ECB理事会は、低金利政策の長期化を示す内容に
先週(7月19日~)22日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会では、物価目標が2%超を容認し、ラガルド総裁の会見では「PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)については議論されなかった」という発言があるなど、低金利政策の長期化が示される内容でした。
ただ、市場予想の範囲内だったこともあり、ユーロは瞬間的な上下動はあったものの、トレンドはなく、ユーロ/米ドルでは、1.1800ドルを挟んだ推移が続いています。
(出所:TradingView)
最近の為替市場は、それぞれの国の内容で通貨はあまり動いておらず、米長期金利の動きが影響していることが多くあります。
【参考記事】
●各国の金融政策発表後、過度なトレンド発生は期待せず。長期的には米ドル高へ(バカラ村)
米長期金利が上昇すれば、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が上昇し、米長期金利が下がれば、クロス円が下落しています。
(出所:TradingView)
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FOMCに注目も、目新しい内容は出なさそう
今週(7月26日~)のイベントとしては、27日~28日のFOMC(米連邦準備制度理事会)や月末・週末での実需のフローによる動きになります。
FOMCでは、今回は政策金利は据え置きが予想され、ドットチャートなどの金利見通しは公表されないため、前回のように動きは期待できないように思います。
【参考記事】
●突然、ハト派からタカ派になったFRB。米ドル高継続なら、ユーロ/ドルは戻り売りで(6月22日、バカラ村)
パウエル議長の会見が注目されると思いますが、これまでと同様にハト派な内容を繰り返すだけになると思いますので、目新しい内容も出てこないように思います。
今回のFOMCでは、ドットチャートなどの金利見通しはなく、注目のパウエル議長の会見もこれまでと同様にハト派な内容が繰り返されるだけになるか (C)Bloomberg/Getty Images News
市場はテーパリングがいつなのか、そこに注目していますが、多くの予想では、8月26~28日にジャクソンホールで開催される経済シンポジウム、もしくは9月21日・22日のFOMCで示唆され、今年(2021年)の年末、もしくは来年(2022年)初旬にテーパリング(※)開始という予想が多いです。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
そのため、今回のFOMCでは動きは期待しにくく、今週(7月26日~)は、実需のフローで動く程度ではないかと思います。
米ドル/円は目先横ばい。上昇するのは8月のジャクソンホールのころか
米長期金利は4月の1.77%から1.12%まで下がり、その中で1~2週間のサイクルで上下動を繰り返しています。
(出所:TradingView)
米長期金利は、テーパリングや将来的に利上げの可能性があるため、中期的な下げは止まっても不思議ではないですが、1~2週間の上下動のサイクルの動きが変化するまでは、この下げが止まったのか、まだはっきりしないところです。
ただ、8月にジャクソンホールで経済シンポジウムが開催されるころには、米長期金利も上昇していると思いますので、米ドル/円は現在、109~111円のレンジで推移していますが、米長期金利の上昇に合わせて、米ドル/円も上昇している可能性が高いと思います。
(出所:TradingView)
ただ、目先は横ばいで推移しており、まだ材料にも乏しいため、横ばいが続くと思います。
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ユーロ/米ドルは積極的に買うような材料は乏しい。しばらくは、1.17~1.19ドルレンジか
ユーロ/米ドルは、ECB理事会の内容がハト派だったこともあり、積極的に買うような材料には乏しいように思います。
上昇するとすれば、これまでのポジション調整程度だと思います。
先週(7月19日~)、3月末の安値1.1703ドルに近い水準の1.1751ドルまで下がりましたが、まだしばらくは1.1700~1.1900ドルのレンジと考えて、戻り売りを繰り返す動きが続くのではないかと思います。
(出所:TradingView)
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