RBNZは量的緩和終了示唆。利上げサイクルに入る可能性も
先週(7月12日~)は、14日(水)にRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の政策会合がありました。
QE(量的緩和策)を縮小させる可能性はありましたが、インフレ懸念から今月(7月)23日(金)にQEを終了させることを示唆しました。
段階的な縮小ではなく、終了となります。
【参考記事】
●パウエルFRB議長の議会証言は質疑応答がポイントに。米ドル/円は、しばらく109~111円レンジで推移か(7月13日、バカラ村)
さらに、金融機関からは来月(8月)のRBNZの政策会合で利上げを予想するところもあり、11月にも利上げ、来年(2022年)にも利上げをするとの見通しで、利上げサイクルに入る可能性があります。
それを受けて、ニュージーランドドルは上昇しました。
(出所:TradingView)
普通に考えれば、ニュージーランドドルはその後も上昇が続いていいのだと思いますが、ただ昨日(7月19日)はリスク回避の動きから、オセアニア通貨を含めて資源国通貨が売られています。
BOCは、量的緩和をさらに縮小することを示唆
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7月14日(水)は、BOC(カナダ銀行[カナダの中央銀行])の政策会合もあり、4月の時点では量的緩和を縮小しましたが、今回もさらに縮小することを示唆しました。
それを受けて、カナダドルは瞬間的に上昇。
しかし、先週(7月12日~)末に、OPECプラスで減産縮小が合意され、原油が下がったことで、カナダドルも軟調に推移しています。
(※編集部注:「OPECプラス」とは、OPEC(石油輸出国機構)にOPEC非加盟の主要産油国を加えた枠組みのこと)
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
ECBのフォワードガイダンス修正は、ハト派な内容になりそう
今週(7月19日~)は、ECB(欧州中央銀行)理事会が22日(木)に開催されます。
ECBは、7月8日(木)に戦略見直しとして、これまでの物価目標「2%弱」を「2%」へ変更しました。
以前と比べると金融緩和が続きやすいことになるため、ハト派な内容だと考えられますが、ただドイツの要人からは、インフレを容認することに対して懸念が示されています。
ドイツは以前に、ハイパーインフレーションに苦しめられたこともあるため、インフレを容認することは難しいようです。
7月22日(木)のECB理事会では、フォワードガイダンスも修正されますが、ハト派な内容になると思いますので、その期待からユーロ/米ドルの上値も抑えられそうです。
(出所:TradingView)
今週(7月19日~)の注目イベントとしてはECB理事会になるため、そこで大きく動くことも期待したいところですが、先週(7月12日~)のRBNZやBOCの政策会合での動きが続いていないため、ECB理事会でも動きは限定的になりそうです。
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米金融緩和の長期化から、長期金利は下がりやすい
今年(2021年)に入ってから市場参加者は米長期金利に注目していますが、昨日(7月19日)は、1.17%台まで下がりました。
(出所:TradingView)
7月8日(木)の下げで、いったん底をつけたかと思いましたが、まだ下降トレンドが続いていることになります。
米国はCPI(消費者物価指数)などが上昇しており、インフレ懸念もあるため、2023年や早ければ来年(2022年)にも利上げの可能性があります。
そのため、米長期金利は下げ続けるようには思えないのですが、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が議会証言で、インフレは一時的との考えを維持しているため、金融緩和の長期化から米長期金利が下がりやすい状況です。
パウエルFRB議長は議会証言で、インフレは一時的との考えを維持している。そのため、金融緩和の長期化から米長期金利は下がりやすい状況 (C)Bloomberg/Getty Images News
それに連れて米ドル/円も、昨日(7月19日)は109.06円まで下がりました。
(出所:TradingView)
パウエル議長がインフレは一時的とするため、米長期金利は下がりますが、下がったころにインフレ懸念が出てくるため反発。しかし、パウエル議長がまたインフレは一時的とするため、米長期金利が下がるという動きを繰り返している状態です。
その繰り返しのため、米長期金利は一方的に下がっているというよりは、ジグザグに推移しながらの下げになっていることになります。
米長期金利が下降トレンド継続なら、ドル/円は下値拡大の可能性
米ドル/円も、111.65円から109.06円まで下がりましたが、一方的に下がっているわけではなく、ジグザグに推移しながらになります。
米長期金利は、1~2週間程度のサイクルで上昇トレンドと下降トレンドを繰り返しており、現在は下降トレンドのタイミングになっていますが、間もなく上昇トレンドのサイクルに変わると思います。そのときは米ドル/円もそれに連れたような推移をすると思います。
それよりも、4月からの大きな下げトレンドに関しては、いつ止まっても不思議ではないと思っていますが、これが止まるまでは、その中での1~2週間程度のサイクルが続くと考えておくべきではないかと思います。
(出所:TradingView)
前回のコラムで、米ドル/円はしばらく109~111円のレンジとしましたが、米長期金利の4月からのサイクルがまだ終わっていないのであれば、米ドル/円は下値を拡大する可能性があることになります。
【参考記事】
●パウエルFRB議長の議会証言は質疑応答がポイントに。米ドル/円は、しばらく109~111円レンジで推移か(7月13日、バカラ村)
(出所:TradingView)
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