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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

ドル買いを基本にしながらも、細かいトレードの
ほうが上手くいきそう。市場は米国の本格的な
景気回復を、完全には信用していない

2021年07月15日(木)11:43公開 (2021年07月15日(木)11:43更新)
今井雅人

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米CPI6月分が13年ぶりの高水準となり、米ドル高となる局面があった

 今週(7月12日~)は、米国消費者物価指数(CPI)6月分が発表になりました。結果は、前月比0.9%の上昇と13年ぶりの高い水準となりました。

 これを受けて、米国の長期金利(米10年債利回り)が上昇し、FX市場では米ドル高の展開となる局面がありました。

米10年債利回り 1時間足
米10年債利回り 1時間足チャート

(出所:TradingView

米ドルVS世界の通貨 1時間足
米ドルVS世界の通貨 1時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足

 そこで、金融市場がなぜ、この物価指数に敏感になっているかについてご説明したいと思います。

金融市場には癖や流行がある。そのときそのときによって、注目する材料が変わっていく

 一般的に言って、金融市場には癖というか流行というべきものがあります

 そのときそのときによって、注目する材料が変わっていくということです。

 地政学リスクなどの政治ネタに敏感になるときもありますが、大体は、経済や景気などに関心が集まることが多いと思います。

 そして、その関心のある材料に関連して、注目する経済指標も変わっていきます。

 私がこの世界に入ったときは、米国の「双子の赤字」が市場の関心事でしたので、貿易収支の結果に一喜一憂していました。

 米国の住宅市場に注目が集まっているときは、住宅関連指標に敏感に反応した時期もありました。

現在は米国の金融政策が焦点となり、雇用と物価の指標に注目が集まっている

現在はどうかといいますと、雇用関連の指標と、物価関連の指標です。

 これは、米国の金融政策がいつ転換するのかという点が焦点だという背景があります。

 現在、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は、金融政策を判断するに当たって、雇用状態と物価の状況をもっとも注視しています。

 そのために、これらの指標に注目が集まっているということです。

強い米CPIへの反応が一時的なものに終わったワケは?

 さて、この物価指数への反応も一時的なものに終わっています。なぜでしょうか。

米10年債利回り 1時間足
米10年債利回り 1時間足チャート

(出所:TradingView

米ドルVS世界の通貨 1時間足
米ドルVS世界の通貨 1時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足

 それは、まだ市場関係者がこの流れが本格的になるのかを疑っているからです。

 ご存知のように、この1年あまり、新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界中でかつて経験したことのないような経済の落ち込みとなりました。

 今、米国はマスク着用も解除する動きが活発化してきて、経済は一気に回復しています。

 しかし、それは大きなマイナスからの脱却であって、本格的で持続的な景気回復を必ずしも意味していません

 また、生産活動が鈍っているところで、一気に需要が高まったことで、需要と供給のバランスが一時的に崩れている可能性もあります。

 この点はFOMC(米連邦公開市場委員会)でも指摘されています。

 ですから、もう少し長い期間に渡って、指標結果などを見てみないと完全には信用できないと市場が考えているということだと思います。

米ドル買いを基本としながらも、細かいトレードをするほうが、回転が効いて上手くいきそう

 しかし、何度も申し上げていますが、私個人的には米国の経済は本格的な回復基調に入っていると考えています。

【参考記事】
米雇用統計は100万人増との見方も。今回は希望を持てるかも…と考えるワケは?(7月2日、今井雅人)
市場はFOMCの結果に悪乗り! しっぺ返しを食らった! 今後は強い米指標で米ドル優位へ(6月24日、今井雅人)
FOMCで将来的な利上げの可能性示唆! 徐々に米長期金利や米ドル上昇の流れへ(6月17日、今井雅人)
底値が切り上がる米ドル/円を109円台前半で押し目買い。米雇用統計がとても重要に!(6月3日、今井雅人)
正常な市場の反応は長続きしなさそう。米ドル/円の押し目買いが一番安全か(5月20日、今井雅人)
失業手当の充実が、悪い雇用統計の原因か。より実態を反映しているのは強い米CPI(5月13日、今井雅人)
米国の強さを改めて痛感。それでも、米ドル高がどんどん進行しない理由は?(5月6日、今井雅人)
米長期金利が比較的堅調なのに米ドル全体の動きがさえず、円安が進んでいるのはなぜ?(4月30日、今井雅人)
米ドルの大崩れはないだろう。最近の為替市場で起こった不思議な動きについて解説(4月22日、今井雅人)

 ですから、いずれは「米金利上昇・米ドル高」の流れが本格化するときが来ると待ち構えています。

 ただし、市場全体は先ほど説明したようか空気感ですので、まだトレンドが出てくるような状況にはないでしょう。

米ドル買いを基本としながらも、押し目を買って、少し上がったら決済するという細かいトレードをするほうが、回転が効いて上手くいくと思います。

米ドル/円も109円台をしっかり買って、110円台から111円台で決済するということを考えてみてはどうでしょうか。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView


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