内は1.2%から1.5%台で右往左往するのでしょうか。


この感じだと、株価はまた「バブルへGO!」で上がっていくのかなというイメージです。

【参考記事】
米長期金利が低下している要因を総点検。自然反発すれば、1.40~1.50%程度までの戻りは想定できる(7月15日、志摩力男)
なぜ、米10年債利回りは上昇しないのか? 米金利低下時の、米ドル/円上昇は難しい(7月8日、西原宏一)
米利上げは時間の問題なのに、米雇用統計で米金利が低下したのはなぜ?(7月5日、西原宏一&大橋ひろこ)

なぜですか?

投資家は早期テーパリングを警戒し、リスク資産をキャッシュへと戻していました。


ところが、「米10年債利回りが2%を当面超えないだろう」との認識が広がれば、待機資金が株式市場へとジワジワ戻ってくるためです。

日銀、外債購入の静かなサプライズ

今週(7月19日~)は22日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会を控えています。


ECBは今月8日(木)、すでにインフレ目標を2%に引き上げて、2%を超えるオーバーシュートを容認する姿勢を発表済みです。


今回はフォワードガイダンスが修正される見込みですが、発表済みの内容を超えるような変更がないかぎり、ユーロが売られる余地は限られそうです。

先週、7月16日(金)の日銀金融政策決定会合では、前回のコラムでも話題にしたとおり、気候変動への取り組みとしてグリーン債の購入を発表しましたね。

【参考記事】
ドル/円は戻り売りでよさそう。107円台などに突入すればドテン買いも考えるが、短期的には売り目線(7月12日、西原宏一&大橋ひろこ)

びっくりしたのが、外貨建てのグリーン国債を購入する方針を示したこと


日銀による外債購入は、過去にも話題となりながらも見送られてきた経緯があります。


規模感などの詳細はまだ発表されていませんが、こうもあっさり外債購入が決まるとは。


これだけで考えれば円安要因ですが、市場のテーマは米国のテーパリング開始時期に集中しており、市場関係者も注目していないようです……。

【参考記事】
ドル買いを基本にしながらも、細かいトレードのほうが上手くいきそう。市場は米国の本格的な景気回復を、完全には信用していない(7月15日、今井雅人)

OPECプラスでは減産協議が合意。材料出尽くしからか、原油価格は下落

コモディティ市場では、OPECプラス(※)の減産協議がやっと合意しましたね。

(※編集部注:「OPECプラス」とは、OPEC(石油輸出国機構)にOPEC非加盟の主要産油国を加えた枠組みのこと)

【参考記事】
ドル/円は戻り売りでよさそう。107円台などに突入すればドテン買いも考えるが、短期的には売り目線(7月12日、西原宏一&大橋ひろこ)
米利上げは時間の問題なのに、米雇用統計で米金利が低下したのはなぜ?(7月5日、西原宏一&大橋ひろこ)

減産の規模を縮小し、来年(2022年)4月が期限だった協調減産を、5月以降も継続することでまとまりました。


材料出尽くしから投機マネーの利食い売りが入っているのか、このニュースでWTI原油は1%超の値下がりとなっています。


このところ豪ドルやカナダドルなどが弱いのは、原油安も影響しているのかもしれませんね。


大きめの調整になるようだと、リスクオフ気味に動くかもしれません。

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足チャート

(出所:TradingView

豪ドル/円 日足
豪ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

カナダドル/円 日足
カナダドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

中期的には株高だろうと思うのですが、ただ、その前に市場がグラっとする可能性もありますね。


そこでは、株やコモディティ通貨を買っていいのではと思っています。

8月利上げ濃厚なニュージーランドドルを押し目買い

ニュージーランドドルのアノマリーを見ると、8月は下げやすいんですよね。

8月は豪ドルもよくないですね。


利上げを控えるニュージーランドドルですが、実際に利上げすると「セル・ザ・ファクト」的に売られるのかもしれません。

今週はいよいよ東京オリンピックが開幕します。

日本は木曜日(7月22日)から4連休となりますから、東京市場の時間帯で流動性が低下するかもしれません。


いずれにせよ、今週は8月利上げがまだ織り込まれていないニュージーランドドルを、対円で押し目買いしていきたいと思います。

ニュージーランドドル/円 日足
ニュージーランドドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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